Category Archives: レポート、アクション、ほか

毎週発行「川内の家」ニュース42号・43号を掲載しました!

「川内の家」ニュースは、川内原発の再稼働反対を訴え、薩摩川内市駅前、市役所まえなどで毎週配布しています。

「川内の家」ニュース 43号 2015/01/30

1/25集会で3,000人が「再稼動No!」
3/2九電交渉にむけ、緊急署名に協力を

鹿児島県の92団体が集まる「3・11集会実行委員会」は3月2日、九電本店に申入れ行動を行います。これに向け、緊急署名にご協力ください
署名用紙ダウンロード
 署名集約先:ストップ再稼働!3.11 鹿児島集会実行委員会
 署名の締め切り 2015年2月23日(月)必着

「川内の家」ニュース 42号 2015/01/23
望月は、川内10万の避難訓練をやってみろ
九電は図面もなしに「安全対策は終了」?

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毎週発行「川内の家」ニュース40号・41号を掲載しました!

「川内の家」ニュースは、川内原発の再稼働反対を訴え、薩摩川内市駅前、市役所まえなどで毎週配布しています。

「川内の家」ニュース 40号 2015/01/09

県市だけの「地元同意」は、国と九電の勝手
30キロ圏内全自治体の同意=拒否権を

1月7日の南日本新聞 社説を紹介したい。
社説1/7付 [再稼働手続き] 「川内方式」では無理だ

「新規制基準」に基づく「安全審査」を次々とパスしていく原発=電力会社。「規制対象」と「規制者」(原子力規制委員会)は公開審議とは別に、頻繁に会合を開いている。審査は「電力会社の事情を考慮して」進められている。これでは全く歯止めの意味を持たない。

「川内の家」ニュース 41号 2015/01/16
阪神大震災は自然災害、原発事故は人災
「安全」と言うなら、九電に説明させよう

鹿児島県の92団体が集まる「3・11集会実行委員会」は3月2日、九電本店に申入れ行動を行います。これに向け、緊急署名にご協力ください
署名用紙ダウンロード
 署名集約先:ストップ再稼働!3.11 鹿児島集会実行委員会
 署名の締め切り 2015年2月23日(月)必着

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<「若狭の家」より寄稿いただきました>

高浜原発再稼働を許すな
反原発「若狭の家」の活動報告と行動予定

「若狭の家」運営委員会・事務担当共同代表・木原壯林

高浜原発再稼働の風雲は急を告げている。「若狭の家」は、若狭と全国、なかんずく関西を結ぶ反原発運動の更なる活性化を目指して、去る10月1日、大飯町に開設された。現在、4名の顧問、13名の共同代表、116名の運営委員によって構成されている。なお、集会、ビラ配布、街頭宣伝などを行う場合の団体名は「若狭の原発を考える会」とした。

以下は、「若狭の家」設立以来の活動の記録と今後の行動予定である。

「若狭の家」の活動記録(2014年10月~12月)

・10月中は、「若狭の家」を活動・宿泊施設として充実させる一方、数度のビラ各戸配布を行った。

・10月27日~28日 3名を薩摩川内市に派遣し、「川内の家」の活動に合流してビラと再稼働賛否自主投票葉書の配布、川内原発監視テントの設営の手伝い、自治会の人達との交流を行った。また、川内原発ゲート前集会、再稼働阻止全国交流会、鹿児島市内での川内原発再稼働阻止全国集会(7,500名が結集)に参加した。「川内の家」と共に関西から参加した学生十数名との交流会を開催した。ここでの経験は、「若狭の家」の活動に大いに参考となった。

・11月3日 若狭で反原発運動と再稼働反対署名に取り組んでいるメンバーと近畿で反原発運動に取り組んでいるメンバーが、川内原発・高浜原発再稼働の情勢を討議した。福井県知事宛の県民署名への福井県外からの協力の仕方、現地ビラ配りと住民等の交流、再稼働阻止のための現地大集会、関電本社包囲1万人集会の計画などが話し合われた。

・11月6日-7日 若狭で車デモ、街頭宣伝(街宣)、ビラ入れ、高浜町申入れを行った。
wakasa1 6日午後、小浜警察署前に集結した車6台は、横断幕を張り、高浜、大飯、小浜の3グループに分かれて、3地域全域で、「原発再稼働を許すな!」の街宣を行った。6日夜は原発再稼働について討議し、交流会を行った。
 7日は、高浜の道の駅を出発して、高浜、大飯を中心に街宣と各戸ビラ配布を行った。手渡しできた人の多くは「ご苦労様」とは言うが、強い関心を示される人はほとんどなかった。
 同午後2時からは、高浜町役場にて、「高浜原発の再稼働を認めないように」との町長宛の申入れを行い、避難計画などへの質問を行った。高浜町からは、防災安全課主査ら2人が対応した。
wakasa2
申入れ会談では、原発は、制御できるものではないこと、事故時避難は不可能であることを強調した。また、高浜原発で事故が起こったら、高浜町以外の周辺自治体はもちろんのこと、近畿も被害地になるので、高浜町の責任は重大であること、原発は10年後には老朽化によって全て廃炉になると予測されるので、今、原発のない町づくりを始めるべきであることも指摘した。高浜町側は、頷きながら聞いて、町長に伝えるとは述べたが、質問に対する書面での回答は拒否した。なお、避難困難地域には、一時(3~4日間)避難できるシェルターを計画していることを明らかにしたが、避難者救出の方法などの対策は考えられていなかった。高浜町側は、交通渋滞などで円滑な避難ができないことは、薄々承知しているという対応であった。

・11月7日~8日 鹿児島での川内原発再稼働阻止集会に代表を派遣した。

・11月8日 大飯原発差止訴訟。京都脱原発訴訟団主催の「ストップ原発再稼働!京都集会」で、福井の原発の現状と「若狭の家」を紹介した。

・11月16日 「再稼働やめろ!デモin御堂筋」で「若狭の家」共同代表が基調講演した。

・11月22日~23日 学生5人と再稼働反対ビラを各戸配布、宿泊勉強会を行った。23日、中嶌哲演さんを訪問して討論の後、舞鶴港で米イージス艦を見て、京丹後で米軍Xバンドレーダー基地を視察の後、学生作成の米軍基地に反対するビラを各戸配布した。後日、学生から感想文が寄せられた。

・11月29日 反原発「若狭の家」開設を記念した講演・学習・討論会「若狭の原発再稼働を阻止しよう」を次の次第で開催した(参加者64名)。
1.開会挨拶      「若狭の家」運営委員会共同代表 新開純也 
2.顧問あいさつ    「若狭の家」運営委員会 顧問 小林圭二
3.開設祝賀メッセージ  「若狭の家」運営委員会 顧問 柳田 真(代読)
4.「大飯原発3,4号機運転差止事件」福井地裁判決の再確認:判決要旨の朗読
   反戦老人クラブ滋賀 高瀬應臣
wakasa35.報告:福井での原発再稼働阻止の戦い 
  「若狭の家」運営委員会(福井) 若泉政人
6.講演:原発は人類と共存し得ない -原発の即時全廃を目指して- 
  「若狭の家」運営委員会・共同代表(事務担当) 木原壯林
7.討論:原発再稼働阻止運動を発展させよう
   議事進行 「若狭の家」運営委員会共同代表 高瀬元通
8.反原発関連アピール 
9.閉会 司会   汚染水問題を憂う京都府民の会 内富 一

夕方から開催された集会「目前に迫った高浜原発再稼働をどう阻止するか -関西の運動の再構築ために-」(呼びかけ人代表 小林圭二)には、関西の反原発運動団体代表者が出席し、高浜原発再稼働に関する情勢、2015年前半にかけての、原発立地若狭と電力消費地関西を結ぶ再稼働阻止運動の進め方と今後の大まかな予定が話し合われ、関西での再稼働阻止ネットワークの再構築の必要性が確認された。
(後述の今後の行動予定を参照のこと)

・12月6日 「もんじゅを廃炉へ 全国集会」(敦賀)に参加した。集会後、たんぽぽ舎と共催した全国交流会では、高浜原発再稼働阻止行動の今後を討議した。(後述の今後の行動予定を参照のこと。)

・12月11日~13日 薩摩川内市民の団体『再稼働していいの?「52円の住民 投票」の仲間たち』の企画として、市内4ヶ所で開催された「講演会:事故後の避難はどう行われたのか?」に参加し、木幡ますみさん(福島の女たち)と木原壯林(「若狭の家」運営委員会共同代表)が講演し、住民と討議した。
  
一方、川内原発監視テントを訪問し、交流した。
・12月19日~20日 19日、高浜、大飯でビラ配布の後、福井、京都、滋賀、大阪の会員が交流会を持ち、再稼働阻止の運動について討議した。20日、ビラ配布の後、福井・近畿の運動について討議し、午後、福・福ネット主催の公演・講演会「飢餓海峡」に参加した。(後述の今後の行動予定を参照のこと。)

・12月26日 福井県庁前での金曜行動とデモ行進の後、交流会で高浜原発再稼
働阻止行動の今後を討議した。(後述の今後の行動予定を参照のこと。)

・12月28日 釜ヶ崎日雇労働者組合「越冬突入集会」で原発再稼働阻止運動へ
の参加呼びかけビラの配布と「若狭の家」からのアピールを行った。
この他、「若狭の家」は、若狭地域でのビラ配布、各種の集会や活動のための会合、宿泊に活用された。


高浜原発再稼働阻止へ向けて、「若狭の家」の活動計画(案)

「若狭の家」運営委員会は、2014年の活動と討議を基に、急を告げる高浜原発再稼働を阻止するために、次の行動を提案します。全国の皆さんのご支援とご協力をお願いします。なお、計画は情勢に応じて変更されることもあります。

高浜原発は、原子力規制委の新規制基準適合通知を受け、1月17日までのパブリックコメントを経て、規制委の再稼働正式認可を得ようとしている。正式認可が出れば、高浜町の議会全員協議会、福井県議会全員協議会での容認決議が行われ、内閣のGO発信を経て、再稼働されると予測される。安倍政権の衆院選勝利がこれを加速させているので、統一地方選前の3月高浜定例議会(2月臨時協議会の可能性もある)および福井県議会(2月開催3月9日終了予定)で決議される可能性もある(県議会議長は「自分の任期中に決議」と発言)。

再稼働阻止の運動は、現地高浜‐福井‐関西各地‐全国で連帯して展開されなければならない。集会・デモだけではなく、現地を中心にした宣伝、署名活動を強化し、各種各方面への申し入れ行動などを重層的に行う必要もある。一方、裁判闘争も重要である。12月提訴の高浜、大飯の差し止め仮処分の判決が2月中に出される。また、先の福井地裁判決の第2回控訴審は2月9日に行われる(金沢)。さらに、大津地裁への仮処分申請が提出される予定である。

「若狭の家」運営委員会は次の行動を提案する。

  1. 再稼働を認めないように要望する福井県知事、高浜町長宛の署名活動を展開
    する。具体的には、現在実施中の次の3系統6種の葉書署名活動を強化する。
    ①-1:全国から福井県知事宛の要望、①-2:全国から高浜町長宛の要望
    ②-1:近畿から福井県知事宛の要望、②-2:近畿から高浜町長宛の要望
    ③-1:京都、滋賀北部から福井県知事宛の要望、③-2:京都、滋賀北部から高浜町長宛の要望

    なお、県知事宛署名は、「もう動かすな!福井県民署名」実行委員会の活動に協賛するものであり、福井県内での署名は、この実行委員会の署名用紙で行う。一方、本葉書署名は福井県外での署名集めを主要活動としている。

  2. 1月31(土)~2月1日(日)に車30~50台、100人規模の車デモ、署名、街宣を展開する。2月中にも町議会で承認されかねない高浜原発再稼働を断固阻止する運動の一環である。行動への参加は、次の3グループとして募集する。
    ① 1月31日、2月1日両日参加(1泊:宿泊は夕、朝食付8,000円の民宿と「若狭の家」を用意している)、② 1月31日のみ、③ 2月1日のみ。
  3. 2月中旬~下旬に「住民の住民による住民のための説明会(仮称)」を開催する。原子力規制庁は、高浜町での住民説明会を行わないと言われている。したがって、管制でない説明会の意義は大きい。福井、関西、全国各地からの参加も呼びかけ、500人規模で開催する。
  4. 3月下旬に高浜現地で、再稼働阻止現地大集会・デモ・署名活動を行う。3月初旬は、3.11関連集会が各地で企画されているので、これに結集するが、再稼働阻止に向けては、現地闘争も重要である。高浜町議会、県議会の推移を見ながら、全国からの結集による千人規模の現地闘争を設定する。
  5. 5月、関電本社(大阪)包囲1万人集会を勝ち取る。関西は、若狭の原発で 発電した電力の消費地であり(若狭では、関電の電力は使っていない)、無意識的であっても、原発推進に加担してきたと言える。したがって、関西での原発NOの運動は、原発立地の運動とともに再稼働阻止行動の両輪となる。反原発団体を総結集した集会を開催し、関電に再稼働を断念させる行動を展開する。
  6. その他、以下の行動を積み重ねる。
     ・1月下旬、京都で再稼働阻止の集会を開催するとともに、京都府および関西広域連合に原発反対の姿勢を鮮明にすることを要望する。
    ・1月12日、若狭、舞鶴でビラ配布、街頭宣伝、署名活動を行う。
    ・1月19日~20日、若狭、舞鶴でビラ配布、街頭宣伝、署名活動を行い、高浜町長宛の署名を高浜町に提出し、申入れを行う。
    ・1月24日~25日、若狭、舞鶴でビラ配布、街頭宣伝、署名活動を行い、宿泊して原発再稼働阻止を目指した学習会を行う。学生の参加を呼び掛ける。また、かごしま反原発連合呼びかけの「全国金曜行動・交流会議」に代表を派遣する。
    ・毎週金曜日に各地で行われる「金曜行動」に極力参加する。

==========
上記「若狭の家」の再稼働阻止行動へのご参加とご支援をお願いします。

問合わせ 「若狭の家」運営委員会・事務担当共同代表(木原)
メール kiharas-chem@zeus.eonet.ne.jp TEL 090-1965-7102

毎週発行「川内の家」ニュース39号を掲載しました!

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「川内の家」ニュース 39号 2015/01/02

田中委員長の「アリバイ視察」で暮れた14年
今年も、全原発が動かない1年にしよう

原子力規制委・田中委員長は年末、川内原発を視察した。福島原発事故をふまえてもなお、電源車や放水車を見ただけでことさらに「安全宣言」を唱えている。新規制基準をクリアしても100%安全とは言わない、などと発言しつつも、穴だらけの規制基準を指摘されても無視、電力業界側の都合ばかりを優先している。
福島第一の放射能汚染水処理はいまだ収束せず、高濃度汚染水の海洋放出を黙認している規制委には、二度と事故を起こさないという覚悟はないのだろうか。

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毎週発行「川内の家」ニュース38号を掲載しました!
12/26(金)は休刊、次回掲載は年明け1月2日(金)予定です)

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「川内の家」ニュース 38号 2014/12/19

九電が、川内原発は「安全」というのなら
30キロ圏内全市町で「住民説明会」を開け

「2011年3月11日」を境に、福島の事故を無視して原発を捉えることはできない。それが一般人の考えだ。しかし今、原発再稼働を進めようとしている人間は、原発によって利益を得る者ばかり。
私たちは、原発再稼働を進めたい者らに説明責任を求めると同時に、有言実行のもと、説明した内容に責任を持つことを求める。
机上の空論を連発したうえ、ただの「説明」で終わらせられたのでは、史上最悪の再来は免れない。

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毎週発行「川内の家」ニュース37号を掲載しました!

「川内の家」ニュースは、川内原発の再稼働反対を訴え、薩摩川内市駅前、市役所まえなどで毎週配布しています。

「川内の家」ニュース 37号 2014/12/12

原発事故後の避難は、どう行われたのか?
木幡さん・木原さんを招き、3日連続講演会

福島で事故が起きた時、地元の人々はいったいどのように避難したのか。当時、テレビやラジオで報道された内容が原発周辺にいた人達を救ったとは思えない。何が起きているか正しく知る方法も無く、ただ、上から伝えられる情報のまま、避難を余儀なくされた住民。ふたを開ければ、「放射線量が高く、人間の住める場所でなくなってしまった住処」。

こんな事態を二度と引き起こしてはならない。

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たんぽぽ舎メルマガ TMM:No2361, TMM:No2364 より

12月11日(木)に参議院会館講堂で再稼働阻止全国ネットワーク主催の、原子力規制委員会との交渉に参加した。「川内原発の耐震対策の達成度(工事計画認可と保安規定)」に関する質問を作った立場から感想を述べる。

山崎久隆(たんぽぽ舎)

情報は公開されていない

 まず、当日発言冒頭にも述べたとおり、2万ページ公表したという工事計画書の中身とは、大半が白抜きばかりで構造図や生データは、ほとんどが消されていた。「安全性に問題なし」との結論ばかりを書き連ねた作文に過ぎない。

 規制委に「何のための公開なのか」と問いただすと、答えに窮する。それはそうだ。データが無ければ検証できない。公開文書から、誤った計算や評価をしていないか、もともと無理な計画になっていないか、あり得ない想定をしていないかなどが、データが無ければ読み取れない。

 現在では科学論文が公開されると、その記述や実験の誤りについて誰もが検証し、場合によっては追試まで出来る時代だが、規制委の公表姿勢は時代に逆行している。

 勿論白抜きをしたのは九州電力であり規制委ではないが、その白抜きを何の批判も無くそのまま垂れ流しで公表したのでは企業の言いなりだ。「どっちを向いて審査をしているのか」ということに他ならない。

 規制委は「核物質防護と企業秘密の保護が理由であり(前日施行された)特定秘密保護法とは関係はない」としているが、そもそも建屋の大きさや構造材の寸法や地震時にかかる力の大きさなどは秘密にして良いものではない。それが分からなければ検証のしようがないからだ。電力が「非公開」と主張しても規制が「公開せよ」と命ずればいいのであって、それこそが「事業者と市民のどっちを向いて規制しているのか」が問われるのである。

地震で破壊される危険性

 白抜きが多い資料でも、いくつか分かるポイントがある。

 その中でも驚くべきは圧力バウンダリと呼ぶ原子炉一次系の容器や配管の耐震強度にある。
 Ss基準地震動は解放基盤表面の地震動で620ガルとされ、それが基になって原発内部の構造物などでの揺れの大きさを決め、その揺れで発生する応力値が決まる仕組みになる。

 もともとが375ガルで設計、施工されていた原発で、大きな改造でもしない限り耐震強度は変わらない。その設備で揺れの大きさだけが大きくなれば、「掛かる力」だけが大きくなるわけだから余裕は無くなる。設計・施工時には地震の揺れに比べて構造物の「耐える力」は十分大きかったところも、揺れの大きさが二倍近くになれば当然ながら余裕を食いつぶしてしまう。しかもこれは、地震の揺れだけの話だ。炉心が損傷し、燃料からの高温の熱が圧力容器や加圧器や蒸気発生器などに伝達した状態で基準地震動に揺さぶられるケースなど考慮もされていない。

 「そんな地震に遭遇することなどあり得るのか」というのならば、そういう想定をすることが3.11以後の日本では必要になったというほかない。本震に匹敵するほどの余震または誘発地震が襲う可能性は3.11以後の日本では通常起こり得ると考えるべきだ。

「安全余裕」なし

 工事認可書に書かれていた地震時の発生力は設備構造が塑性変形(変形して元に戻らなくなる限界点を超える力が掛かる)をする場所が多数あることを示していた。その多くが原子炉の燃料を通る一次冷却材を封じるための「圧力バウンダリ」そのものだった。

 「4As」と呼ばれる数値は、この力まで加わっても破壊点までは余裕があるが変形するとされる値だ。それよりも小さい値に「3As」というものがあるが、この値までならば弾性変形(変形しても元に戻る)範囲である。したがって破損の可能性は無い。
 4Asを超えたら補強するか、使わない。これが安全側の考え方だ。しかし九電は4Asを超えても直ちに破断するものではないとして、使用を継続できるとしている。これが「安全余裕を食いつぶす」姿勢だ。

 しかも、その部位が圧力バウンダリに多数存することは重大である。これが破壊されると直ちに炉心溶融を引き起こすからだ。これでは条件が少し違えば破断する恐れがでてくる。本来は変形する力の3倍以上の余裕を持つべきものが、破断する力の3倍の余裕さえ持っていないと疑われるのである。美浜3号機の二次系配管や美浜2号機の蒸気発生器細管は、地震が起きなくても破断し、冷却材漏れの大きな災害になった。地震時には、このように減肉や亀裂で脆くなった配管が存在することも想定されていない。例えば減肉で肉厚が半分になった配管は、そのままでは破断しなくても、地震荷重に対する強度が三分の一に落ちてしまう場合があることが、防災科学技術研究所の実験で確認されている。三倍の安全余裕が無ければ肉厚半分で破断すると考えなければならないが、そのような想定に基づく性能設計はされていない。

制御棒挿入時間のゴマ化し

 制御棒の挿入時間については、大きな疑義が出た。制御棒は基準では2.5秒以内に挿入出来なければならないが、2.18秒で挿入できるとしている。しかし過去に原子力安全基盤整備機構JNESが行った多度津の振動台(既にもう存在しない)における実機試験では「Ssの3.3倍の地震を再現した結果、燃料集合体が40ミリ以上変位し2.2秒以内に挿入できない」という結果が出ている。

 (基準地震動)Ssの3.3倍相当というと、620ガルの川内では2000ガルあまりとなる。ところが九電の解析では2828ガルで揺すっても問題ないという。

 ところがこの解析表には「最大変位」のところの数値が白抜きになっている。都合の悪いデータを隠しているのではないかと疑われる。
 実機試験とはいえ、多度津の振動台は三次元の振動試験は出来ず、横揺れを模擬しただけである。いうまでも無く実際の地震は縦揺れもあるので遙かに厳しい。それから考えても九電の解析は驚く結果だといわざるを得ない。

工事計画認可は出来ないはず

 規制委は「工事計画は審査中」として、何時決定されるかを明言しなかった。補正に次ぐ補正であることも明らかにした。その中には「誰が、いつ、どんな場合に原子炉を止める決定権を持つのか」などという実に重大な点も含む。そんなことも明示されないというだけでも信じがたいのだが。

 私たちは是非、工事認可はパブリックコメントにして欲しいと要求したが、同地に全面的に公開することも要求した。あちこち齟齬を来し、いうなれば「つじつまあわせ」の作文になっているのは間違いないだろう。

 少なくても大量の放射能放出は起こらない設計、施工になっていなければ認可できない原発の、その証拠書類が公開されない、あるいは随所に疑問がある上、安全余裕をぎりぎりまで切り詰めても動かすというのだから、これまで以上に危険な原発になっているのである。

たんぽぽ舎メルマガ TMM:No2359 より

11日の規制庁交渉報告(Yさん)

 12月11日、議員会館で行われた原子力規制庁(安全規制管理官3人出席)との院内交渉に参加した。市民50数人参加によりあらゆる問題点を指摘する。
 私が「ありえない事」として驚いた一つは、最も基本となるべき手続きのデタラメさであった。本来の手続きは「新規制基準」による設計合格(審査書認可)、工事計画認可合格(工事方法、技術基準審査)、その合格後の九電の工事の施工実施、工事完成後の使用前検査、原発保安規定認可に基づく保安検査、それからの再稼動に進むのが当然の経過であるはずが、完全なシステムの無視が規制庁承認の中で行われていたことだ。

 この順番が守られていれば、未だ工事計画認可が合格していないのであるから、重要度クラス1の圧力容器、非常用炉心冷却装置の変更工事まで伴うのであるから、再稼働はまだ数年後のはずである。しかし来春の再稼働であるという。
 驚くことに、「実際は、工事を進めている」との管理官報告であった!
 工事計画認可が承認されないのになぜ、工事ができるのか!

管理官の回答によると「3.11後、福島のようにならないように自主的に工事を進めている」というのである。恥ずかしくなく堂々と言える神経がわからない。

 何というデタラメ!こういうやり方を「事前着工」というのであり、建設業界ではありえないし、事前着工が判れば認可(確認行為)取り消しであろう。
これでは工事内容に合わせて、認可内容を「後追い」するだけであり、電力会社の施工方法審査、技術基準審査等何の意味もないことだ。

 要するに、規制庁は電力会社の言いなりなのだ。審査など何の意味もなく、検査と言ってもせいぜい外部からの「目視検査」しかできないのだ。

 こんな規制庁はいらない!まさに「原発推進庁」である。

**********

12.11原子力規制庁院内交渉集会に参加して(報告:Sさん)

 この交渉集会は、9月10日に川内原発再稼働のための審査書(合格証)を決定した規制委・規制庁に対して、再稼働反対の理由を指摘するとともに、現在進行中の工事計画・保安規定の状況を追及する目的で開催された。参議院議員会館講堂に52名の市民が集い、対する規制委側は若手3人(うち女性1人)であった。

 あらかじめ規制委に提出してあった質問書に答えてもらう形で進められた。
しかし最初から最後までこちら側が納得のいく回答は得られなかった。というのも規制委の回答は何らかの根拠に基づくものでもなければ具体的なデーターを提示するものではなかったからだ。また、山崎さんが入手したデータでは白抜きがすごく多いので、「検証するためにも全部公開してください」と要望したところ、規制委は「テロがねらう」と発言し、会場からは失笑がもれた。
20年前には公開されていたのに今(原子力規制委)のほうが透明性がない、と山崎さんは指摘する。

 さらに、地震や火山の危険性に対する学説に対しても無視を決め込む。地震学者が規制委の審査が法令違反だとするのに対し「違反とは言えない」と強弁し、
火山の予測は不可能という学説に依拠するこちら側とは「水掛け論になってしまうから」と議論を打ち切ろうとする。
 しかし考えてほしい。火山予知が仮にできても5年間冷やしてからでないと使用済み核燃料は移動できない。火山が噴火する5年前に予知は不可能だ。

 最後に司会者・木村さんからの「規制委は、保安院と変わらないばかりか、もっと悪いのではないか」という指摘や、鹿児島から参加された向原さんの「火山の予知ができないのに原発を動かそうとしている人たちに、私たちの命が握られている」という言葉に、首肯すると同時に慄然とする。

 再稼働を許してはならない、絶対に。

毎週発行「川内の家」ニュース36号を掲載しました!

「川内の家」ニュースは、川内原発の再稼働反対を訴え、薩摩川内市駅前、市役所まえなどで毎週配布しています。

「川内の家」ニュース 36号 2014/12/5

原発があるところ、民主主義が死滅する
川内市を、息のつまる町にしていいのか?

福島の事故が起き、さまざまなことが「破壊」されたことに目をそむけてはいけません。過酷事故を二度と起こさないために、原発を稼働させないことが一番の早道。自然災害にそなえれば、わたしたちに原発という選択肢は無い。声をあげよう!

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12/11原子力規制庁との院内交渉 事前質問書

原子力規制委員会・規制庁への質問(事前に送付)

2014年12月05日 再稼働阻止全国ネットワーク

私たちは、昨年の6月、本年の1月、5月と院内交渉集会を重ね、原子力規制委員会に質問・申入れをしてきました。私たちは原子力規制委員会に対して、「再稼働よりもイチエフ放射能汚染水汚染対策と廃炉を」「既存原発を稼働する為の『新規制基準』はいらない」「再稼働ありきの審査は止めろ」と訴えてきました。

にもかかわらず、原子力規制員会は全国の反対の声とパブコメ1万8千件の意見を無視して、9月10日に川内原発再稼働の為の審査書(合格証)を決定し、地元薩摩川内市と鹿児島県の議会と首長が住民の意向を無視して「同意」を決定、早ければ今年度内に川内原発の再稼働かと報道されている。

しかしながら、川内原発の審査については、地震・火山・避難計画・地元同意ほか多数の問題が指摘摘されながら規制委はそれらを無視、今は工事計画、保安規定の審査の真っ最中、規制委と九電とのヒアリングと称する秘密会合が毎日行われています。

私たちは、鹿児島の人たちや専門家の方々とともに、規制委・規制庁に対して、再稼働絶対反対の理由を指摘するとともに、現在進行中の工事計画・保安規定の状況を追及します。

12月11日にご回答いただきたくお願い申し上げます。


1 伊藤鹿児島県知事発言「命の問題は発生しない」について
 11月7日の記者会見で伊藤鹿児島県知事が「もし福島みたいなことが起こっても、放出量は5.6テラベクレル。5.5㎞のところは、毎時5マイクロシーベルト。もう、命の問題なんか発生しないのですよね。私は、そちらの方を信じます。」と話しました。この発言の放出量5.6テラベクレルに根拠があるでしょうか? あるのであれば根拠を教えてください。規制委員長は常日頃、適合性審査に合格しても絶対安全とは言えないと話しています。どちらが正しいのですか?

2 鹿児島県議会での再稼動反対討論について
 薩摩川内市議会、鹿児島県議会でもろもろの再稼働反対意見が出された。
以下に県議会討論からその一部を紹介します。下線付きは規制委に関係する指摘です。しっかりと受け止めて頂きたいと思います。
・原発再稼働を求める陳情「地域の疲弊」の指摘があるが、原発稼働前から40年間補助金が落とされていたにもかかわらず地域が疲弊している
・多くの住民アンケートで再稼働反対が過半数
・住民説明会でも県民の理解が得られていない
・津波対策ができていない、関係8市町への説明がない
・いちき串木野市、日置市の市議会が「地元同意」対象にせよとの意見書を採択した
・「地元同意」の範囲を8市町に広げよ。国は「地元合意」の範囲を明確にせよ
・薩摩川内市でがん患者が多い、福島での小児甲状腺がん多発が心配
・九電が値上げを言っているが、原発稼働ゼロによる燃料輸入費3.6兆円は誤り(円安)で1.1兆円が正しい
・イチエフ事故で安全神話がくずれた。水汚染対策の収束ははるか先
・イチエフ事故の原因が津波か地震か未解明ではないか
・地震・火山対策ができていない
・免震重要棟がまだできていない(H27年にできる、PWRはフィルター付ベント免除)
・地元理解ができていない(市民の代表が市議会)市議・県議は原発再稼働賛否で選ばれた訳では無い
・使用済み核燃料はどうなっている(リラッキングして保管、国が責任持つ)
・テロ対策、大型機墜落への対策ができていない(整備する)
・薩摩川内市以外の市町自治体との安全協定に検査・事前報告・立ち入り検査が入っていない
・避難対象住民の理解は得られていない(いちき串木野、日置、姶良の決議を重く受け止める)
・食品安全対策に疑問、なぜ事故後基準を上げたか?
・福島の今の避難者の人数は(11月5日で12万4482人)
・川内原発の30km圏には21万6千人が住んでいる
・軽水炉原発は技術が成熟していないとの疑問がある(世界のほとんどが軽水炉)
・政府のエネルギー需給見通しがはずれている
・九電が太陽光発電の買取を拒否した、政策を変えれば電力は足りる
・一旦過酷事故が起これば多くの自治体が被害を受ける(40kmに及ぶこともある)
・日本火山学会が火山ガイドラインの見直しを提言した、規制委に問い合わせたか(問合せしていない)問合せせよ
・再稼働に誰が責任?(規制委が工事計画認可・保安規定・使用前検査の審査中、法律上)
・3号炉の増設問題に抗議の声が上がっている
・使用済み核燃料は2号機に余裕が無くあと12年、9サイクルのみ
・火山予知が仮にできても5年間冷やしてからでないと六ヶ所村などに移動できない
・30km圏の住民に同意を求める権利がある(同委は県と薩摩川内市で良い)
・避難はどのように周知するか? 昨年の総合防災対策の参加者数は370人、これで訓練?
(今年の冬にも国と調整して訓練する)
・(5km~30kmは予備的に屋内退避)実際に待っていられるか?
・台風と原発事故の複合災害対策ができていない
・福島を教訓に。イチエフ事故後山林の除染は効果ない、除染は移染。過酷事故は絶対に起こしてはいけない
・5kmの人が逃げている時に6kmの人がじっとしていられるか? 机上の空論だ
・住民説明会に若い人が参加していない(20代2%、30台5%、40代13%)
・避難バスについて、バス協会と話ができていない、バス会社は行かないと言っている
・イチエフ事故の農産物被害は8400億円、除染経費は?国と東電は?(把握していない)
・揚水発電を生かしていない、230万kwは川内原発3号機の発電量を上回る
・大型蓄電、大型送電を増やせ
・原発に依存しない政策を(国が「エネルギー基本計画」、エネルギーミクス、原発再稼働)
・事故責任は?(一義的に事業者、国は災害対策関係、福島では国が前面)
・知事の責任は?(同意については法的責任はない、総合的に重大な決定で知事にも県議会にも責任、宮沢経産相が来て政府が責任とると談)
・避難計画は机上の空論、「重大な決意」をする知事は責任とれない、原発に頼らなくても元気を確保できる(「エネルギー基本計画」で原発をベースロード電源と位置付け)
・これだけの問題点・疑問点があるのだから採決留保を!

3 川内原発の工事計画認可と保安規定の審査状況と今後の再稼動までの予定
 工事認可は再補正する、時期は1号機が12月第2週までに、2号機がその後2~3週間遅れ、
保安規定についても2号機の工事認可再補正時に保安規定の再補正を提出と聞いているが、そのとおりですか? なぜ、再補正が必要になったのですか? 現在の状況と今後の見通しを教えてください。
また、順調に推移する場合、再稼働までにどのような段階を踏むのか確認させてください。

4 川内原発の耐震対策の達成度(工事計画認可と保安規定)
添付ファイル(川内原発別紙PDF)にあるように、制御棒、挿入時間経産、蒸気発生器伝熱管のSs応力評価解析、加圧器、蓄圧タンク注入菅台、安全注入設備配管、一時冷却設備配管等、について疑問をお答え願います。

5 基準地震動設定の違法性(岩波「科学」石橋克彦さんの指摘)
・岩波「科学9月号」の「川内原発の審査書案は規則第5号に違反して違法だ―基準地震動策定の驚くべき手抜き」(P.0942~0946)を認めますか? 認めないなら反論してください。
・岩波「科学11月号」の「再論:杜撰な川内原発の新規制基準適合性審査―これを前例にしてはならない」(P.1152~1155)を認めますか? 認めないなら反論してください。

6 規制委の規制行政について
 以下では規制委の規制行政への取り組み方について抗議・要望を述べます。
6-1「科学的・技術的」異論・反論への対応について
 常日頃、「科学的・技術的」取組を強調しています。であるならば、以下の問題に対して真摯に「科学的・技術的」に解決するためには、該当団体や該当有識者と公開で討論するべきではないですか?
(1)日本火山学会 
 次の報道を無視して同学会と対話しないのはあまりに「非科学的」ではないですか?
 日本火山学会の常識は「現在の知見では予知は困難」、原子力問題対応委員会が「巨大噴火の予測と監視に関する提言」で規制委のガイドライン(2013年6月策定)が電力会社による監視(モニタリング)によって前兆を把握すると規定したのに対し「可能性、限界、曖昧さが考慮されるべきだ」と主張、石原委員長は記者団に「モニタリングができるもんだとして話が進むのは怖い話だ」と述べ「ガイドラインの再検討を求めている」、火山噴火予知連絡会の藤井敏嗣会長(東京大名誉教授)は「例えば阿蘇のカルデラ噴火の間隔は2万年、3万年、11万年などとばらばら。6万年大丈夫というのはとんでもない議論だ」と痛烈に批判。
(2)石橋克彦さん 
 前述の5が岩波「科学」で公表された以上、「科学的・技術的」に解決するためには、石橋克彦さんと公開で討論するべきではないですか?
(3)田中三彦さん
 同様に岩波「科学11月号」の「ゆがめられている事故原因究明の道3原子力規制委員会『事故分析検討会』の暴走」に対して、「科学的・技術的」に解決するためには、田中三彦さんと公開で討論するべきではないですか?
6-2 原子力安全・保安院のイチエフ事故責任と原子力規制委員会について
 「原発と大津波 警告を葬った人々」(添田孝史、岩波新書)で指摘されているように、原子力安全・保安院は津波の危険を知りながら規制権限を行使せず、3つの不作為でイチエフ事故を起こしてしまった。このような規制行政のミスを追及せずに、イチエフ事故と同様の事故を起こさないと誰も信じられない。この規制行政について、原子力規制委員会はどう判断しているのですか? 改めで調査し審査に反映しないのですか?

7 火山について
(1)火山モニタリング体制と再稼働について
 火山防災体制については、とりわけ現状では手つかず状態である、巨大噴火の対策を、国の内外を上げて進めなければならない。憤火予知連の藤井会長によれば、現状では、カルデラ噴火については観測態勢を立てモニタリングを行えば分かるという段階ではない。また、たとえモニタリングを行った結果「異
常現象」を捕まえたとしても、それが巨大噴火に繋がるかどうかの判定基準を持っていない。
 したがって、防災の点からも空振りも覚悟で、火山防災体制を作ることは可能なのか。その基準は誰が、何時作るのか、電気事業者が行うのか。疑問は山積しており、再稼働しながら基準作りなど不可能だと考えるが、規制委員会は稼働しながらこれが可能であると本気で考えているのか、また、実行するつも
りなのか。明らかにされたい。
(2)「対策をしない」ことを正当化してはいないか
 東電福島第一原発の吉田所長は、証言の中で「原子力発電所の問題ではあるんですけれども、津波自体、国とか、地方自治体がどうするんですかという話とも絡んでくるでしょう。東京電力だけがこれを対応してもしょうがない。しょうがないというか、発電所を守るという意味では当然必要なんですけれども、オールジャパンで、太平洋側どこでも起きるというんだったら、今の対策ではまずい、ちゃんとそこを含めて、どういう方針が出るのか、どうなんだよというような話をした記憶があります。」と発言している。
 電力側の意識を赤裸々に明らかにした吉田調書のたいへん重要な部分である。
 結局、今の電力会社内の地震・火山対策も規制委の火山対策議論も、まさしくこれと同じではないか。検討を「しない」ことの理屈づけが「原発だけやってみてもしかたない」といった思想になっているのではないか、明らかにされたい。
(3) 誰がモニタリングを行うのか
 モニタリングについては、九電は、既存の観測網による地殻変動や、公的機関による観測情報、そして第三者に評価をもらうので、電力側がハード的対応などを考えているとは全く思っていない。つまり大筋は現状のままである。あまりに無責任ではないか。規制委は行政指導をしないのか。これでは全電力が「他人任せ」の対応に終始するだろう。3.11以前と何が変わったのか。
(4)電力の地震対策の具体性を示すこと
 地震の場合、前駆事象がほぼないので、地震警戒情報が出てからの話であるが、震度・津波予想が大きければ、それにしたがって停止する必要がある。異常時に止めるかどうかは、保安規定に従って設けられる社内運用手順書及びマニュアルで決められる。その中に盛り込まれなければならない。社内規定について公開し説明すること。
(5)火山対策の具体性を示すこと
 例えば火山噴火の予兆であると考えられるような事象を捉えたとした場合、原子炉の稼働継続か停止かなどを判断するため社内規定等で規定されているはず。申請のため提出されている社内規定文書を公開し説明すること。
(6)カルデラ噴火モニタリング・防災体制全体について
 巨大カルデラ噴火の観測態勢については、官邸や省庁横断的あるいは民間機関をも動員してかなり大がかりな組織体を作ってやるべきであり、細かいところだけでモニタリングできるとは考えてはいけないと思うが、規制委は具体的に国等の機関で今後どのように態勢作りを行うことにしているのか明らかにされたい。
(7)降下火砕物の影響について
 桜島噴火を想定して電力は15センチの降灰を想定しているが、あまりに過小評価では無いか。少なくても気象研究所の1914年桜島噴火での降灰は、川内原発に最も厳しい評価では0.3~1メートルの範囲となっている。
 また、火砕降下物による送変電設備の絶縁低下については、電力は洗浄するとしているが、長大で複雑な送・変電設備全般にわたり、そんなことが可能と考える根拠は何か。
 さらにホイールローダーで除灰を40分ほどで完了すると言うが、小さな模擬実験程度でそれが可能とされる根拠は何か。
 原発は川内川の河口の側である。泥流が発生したら堆積物が大量に取水口に入り込むのではないか。「影響を与えるとは考えられない」とは、安全神話に過ぎないのではないか。
 15センチ以上も火山灰が降れば、道路は全部封鎖される。5センチでも車両は行動不能、降雨があったら全く動けない。防災に関しては雨と火山灰との複合などの考慮が完全に抜けている。これでは住民避難が出来ない状況での15条通報事態にもなりかねない。直接防災に関与しないとする規制委の姿勢は、こういった事態をどのように考えるのか。
(8)スタンドアロンで事故対応できるのはいつまで・どこまで
 シビアアクシデント対策の基本は、7日間は救援を期待しない。燃料等の補給がなくても必要なことは全てまかなえるとの方針である。この想定を超えるようなことも考慮しているので、何処まで考えるのかは、あるけれども対応が出来なくなるようなことがないように確認をしている。というのが規制委の姿勢だという。
 しかしながら福島第一原発でも同様のアクシデントマネジメント体制だったが、敷地内線量の増大予想に基づき「退避」が発令され、70名余を残して第二原発に退避した。
 対策要員は400名とされていた第一原発でも実態はこういうものであるが、川内原発の「退避」及び「アクシデントマネジメント体制下においての人員配置」は、空間線量が増加しても、施設が爆発しても計画要因を残し、さらに外部からの救援を投入するとなっているのか。何処まで線引きしているのか、リアルな事故シナリオがあるのか。その審査をしているのか明らかにされたい。

以上、私たちの疑問にお答えいただきたくお願い申し上げます。