Author Archives: Wykanri

JanJanBlogより、論説を紹介します(2013年 6月 21日 15:45)

「安全神話の改訂」にすぎない原発新規制 (著 上岡直見)
http://www.janjanblog.com/archives/97370

 2013年6月19日に、原子力規制委員会は新たな規制基準を発表した。たしかに福島事故前よりは厳しくなっているものの、福島事故と同程度の事態に対処できるようにしただけであって「安全神話の改訂」にすぎない。

たとえば強い地震動によって制御棒が挿入できず核暴走が発生したらどうするのか。また圧力容器・格納容器とも多数の配管が貫通している。容器そのものが損傷しなくても、それらの配管が損傷すれば圧力容器・格納容器に穴が開いたのと同じ状態になる。

これらの事態になると、防護服を着ても現場にいられないレベルの放射線が放出されるので、いくら複数の移動式ポンプなどを用意していても使いようがない。「緊急時対策所」に避難しても、室内の放射線量がどんどん上がってくるのを待つだけで外部から救助にも行けない。BWR(沸騰水型)に対する・・・(つづきを読む)

—–
イベント紹介

日弁連シンポジウム 公共事業とわたしたちの未来vol.2
「国土強靭化」と「被災地復興」のいま、「新しい」公共事業と「地域経済」のこれから
http://www.nichibenren.or.jp/event/year/2013/130706.html
2013年7月6日(土)13:00~16:30 弁護士会館 参加費 無料


上岡直見記者のプロフィール

JanJanニュース創立から参加している。交通政策・環境政策がテーマ。「政治談議」でなく論理と数字で評価することを重視。

パンフレット紹介
「9・16原子力ムラの責任を問う」シンポジウム講演記録
「原子力規制委員会」の「再稼働基準」づくり批判


昨年9月16日、再稼働反対!全国アクション主催で開催した「9・16原子力ムラの責任を問う」シンポジウムの講演記録パンフが完成しました。(講師 石丸小四郎さん、田原牧さん)

昨年6月に法案通過、そのあと3カ月以内に発足と定められ、シンポ開催後の9月19日に、規制委員会とその事務局を担う規制庁が稼働を始めました。

それから9カ月が経過してもやはり、推進のための規制で、福島事故を顧みることなく、保安院の体質があからさまに引き継がれている状況は、全く変わっていません。

ぜひお読み頂きたい1冊です。

**********
再稼働阻止ネット事務局で受け付けています。

頒価 1冊:500円 送料:80円(3冊まで) 2013年6月10日発行 B5版26ページ

● お申込み先(メール) info@saikadososhinet.sakura.ne.jp
● 冊数と送付先(氏名・住所)をお知らせください。
● 料金は同封する郵便振替用紙にてお振込みください。
**********

ゲンダイネット(2013年6月21日11時26分)
再稼働ありき、原発「新・規制基準」のデタラメ
http://news.infoseek.co.jp/article/21gendainet000188813

一体どこが厳しくなったというのか。原子力規制委員会が19日、正式決定した原発の「新規制基準」のことだ。

新基準は、シビアアクシデント(過酷事故)対策として、想定される最も大きな津波を「基準津波」とし、原発敷地内に浸水させないよう義務付けたほか、浸水が想定される場合には「防潮堤」の建設を要求。活断層の真上には原子炉建屋など重要施設を認めないことも明確化し、放射性物質を外部に逃すための「フィルター付きベント」の設置を求めた。

田中俊一委員長は「世界最高水準の規制」と自画自賛していたのだが、「安全よりも再稼働を優先させている」と怒りの声(中略)

<福島事故の原因は不明のまま>

 「“抜け穴”はほかにもあります。格納容器が大きいタイプの原発のベント設置や、原発を操作する中央制御室が使えなくなった場合に備えた『第2制御室』などの整備について、5年間の猶予期間を設けたことです。地震や災害は明日起きてもおかしくない。それなのに、なぜ猶予期間が必要なのか。原発を再稼働したい電力会社に配慮したのはミエミエです」(科学ジャーナリスト)

再稼働ありきのザル基準は明らかである。
(つづきを読む)

新規制基準確定に抗議する声明
「経済よりも命」「再稼働よりもフクイチ収束」を

(2013/6/19 再稼働阻止全国ネットワーク 事務局)
 本日19日(水)、原子力規制委員会定例会議で新規制基準を確定すると聞き、私たち「再稼働阻止全国ネットワーク」は原子力規制委員会によるあまりに拙速で不当な規制基準作成に対してここに強く抗議します。

 以下に、多数ある問題のうちの一部を記して抗議し、新規制基準の再検討を要請します。

1.福島原発事故の検証はできていない
 特に、国会事故調が地震によるICや配管の破断を疑っているにもかかわらず、この調査は東電により先延ばしされてきた。フクイチを繰り返さないための新基準であるならば、フクイチ事故を徹底的に究明し検証してから基準を造るべきである。

2.フクイチの収束作業に専念するべき
 ネズミ停電や大量の放射性汚染水対策問題が象徴するように、フクイチの廃炉への道は先が全く見えていない。規制委員会がまずやるべきことは、新基準を作成して既存原発を再稼働することでなく、フクイチ廃炉作業を東電任せでなく国の責任で、確実に安全に進めることである。

3.既存原発の再稼働に配慮した新規制基準は危険
 過酷事故が起こったらもうどうしようもない。過酷事故後の状況は非常に想定が難しく、シビアアクシデント対策で対応することは不可能である。
 同様に放射性物質放出を前提とした災害対策・避難は各地域の地理的配置や道路状況などを考慮すると非常に難しい。更に地震・津波・火山爆発などが原因で原発事故が起こった場合には避難が非常に困難であることをフクイチ事故が明らかにした。
 また、立地審査指針の見直しを実施せず審査に取り込まないことも安全性無視を現わしている。

4.「トイレ無きマンション」はやめよう
 核燃料サイクル計画は破綻しており、「トイレ無きマンション」の解決無しで原発を稼働させることは最早許されない。日本学術会議が高レベル放射性廃棄物の処分について、政策の抜本的見直しを提言し、地層処分では保証できない、「総量の上限の確定」と「総量の増分の抑制」をするべきと主張している。

5.パブコメ意見を無視するな
 2回のパブコメでそれぞれ3000件、2000件を超える意見が出されたのに、多くの重要な意見を全く無視して新規制基準を確定した。公開性・透明性の観点からも大問題である。

6.地元は怒っている、嗤っている
 災害対策指針を原発立地・周辺地域に提示して防災計画、防災訓練を強要したが、地元では余りに非現実的な計画と訓練に対して怒り嗤っている。地元への丁寧な説明会を繰り返し、行政・議会・住民の理解を得てから新基準を確定するべきである。
 
7.地震列島日本で原発を動かすな
 近年、基準地震動を超える地震が各原発サイトで多発し、活断層として国がマークしていない地域で大地震が発生している。にもかかわらず、新規制基準では3次元地下構造の解析を事業者に命じただけである。これでは多くの国民の不安は消えない。また、ブラックボックス化し事業者任せにした地下構造解析とその評価結果を誰も保証できない。

8.事業者任せの調査は信用できない
 破砕帯調査で更田委員が指摘したように、地質調査や3次元地下構造解析を始め多くの非常に重要な調査を事業者に任せている。事業者の調査や報告が全く信用できないことは、過去の原発の歴史が示している。新規制基準はクリアするべき最低基準であり事業者に安全姿勢を要求しているが、これも全く期待できない。

9.事業者への配慮で安全をないがしろに
 シビアアクシデント対策に5年猶予を与え、40年廃炉のはずが延長使用を認めようとする、などなど、事業者と既存原発に配慮して、安全性をないがしろにしている。

安全よりも再稼働を優先させる原子力規制委員会
危険な原発「新規制基準」の拙速な決定に抗議します
(原子力規制を監視する市民の会)
http://goo.gl/0p7bu

本日、原子力規制委員会は、原発の新規制基準を決定しました。私たちは当初から新規制基準策定にしっかりと時間をかけ、原発被災者や国民の声を反映させるべきことを提言してきましたが、これらの提言はまったく無視されてしまいました。

規制基準は、検討のあり方からして問題でした。検討チームには、原発に対して慎重な意見をもつ専門家は加わっておらず、意見は電力会社から聞くだけで、立地地域住民、福島原発事故の被災者の意見を聞くことはしませんでした。

パブリック・コメントでは検討のあり方も含め、多くの意見が提出されました。外部事象の事故想定などごく一部の意見が取り入れられましたが、ほとんどが無視されました。
新規制基準には、福島原発事故の検証は未解明で、地震による影響ついて反映されていない、フィルタ・ベントを活用させ、格納容器の構造的欠陥に目をつぶる、可搬設備を多用するなどの問題があります。
(つづきを読む)

連絡先:原子力規制を監視する市民の会
東京都新宿区神楽坂2-19 銀鈴会館405号
090-8116-7155  阪上武

緊急提言「原発再稼働を3年間凍結し、
原子力災害を二度と起こさない体系的政策を構築せよ」
 (原子力市民委員会)
http://www.ccnejapan.com/?p=972

緊急提言 骨子

第1提言(原発ゼロ社会へ向けての政策転換を軌道に乗せる)

政府は原発ゼロ社会を目指すという原点に立ち返り、その円滑な推進のための法令改正等を、今後最大限の努力を傾けて推進する必要がある。そうした原子力政策転換が軌道に乗るまでの間、原発再稼働を凍結すべきである。政策転換は早いほどよいが、それが抜本的な転換であることを考えれば、最低3年間の凍結が必要である。この3 年間という時間は、原子力安全確保システム全体の抜本的強化、および原子炉の規制基準の抜本的強化のためにも必要である。なお政策転換の進捗次第では、大幅な期間延長が必要となることも見込んでおかねばならない。

第2提言(原子力災害防止システムを建て直す)

原子力規制委員会は、2013年7月18日までに新規制基準を策定し、それにもとづいて既設原子炉の安全審査を行なおうとしている。それにより既設原子炉が次々と新基準に適合すると判定されるに違いない。しかし新基準に適合することは、その原子炉において過酷事故が起こらず、また周辺住民に大きな被害を与えないことの十分条件にはならない。原子力災害防止システムの全体的な建て直しへ向けて、解決しなければならない課題は多い。

第3提言(原子炉システムの新規制基準を作り直す)

現在まとめられようとしている新規制基準案については、これを中間報告扱いとし、それに関する主要な争点について十分な時間をかけた公聴会(パブリック・ヒアリング)を実施すべきである。それをふまえて新規制基準案を決定し、その内容が適切であるかどうかについて、広く国民の意見を聞き、社会的な合意を形成する必要がある。

PDF版

—–
関連情報
6月19日(水)11:00~12:30 緊急提言に関する記者会見

映像(IWJ)http://iwj.co.jp/wj/open/archives/85826

原発30キロ圏内愛媛県南予地域 木田節子さん巡回講演
伊方原発正門まえで抗議集会、伊方町役場前で街宣行動

(奥野節子)

 福島第一原発事故被災者・木田節子さんを迎えて、「ほんとはいかんよと思とんのよ」の会が6月7日~10日の4日間、南予4市2町(内子町、大洲市、鬼北町、宇和島市、八幡浜市、西予市)で計6回の講演会を行った。あわせて200名以上の参加者があった。木田さんは、被災後の生活や国の除染、被爆者への対応などの無責任な態度など、誰も責任を取らない実情・現状について詳しく報告した。質問も多く出され、終了時間は毎回オーバーした。

「(それぞれの)ふるさとを守ってほしい」との木田さんの言葉が胸に響いた。福島と一緒にやっていきたい、福島の人々に真剣に耳を傾け、原発反対運動に参加していかなければいけないなど、木田さんの話を重く受け止めた参加者からの発言、「安全神話の中で何も考えずに生きたいと思っていた。私たちができることは何か?」との質問に対して木田さんは、「生命と安全を守るために想像力をもってほしい。想像力と理性で再稼働をとめる。関心を持つこと、記事を鵜呑みにせず、真実を見抜けるようにしたい」と語った。

 大洲市からは「明日大きなスーパーの前でリレートークをするので、木田さんの話を伝えたい」
西予市からは「真実を知るために学習会を開く予定」などの報告があった。11日(火)10時より12時まで、伊方原発正門前で四電への抗議の集会が行われた。天気予報では雨だったが当日はよく晴れ、参加者30数名は正門前に座った。鬼北町や宇和島市での参加者の姿もあった。

 斉間さんご夫妻とともに伊方原発と闘ってこられた近藤誠さんが再稼働阻止への想い、決意を力強く語った。斉間さんからは、再稼働阻止ネットとたんぽぽ舎から、大型メガホンと手作りの横断幕<ふるさとは原発をゆるさない>が寄贈されたとの報告もあった。

 正門まえでの昼食後、伊方町役場前に移動して抗議集会と近辺でのビラ配布、その後、九町に移動し木田さんと近藤さんの街宣とビラ配布をして午後4時すぎに7日からのすべての行動を終了した。充実した5日間だった。

—–
木田さん巡回講演『フクシマの話を会津弁で聞こう』について(イベント案内)
http://2011shinsai.info/node/4123

伊方原発に関して、6月23日~24日に「伊方集会2013」
http://saikadososhinet.sakura.ne.jp/ss/archives/2496

—–
関連情報

毎日新聞 2013年06月12日 地方版<愛媛>
伊方原発:脱原発訴え続け、25回目の座り込み 市民グループら、23日に八幡浜で緊急集会

http://mainichi.jp/area/ehime/news/20130612ddlk38040691000c.html


エコノミスト 2013年6月25日号
原発輸出の矛盾:問題案件を抱え込む安倍政権、原発輸出の矛盾

宗敦司
(エンジニアリング・ビジネス編集長)

http://urx.nu/4jst

 安倍政権が原発輸出を強力に推進している。トルコ、アラブ首長国連邦(UAE)アブダビとも5月に協定を締結。インドとも協定締結に向けた交渉の再開で5月末に合意した。さらにはフランスとも原発輸出の協力で6月7日に合意している。まるで“原発セールスマン”となったようだ。

政府が原発輸出にこだわるのは、一つには福島事故後でも海外での原発ニーズが現実として存在するためだ。米国ではシェールガス革命に押されて、原発の新規立地計画は失速しているが、アジア、中東、欧州では引き続き計画が進んでいる。

それに対して日本のプラントメーカーは十分な供給力を持っている。とはいえ、東京電力福島第1原発の事故で国内の新設は見込めない。原子力産業を維持していくには、輸出に頼るしかないのが現状だ。輸出が実現すれば、供給者としての責任をアピールし、日本国内での原発産業維持という名目も立ち、核物質の保有を正当化し続けることもできる、というわけだ。………

(以下お読みになりたい方はご購読を)

小冊子の紹介

川内原発直近の巨大活断層と幾度も襲った火砕流
 -川内原発の再稼働はこれで消える-

制作 反原発・かごしまネット 2013年6月2日発行
学習用資料(カンパ100円)A5判 15ページ
問い合わせ 〒892-0873 鹿児島市下田町292-1 反原発・かごしまネット 事務局
TEL 099-248-5455 FAX 099-248-5457 メール info@nanpou.com


ページ15より

原発が廃炉にされる5つの理由

  1. 大事故が付き物の原発
    福島第一原発の大事故に見られるように、人間の作った機会は、故障や事故が付き物です。原発が他の機械と違うのは、一度の事故が壊滅的な被害を及ぼすという点です。
  2. 使用済み核燃料の非倫理性
    強い放射能を出し続ける使用済み核燃料の行く先がどこにもない原発は、トイレのないマンションと言われてきました。核のゴミを、原発稼働によって増やし続け、未来世代に残すことは、非倫理的です。
  3. 海を破壊する温廃水
    2009年、川内原発の温廃水放水口にある寄田海岸では、サメ、エイ、ダツの死亡漂着が数百匹。ワカメ、ヒジキなどの海藻も全滅。周辺漁港では漁獲が5分の1に激減しました。海が破壊されています。
  4. 平常の運転でも放射能を垂れ流し
    微量と言いながら、平常の運転でも大量の放射能が環境中に放出されています。ドイツでは国の調査で、周辺5kmの小児白血病が2.19倍、10kmでは1.33倍に上っています。薩摩川内市一人当たりの医療費も全国平均の2.5倍です。健康が蝕むばまれています。
  5. 役に立たない防災計画
    福島原発の事故では、放射能の90%が偏西風に乗って太平洋に飛んで行きました。西日本の原発の事故では、偏西風によって大部分の放射能が陸地に降り注ぎます。半径30キロ圏内の防災計画では何の役にも立ちません。「原発を廃炉にすることが、唯一の防災計画」なのです。

再稼働阻止全国ネットワークでは、3カ月に1回程度、再稼働問題にとりくむ全国の活動の様子をニュースとして発行しています。

2013年3月に創刊号、2013年6月に第2号を発行いたしました。次のページからPDFファイルをダウンロードしてご自由に配布していただけます。

http://saikadososhinet.sakura.ne.jp/ss/issue

※なお、会員への発送は、お申し込みの時期によって発送処理が遅れることがあります。ご了承ください。