抗議声明

大飯原発3、4号機稼働容認に抗議する
落第生に合格点を出すな!

原子力規制委員会による新規制基準大飯評価は間違い、再稼働促進ありきだ~

2013年7月4日 再稼働阻止全国ネットワーク 事務局

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原子力規制委員会は、昨日(7月3日)の定例会議で新規制基準による大飯3、4号機の現状評価書を確定し、稼働継続を決定した。私たち「再稼働阻止全国ネットワーク」は原子力規制委員会による不当な大飯3、4号機の稼働容認に強く抗議する。

1 大飯破砕帯調査は終わっていない―直下に活断層、地震が来たら原発はもたない
昨年から開始された破砕帯調査で、敷地内を通る破砕帯が活断層である可能性を指摘されたにもかかわらず、関電は追加調査を引き延ばし未だに規制委に報告していない。関電任せの試掘溝は専門委員の指示に反して、その1/4の深さ(約70m)である。
事業者任せの調査では信用できない。電力会社の横暴を黙認するな。

2 大飯3、4号機の稼働継続は危険―安全上重大な問題あり、防潮堤ができていない
評価書の随所に見られる「安全上重大な問題があるものではない」で安心できるか? 現状評価書で明らかになった危険を黙認するな。

(1) 防潮堤がまだできていない
新基準の目玉である津波対策=防潮堤ですら大飯原発では実現していない。今、津波が来たら大惨事になる。これを黙認するのか?

(2) 免震重要棟がまだできていない
福島第一原発事故が最悪の事態になることを避け得たのは免震重要棟があったからであるのに、大飯3、4号機にはまだ建てられていない。会議室では代替できない、放射能を防げない、狭すぎる、事故が発生したら機能しない。

(3) 耐震評価はいい加減
活断層調査も基準地震動の3連動評価も地下構造評価(シミュレーション)も事業者任せで全く信用できない。島崎委員が3日の委員会で「3次元地下構造の把握が不十分」と述べ、規制庁担当者も多数の問題を指摘している。黙認するな。

(4) 耐津波評価もいい加減
3連動による基準地震動及び追加検討された基準津波の影響評価をしていない。海底地滑りと地震との両者組み合わせによる評価ができていない。黙認するな。

(5) 住民の逃げ場が無い(アクセスが弱い)
3方を山に囲まれ1方を海に面した大飯原発サイトへのアクセスは、老朽化した「青戸の大橋」を通過する道路のみである。緊急時の住民避難も作業者の原発到着も非常に困難である。大島委員が3日に指摘している。

(6) 造った基準を守らせろ
内部溢水対策や重大事故対処習熟度など評価書のあちこちに見られる「施行後審査において確認していく」では危険だ。何のための基準か?

3 地元を無視するな
大飯原発現地の地元や周辺地域の行政と議会と住民の安全性への理解は全く得られていない。防災計画も防災訓練もできていない。14基もある若狭湾では原発のそばを通って避難するのか? 地元・周辺住民の安全性への不安を解消せよ!

4 甘い評価を再稼働審査の試金石にするな
新規制基準による14回の大飯確認作業は、今後申請される多くの再稼働審査の試金石となるにもかかわらず、あまりに甘い新基準によるあまりに甘い審査であった。原子力安全・保安院と原子力安全委による以前の評価より甘いのではないか。
原子力規制委員会の新規制基準による評価は、原発再稼働促進委員会による再稼働促進基準評価ではないか? 私たちは絶対に容認できない。

規制委・規制庁が保安院、安全委と同様でないならば、規制委は直ちに大飯3、4号機の稼働を止めるべきである。落第生(関西電力、大飯原発)に合格点を与える原子力規制委は出発点から大きな汚点を残した。強く抗議する。
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