Category Archives: レポート、アクション、ほか

(たんぽぽ舎メルマガ TMM:No2295 より)
2014年9月27日~28日、鹿児島市内で開かれた「ストップ川内原発再稼働!鹿児島行動」参加者からのレポートを紹介します。

今回の御嶽山の噴火は 原発再稼働に対して
地球生命体から念を押した警鐘のように思われた

水尾寛己(たんぽぽ舎会員)

川内原発の再稼働を阻止するために、9月28日午後に全国集会、デモが天文館公園で行われた。前日の27日午後4時からは、再稼働阻止全国ネットワークの全国相談会が100余名の出席のもと行われた。相談会では、基調提起、現地情勢報告、招待発言、各地報告などがあった。会場は全国リレーアクションによって集まった熱き「寄せ書き横断幕」で囲まれ、活気ある発言が続いた。

 今後の方針では、特に川内原発の再稼働を許さないための山場の行動日について議論になり、まずは川内市議会での再稼働決定の阻止が差し迫った課題で、住民説明会後の市会の動向、それに対する現場の意見・対応を調整した結果、10月26日に山場の集会を設定することになり、全国からもそれに向けて支援することを決定した。

 川内原発再稼働阻止のための具体的行動として、川内市民を代表に各自治体の議員からなる川内市会への請願書提出計画、反原連と地元による脱原発チラシの川内市民8万人ポスティング計画、ハガキによる反対・賛成アンケート、集会での放射能による牛の奇病の公開などマスコミ対策など効果的な行動についての追加意見があった。また、川内原発の近くの国有地に6番目のテントが設置されているとの報告もあった。

9月28日午前中はバス2台と乗用車で川内原発ゲート前に200名が集合し、再稼働反対のシュプレヒコール、九州電力への申し入れを行ってきた。その後、相談会で報告のあったテントを見学した。川内原発の天井が見える丘と海が見える、広々した砂原の大地の上にトイレテントと3種類のテントが設置されており、頼もしく感じられた。午後は天文館公園で集会・デモがあり、7,500人の熱気で市民へアピールした。

2日間参加しての感想を述べると、まず、地元の参加者が真剣になっていることを強く感じた。しかし、多くの川内市民に「放射能の恐ろしさ、福島の被害の真実」を知らされていないのでないか、火山噴火を伴う原発事故が起きた場合に「避難ができなく放射能に汚染される」「大地、水、植物、動物は放射能に汚染され、永年、居住地を失ってしまう」ことを理解されていないのでは、と思った。

九電による安全神話とマスコミの「原発の危険性についての情報提供不足」によるところが多く、マスコミに強くしつこく協力を求めていく必要がある。また、マスコミが頼りにならない中で、脱原発ちらしの川内市民へのポスティングが、原発再稼働阻止についての市民の理解を広げることを期待したい。

また、27日の相談会の途中で緊急報告のあった御嶽山噴火は、火山の専門家が言っていた「噴火の予知はムリ」であることを直に証明してくれたと言える。福島第一原発事故は首都圏手前での事故であったし、今回の御嶽山の噴火は、原発再稼働に対して、地球生命体から私たち日本人への念をおした警鐘のように思われた。

地震学者の石橋克彦氏が告発していた「川内原発再稼働の審査書決定は無効」との理由が現実に証明されたと言える。川内市会議員、鹿児島県会議員、国会議員の方々は、市民、県民、国民それぞれの代表者であるならば、「今回の御嶽山噴火を再稼働に対する自然からの警告」と受け止めて、目を覚まして頂きたいと思う。

 そうして、日本を滅ぼすリスクを放置する鈍感な安倍晋三の原発再稼働にストップをかける役割を果たして頂きたいと願う。

「川内原発再稼働阻止現地行動」報告               (事務局 木村(雅))

27日夕方「再稼働阻止全国ネットワーク全国相談会」
薩摩川内、鹿児島の方々とともに志賀・伊方・大間など原発現地の方と東京から駆けつけた120名ほどで、いかに川内原発再稼働を止めるかを話し合った。
鎌田慧さん、広瀬隆さんも白熱論議に加わり、薩摩川内市やいちき串木野市で行われる住民説明会や当面の薩摩川内市議会のスケジュールについて、地元からの報告を受け、次の大きな行動を10月26日を軸に実施することを決定した。会議中(27日夜)に飛び込んできた御岳山噴火の報は、桜島の噴煙とともに、川内原発の再稼働を目論む人間を、自然が嘲笑っているように感じさせた。

28日午前「川内原発ゲートまえ抗議行動」
早朝に薩摩川内のホテルから貸切バス2台で川内原発ゲート前に移動、ものものしい警備をものともせず、ゲート前に約200名が集まり、川内・鹿児島・東京の主催5団体、原発立地9団体のアピールとともに、「川内原発再稼働反対」のシュプレヒコールをあげ、抗議・申入書を九電職員に手交した。

28日午後「ストップ川内原発再稼働!9.28全国集会」
午後から鹿児島市天文館公園に移動し、30度近くの暑さの中、リレーアクションで集められた50枚の寄せ書き・バナー・横断幕を会場に掲示した。九州各地、全国各地から7500名が集まり、各地からからのアピールを聞き、川内原発廃炉を確認した。沢山のメディアのテレビカメラやスティルカメラに追われながらにぎやかな通りを沢山の人々と共にゆっくりと歩いた。「安全、安い、電気が足りない」の大嘘が誰の眼にも明らかになった今、必至で再稼働を目論んでいる推進側が非常に厳しい状況に置かれていることを実感した。

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9月10日、原子力規制委による川内原発1・2号機についての「審査書案 了承」(事実上の合格証)に対し、規制庁まで抗議行動を行いました。全国各地から寄せられた申入書、抗議書を紹介します。遠く九州方面から、規制委定例会議の傍聴もあわせてかけつけてくださった方も含め、150名ほどで抗議を行いました。

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(再稼働阻止全国ネットワーク 事務局が提出した申入書)

原子力規制委員会 委員長 田中俊一様

申し入れ書
2014年9月10日
再稼働阻止全国ネットワーク
本日、原子力規制委員会は九州電力川内原発1,2号機について、新規制基準を満たすと審査結果の最終案を確定したようですが、この決定を直ちに撤回するよう要求します。

その理由を下記に示します。

1、8月16日、規制委員会は30日間の意見募集(パブリックコメント)で一万七千通の意見が寄せられたと発表したが、その内容の詳細や検討の仕方など一切公表せず、一か月も経ずして審査結果の最終案を確定することは、民意を踏みにじる許し難いことです。
主として技術的な意見をと注文まで付帯しておきながら、短期間の確定はまさに国民を愚弄した行為といわざるをえません。
パブリックコメントの詳細を発表して、それぞれどのように検討したか、問題点をはっきりさせた上で、再度、国民の意思を忖度することが本来の趣旨と考えます。
一万七千通の国民の意思を重く受け止め、再度検討をやり直してください。

2、火山問題について規制委員会は9月2日、火山専門家チームの検討会合の結果を公表しました。
巨大噴火リスクのある原発での火山監視について「何らかの異常を検知した場合、空振りも覚悟で巨大噴火の可能性を考慮した処置を講ずる」として原子炉停止などを早めにすると提示しました。
しかしながら専門家チームは「巨大噴火の確実な予測は困難」という意見が大勢を占めたと言われているように、どのような監視態勢を講じてもリスク回避は不可能です。
川内原発再稼働がいかに危険であるかを認識し、最終審査書の撤回を要求します。

3、5月の大飯原発差し止め判決で示されたように再び過酷事故が起こったら、日本は破滅の危機に瀕します。絶対に原発事故を起こしてはならないのです。それには再稼働をさせないことではないでしょうか。
規制委員会は安全については審査の対象外としています。この言葉がまさに象徴しているように規制委員会自体が安全を保障出来ないものをどうして審査で合格を与えるのでしょうか。規制委員会の審査書決定が自動的に再稼働に繋がり、強いては過酷事故のリスクを招き、日本全体を汚染する可能性を否定できません。

したがって、規制委員会の良心に照らして、更にいえば国民の税金で仕事をする委員一人、一人が国民の安全と命を守る義務を果たすべきだと確信します。

以上の理由から川内原発再稼働の最終審査書の撤回を求めます。

9月10日、原子力規制委による川内原発1・2号機についての「審査書案 了承」(事実上の合格証)に対し、規制庁まで抗議行動を行いました。川内原発地元から出された申入書を紹介します。

審査書についての申し入れ

原子力規制委員会委員長 田中俊一様

                       2014年9月10日
川内原発建設反対連絡協議会 会長 鳥原良子

貴規制委員会の本日9月10日審査書公表について抗議いたします。

8月15日〆切のパブリックコメントが、1万7000件も寄せられたにもかかわらず、その公表と対応を全くしないうちに審査書発表という、国民を無視した態度に驚いております。

 九州電力の基準地震動については、専門家が過小評価であり基準地震動策定を見直す必要性を指摘されていました。基準地震動を620ガルのまま、審査を進めたのであるなら、今後発生すると思われる過酷事故について想定外という文言で言い逃れすることは絶対にできません。また、川内原発が火砕流により壊滅的な被害を受ける懸念があることを火山研究者が指摘していました。しかし、九州電力の「破局的噴火は、事前に火砕流の兆候を把握し核燃料を安全な場所へ移動でき対処可能」と主張していることについて、どのような検証をもって、事前の予知と核燃料の排出方法、搬送先についても具体的事象を示さないまま了承されたのでしょうか。

 規制委員会の役割は、住民の健康と財産を守るためでありますから、審査において明確な判断を出すことができなかった場合、専門家の想定する最大値に合わせて検討し、審査不合格を出すこともできるはずです。

 田中委員長自身も「新規制基準合格は原発の安全性を証明するものではない」と何回も表明され、規制基準合格と避難計画は車の両輪と評していたにもかかわらず避難計画を審査対象から外されたことは、矛盾しております。住民の暮らしに対する安全性の軽視です。

 よって、本日の審査書発表により、規制委員会への住民の不信はますます募っております。審査書が原発の安全性を担保するものでないという規制委員長の言葉は、重要視しなければなりません。安全性を担保しない不完全なる審査ときちんとパブリックコメントも加味しないような現時点での審査書発表に、断固抗議いたします。福島原発事故原因も究明されず、汚染水垂れ流し、不十分な被災者救済状況下、さらに鹿児島県の弱者切り捨ての避難計画策定について何ら関与しないこの審査書でもって、川内原発再稼働容認が容易に行われることは、絶対あってはならないことです。

 総括原価方式の電力料金による九州電力の赤字埋め合わせのため、川内原発再稼働を進めることが、実は真の国益を失う大きな危険性をはらんでいることに国民は気づいています。一時的な偏った経済のために多くの命を危険にさらし、国民の税金を無駄使いするわけにはいきません。

 規制委員会として、次世代を見据えてまっとうな役割を果たされることを強く望みます。川内原発の適合性審査の徹底したやり直しを行ったうえで、審査書の再提出を望みます。

1. パブリックコメントを公表し、それに対応した適合性審査をやりなおすこと
2. 規制委員会として住民の命と財産を守る立場で、改めて審査書を作成しなおすこと

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川内原発関連ニュース まとめ
Yahoo News [原発の再稼働問題]

「宮崎の自然と未来を守る会/原発避難を考える緊急署名の会」の青木さんより

「県民の生命を守る避難計画すら作れない川内原発再稼働に反対する緊急署名」
33,138筆、宮崎県知事宛に提出しました。

申入書 2014年9月3日
http://www.miyazaki-catv.ne.jp/~sizenmirai/pdf/2014-chijiteisyutu.pdf
公開質問状 2014年9月3日
http://www.miyazaki-catv.ne.jp/~sizenmirai/pdf/2014-kokaisitumon.pdf

呼びかけ人募集の最初のメールを出したのが7月12日。(株)環境総合研究所にシミュレーションを依頼したのが14日。急ぎの仕事を急ピッチでやって頂く間に、呼びかけ人は1週間程で243名に。署名期間は貴重な夏休み間の8月1日から31日。短期間のうちに県内各地で取組みが行なわれました。集約作業は9月2日。白板に数字が加算されるたびに小さな歓声。3万にもう少しというところで会議の開始。そこへダンボールに入った3千数百の署名を脇にかかえた会議参加者が遅れて入室。これで大台の3万を越えました。3日、県知事宛署提出前に届けられた数を合わせて、最終的に提出した署名数は33,138筆。川内原発再稼働反対の思いが詰まった、重さも重い署名の束でした。

 そのような沢山の思いがつまった署名提出なのに、通された部屋は狭い会議室。署名提出参加者の半分も入れないような状況に、急遽机をくっつけ、どうにか空間を確保して全員入室。こういう対応ひとつとっても、県の考えが透けて見える感じでした。県側は知事出席なしで、総合政策課と危機管理室が対応。県から国への意見は全国知事会を通して言っているなどと、主体的に県の意見を国に述べる様子はまるでなし。宮崎県は川内原発から最短54km。宮崎市中心部までが約120km。これでは川内原発で重大事故が起きた時に、住民は捨て置かれます。

今回の署名程、重さを感じたことはありません。県内各地の署名を中心に、県外からの署名もありました。まだ、県議会議長には(公務多忙として)提出が未ですが、緊急署名の現状報告とさせて頂きます。尚、県知事宛署名提出にあわせ、申入書と公開質問状を提出しました。

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問合せ 宮崎の自然と未来を守る会
http://www.miyazaki-catv.ne.jp/~sizenmirai/

2014年7月16日、原子力規制員会は「新規制基準」に適合したとして、川内原発(九州電力)1号・2号機に対する「審査書案」を発表しました。この暴挙に対し、私たち再稼働阻止全国ネットワークは、再稼働に反対する全国の人々へ呼びかけ、16日昼、原子力規制委まえ(東京・六本木)で抗議集会を開きました。

「審査書案」の提示は当初7月9日とされていたため、それに合わせた全国一斉規制委抗議(第2波)を継続しており、第3波を含め、各地の原子力規制事務所(現地のオフサイトセンター)および本庁(東京六本木の原子力規制庁)に提出された申入書や抗議書は以下の通りです。

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6月13日・14日、川内原発再稼働に抗議する鹿児島県行動において、次のような要請書、申入書が提出されました。

鹿児島県知事あて
要援護者を中心とした原発避難計画に対する見解表明の要請
(ストップ再稼働!3.11鹿児島集会実行委員会)

九州電力あて
申入書(川内原発動かすな!東日本決起集会実効委員会)

九州電力あて
川内原発に対する再稼働中止申入れ(かごしま反原発連合有志)

九州電力あて
川内原発再稼働に強く反対します(八幡浜・原発から子どもを守る女の会)

九州電力あて
要請書(再稼働阻止全国ネットワーク)

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【地域の活動紹介】

5月16日開催の鹿児島県薩摩川内市議会・原発特別委員会(※1)に、参考人として九州電力が招致されました。休憩無し全3時間の内容を報告します。

【 概 略 】

市議会にはすでに、原発再稼動などに関わる陳情(※2)が提出されており、16日に行われた特別委員会には副社長・山元氏以下4名が出席し、参考人招致という形式で九州電力からの説明と委員による質疑が行われました。

質疑の最大のポイントは、基準地震動(※3)を620ガルに改正(この数値を原子力規制委に報告)しながら、それに対応する「建屋、機器の据え付け部、機器自体、そして配管の詳細設計がまったく着手されていない」、という証言が明らかにされたことです。現在はまだ、機器類のコンピュータ・シミュレーションの段階で、それが終わってから、設計のやり直し、改造・新設という段取りです。当然、補正申請書の提出と、その承認という手続きが必要です。

九電は、津波と火災の対策工事でお茶を濁し、「6月末に工事終了」と嘯(うそぶ)いてきました。しかしその背後に、地震対策工事の問題が隠れていたわけです。

地震による配管破断こそ、福島原発事故の真の原因とも言われています。基準地震動の数字だけを操作し、実際の対策のめどは立っていない、ということが明らかになった証言でした。さらにこれが、再稼働が9月どころか10月に延びる、と言われる真因でもありました。

質問に対する答弁は、山元副社長が対策全般について説明し、部長ら他3名が適合性審査の状況、地震・津波・火山対策などの技術的な内容と電力需給を担当していました。


【 質疑応答 】

【山元副社長の冒頭発言】

  1. 燃料費負担増が6,000億円(昨年度)に上っており、川内原発だけでも再稼働したい。
  2. 規制委員会対応には200人体制。
    規制委によるヒアリングはのべ368回に上る。安全性・信頼性対策を強めている。
  3. 原発停止により、この夏の電力需給が厳しい。

【適合性審査の状況について報告(T部長)】

  1. 初の申請書は、安全対策の基本設計思想のレベルで、4月末に補正書を提出したが、27件42項目の不備を指摘された。ただし内容は、「添付」とした資料を「本文」に入れる等の指示、事務的な問題が多い。
  2. 書類は当初、1800ページ程度だったが、7700ページに増え、最終的には1万ページを越す見込み。
  3. 火災・津波などの工事計画(+運転管理体制)の認可を受け、その後、(審査書完成)→使用前検査→(同意取得)→再稼働という手順。現在進行中の(火災・津波関係の)工事は、6月末までに終了させたい。
(ここで地震対策の工事について触れていないことに注意。
質疑応答を参照)

【地震・津波対策の対応について報告(K部長)】

  1. 基準地震動の620ガルへの引き上げは、2004年の北海道の地震「M5.7」(注1)をベースとして決めた。
    (注1:2004年12月14日 留萌(るもい)支庁南部地震、公式な記録では「最大震度5強・地震の規模M6.1」)
  2. ##キロ長の断層による地震・津波を想定し、海水ポンプ位置を4mから5mにかさ上げ。引き波による冷却水不足対策として、貯水池も作った。

【電力需給について】(質疑の後半を参照)

【質疑応答】・・・のべ8人の質問、1件の要望

佃委員の質問
1.「基準地震動=620ガルに対応する対策内容は具体的に何か?」 
2. 「福島では配管の破損が事故原因だと思うが、ストレステスト以降、補強は行ったのか?」

回答1. 『もともと川内原発は1000ガルに耐える基本設計になっていた。』
回答2. 『地震の周波数帯により破損が起こる部位は違う。低周波で建屋、高周波で機器が壊れる。まず岩盤・地盤の振動を入力値とし、建屋、機器の据え付け部、機器、そして配管の破損が起こるか否か、コンピュータ・シミュレーションを行っている段階。(三菱電機と大成建設が担当)』
回答3. 『シミュレーションに時間がかかる。その上で個々の要素別に詳細設計を行い、対策を立案、補正書を出す。承認の上、地震対策の工事を行うことになる。従って対策は未実施。』

井上委員の質問
1. 「火山噴火の予知は可能か? 予知できたとして燃料搬出にかかる時間は?
2. 新燃岳のような予期せぬ噴火もあるのではないか?」

回答1. 『九州の火山は39、川内原発にからむ可能性があるのは14。そのうち5つのカルデラのモニターを行う予定。規制委員会との間でガイドラインを作成する。』
回答2. 『川内原発に火砕流が到達するようなカルデラ噴火は、「数10年前」に判る。新燃岳のような「小規模」な噴火は予知困難だが、火砕流は川内に到達しない。』
回答3. 『カルデラ噴火が予知できた場合、燃料(2,000体)は「早め」に搬出する。搬出先は言えない。』

上野委員の質問
1. 「原子力は国策(ベースロード電源)、川内原発は30年。川内原発がトップバッターとなったのは、安全対策が評価されたからではないか?」

回答1. 『30年以上、川内原発は安全に運転されてきた。さらに3年以上かけて安全対策を打ってきた。この対策案が良いと思っても、規制基準にそって「証拠」が明確な対策案を受け入れてきた。』

井上委員の質問
1. 「原発から800mの活断層をなぜ評価しないのか?九電の活断層の定義は何か?」

回答1. 『活断層の定義は12~13万年前以降、動いているということ。敷地内外の断層を調査してきたが、問題ある断層はない。』

福元委員の質問
1. 「新聞によると「夏の再稼働は困難」とのことだが、事実か?」
2. 「公聴会の時期はどうなるか?」

回答1. 『夏の再稼働は困難」ということは事実である。』
回答2. 『5月末に補正書を提出→審査書案の作成→1カ月のパブコメ→審査書作成の後になる。』

川添委員の質問
1. 「補正書は、規制委員会とすりあわせた上、「成案」として出すのか? 」
2. 「鹿児島県北西部地震で原発内は数10ガルだったのではないか?」
(注:九電データでは64ガル。気象庁は444ガル)

回答1. 『その通り』
回答2. 『近い震源の地震を考慮して620ガルに上げた。』

佃委員の要望
 「火山噴火前、燃料をどこに輸送するのか公表して欲しい。」

A委員の質問
1. 「この夏の電力需給はどうなるか?」

回答1. 『昨年の猛暑に比べ平年並みの予想なので、1,575万KWの予想。他電力からの買電をふくめ3%の余裕率を見込むが、政府からはもっと余裕を持つよう指導されている。』 『買電は単価が高く(50円/KW?)、経営を圧迫している。』

井上委員の質問
1. 「原子力発電がなくても電気は足りているのではないか?」 
2. 「発電エネルギーのリミックスを計るべきではないか?」

回答1. 『余裕率が少なく、買電の負担が大きい』
回答2. 『リミックスは検討する。しかし天然ガス価格は石油に連動しており、エネルギーセキュリティの点でも原子力を活用したい。』

九電Y部長から補足説明
『原発近くの「活断層」の指摘があったが、活断層でないとの判断であり、4月18日の報告で規制委員会も了解した。』

【終了】


※1 薩摩川内市 市議会 川内原子力発電所対策調査特別委員会
 過去の開催記録 http://www.city.satsumasendai.lg.jp/www/contents/1385598209471/index.html
 委員名簿 http://www.city.satsumasendai.lg.jp/www/contents/1352866607941/files/20130924.pdf

※2 薩摩川内市 平成25年度請願・陳情 一覧
http://www.city.satsumasendai.lg.jp/www/contents/1373421934377/index.html
川内原発再稼働に「反対する」陳情は10件(陳情第6号、陳情第7号、陳情第8号、陳情第9号、陳情第10号、陳情第11号、陳情第12号、陳情第13号、陳情第14号、陳情第15号)で、もう1件は、早期に再稼働を求める推進派からの陳情。いずれも「継続審議」として今年度に持ちこされたもの。

※3 「基準地振動」 読み:きじゅんち しんどう。 原発の設計の前提となる地震の揺れを示す値、単位はガル。
原発周辺の活断層などで起こりうる大地震を想定して、地盤の状態を加味し、原発直下の最大の揺れを見積もる。これをもとに原子炉、建屋、配管などの構造や強度を決める。

【第7回大間原発反対現地集会への参加・賛同のお願い】

「3・11」の大震災と福島第一原発事故から3年が経過しましたが、いまだに避難生活を余儀なくされている方々がたくさんいます。原発関連死とされる方々も増え続けるばかりです。原子炉内部の状態はわからず、放射能汚染水は止められず。それなのに、原発再稼働の動きが大きくなっています。

青森県の下北半島・大間町で建設工事が進められている「大間原発」では、事業者の電源開発㈱が「新規制基準」に合わせた申請の出し直しを今年の夏以降に予定し、準備を進めています。

しかし、「大間原発」について一度の説明もなく、防災計画や避難計画を作れとは納得できないとして函館市は、2014年4月3日、国と電源開発㈱を相手に「無期限凍結」を求めて東京地裁に提訴しました。2010年に函館地裁に提訴した函館市民を中心とする市民の訴訟も継続しており、2014年2月25日の第4次提訴で原告数は786名となっています。

2014年3月11日、大間原発の隣接地から1000個の風船が飛ばされました。全国の原発立地地域と連携した行動です。この集会で地元大間町の「大間原発に反対する会」事務局長が「大間町民も不安を口に出すようになってきている」と報告しました。大間町長が「電源開発㈱は最後まで責任をもって、安全な発電所をつくると話している」と強弁しても、じわりじわりと浸透する住民の不安を払拭することはできないのです。

私たちは、2008年の建設工事着工以来、毎年「大間原発建設反対現地集会」を大間町現地で開催してきました。年に1回ですが、地元の住民が声を大にして不安を語れるように、孤立していないことを感じられるように、全国からの参加をお願い致します。また、集会開催を支えていただきたく、賛同金やカンパをお願い致します。

大間原発をとめるために!

賛同金 個人1口:1000円 団体1口:3000円
 (公表の可否を郵便振替の通信欄、またはメール(hankakunen@gmail.com)でお知らせください)
郵便振替 口座記号【 02260-9-125655 】
加入者名【 大間原発反対 】

【7月20日 集会案内】

5月21日判決を迎えて
「 主文、被告は、別紙原告目録1記載の各原告(大飯原発から250キロメートル圏内に居住する166名)に対する関係で、福井県大飯郡おおい町大島1字吉見1-1において、大飯発電所3号機及び4号機の原子炉を運転してはならない 」

この瞬間、「よっしゃ!」「やったー!」という叫び声と湧き上がるような拍手!弁護団と原告団の1名ずつが旗出しに法廷を飛び出していく。判決では、今までの口頭弁論ではなかったことだが、3名の裁判所の係官が傍聴席の両側と背後に待機している。彼らが「静かにしてください。静かにしてください」と呼びかける。
裁判長は顔色ひとつ変えず拍手と歓声が静まるのを待って先を続ける。裁判長が主文を読み終えると、法廷内のそこかしこから嗚咽が聞こえてきた。福井県の原発立地地域に住む中年の女性が眼に涙をためて、後ろにいた知り合いを振り返り「よかった」というふうに唇を動かす。灰色の髪の初老と思われる男性が肩を震わせている。中年の男性が声を上げて泣き始めた。
(脱原発弁護団全国連絡会共同代表の河合弁護士はこの瞬間のことを「四十二年間の弁護士人生で、判決を聞いて涙を流したのは初めて」とこの後の報告会で述べている。)

ここで弁護団に判決要旨が配られる。配布し終えたことを見届けると裁判長は判決理由を読み上げる。「ひとたび深刻な事故が起これば・・・」。先の中年男性は上を向いて「ウォーン」とゾウの遠吠えのように泣き続けている。記者会見用に判決要旨を増し刷りするために原告団の2名(小野寺、中嶋)が法廷を出ていった。

オリーブ色の作務衣を着た男性僧侶が静かに傍聴席を立つ。法廷を出る前に深々と裁判長に一例する姿が視野の隅に映る。福島から福井に避難されていた方だ。

この後、判決理由の朗読中にさらに二度ほど拍手と歓声が沸き上がる。裁判長はその間も係官が傍聴人を静めるのを待って、淡々と朗読を続けた。

3時43分、判決理由の朗読を終えて裁判長らは退廷。たちまちに法廷は、喜びの声で沸き返った。福井地裁は原発を推進する側の論理を徹底的に退けたのである。

以上文責:小野寺和彦

裁判所の前では、弁護士と原告が外に走り出て、傍聴席に入り切れなかった支援者らを前に「差し止め認める」「司法は生きていた」の垂れ幕を空高く掲げると、涙ながらに握手をしたり、抱き合う人、万歳を叫ぶ支援者など歓喜の渦が地裁前を埋め尽くした。

私達はこうして、日本国憲法前文にも値するような素晴らしい判決文を手にした。裁判所は、福井県の嶺南地元の方々、福島から避難された皆さん、そして事故となれば県境を越えて被害を受けることになる関西住民などの意見陳述での訴えを受け止めてくれた。判決文の根底には、「ノーモア フクシマ」という明確なメッセージがあると感じた。

■人格権
人格権は憲法上の権利であり(13条、25条)、また人の生命を基礎とするものであるがゆえに、我が国の法制下においてはこれを超える価値を他に見出すことはできない。したがって、この人格権とりわけ生命を守り生活を維持するという人格権の根幹部分に対する具体的侵害のおそれがあるときは、人格権そのものに基づいて侵害行為の差止めを請求できることになる。人格権は各個人に由来するものであるが、その侵害形態が多数人の人格権を同時に侵害する性質を有するとき、その差止めの要請が強く働くのは理の当然である。

■福島を踏まえた判断は裁判所の責務
(1)原子力発電所に求められる安全性
 原発の稼働は法的には電気を生み出す一手段である経済活動の自由に属し、憲法上は人格権の中核部分よりも劣位に置かれるべきだ。自然災害や戦争以外で、この根源的な権利が極めて広範に奪われる事態を招く可能性があるのは原発事故以外に想定しにくい。具体的危険性が万が一でもあれば、差し止めが認められるのは当然である。
原子力発電技術の危険性の本質及びそのもたらす被害の大きさは、福島原発事故を通じて十分に明らかになったといえる。本件訴訟においては、本件原発において、かような事態を招く具体的危険性が万が一でもあるのかが判断の対象とされるべきであり、福島原発事故の後において、この判断を避けることは裁判所に課された最も重要な責務を放棄するに等しいものと考えられる。

 私は、この判決文を何度も何度も読み、「司法は生きていた!」という感動、樋口裁判長はじめ石田裁判官、三宅裁判官に「同志だったんだ!」という喜びがこみあげた。最高!
この判決文は、市民の立場に立ったわかりやすい言葉で、すべての原発に共通する根本的危険性を述べている。そして、これからの脱原発運動のバイブルにもなっていくだろう。

 今回の裁判では有志の多くの弁護士さんたちが加わって下さった。各準備書面は一字一句を吟味しながら、文字通り全力を傾注して作成されたものである。私はこの準備書面の検討場面を幾度か目にし、真剣に議論を進める弁護士さんたちの「本気度」に感動した。

 一市民として特別な知識や才能があるわけではない私は、それでも卑下することなく「私も原発をなくしたい。もう3.11は繰り返したくない。誰かを犠牲にする原発は嫌だ。」と訴え続けていきたい。この判決文を携えながら。

小野寺 恭子

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