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【報告】女川原発再稼働を考える女川現地講演集会
サテライト会場もあふれる550名が参加
26年ぶりの女川町内デモで盛り上がる

報告者 再稼働阻止全国ネット 沼倉

 
 2011年3月11日、人口1万人の女川町を襲った大津波は800名以上の尊い命を奪い、9割以上の住宅に被害が及ぶ壊滅的な大惨事をもたらした。3基が稼働中の女川原発においても13メートルの津波が押し寄せ、地震による地盤沈下などの影響で、2号機では建屋内に海水が逆流して非常用発電機2台が使用不能、建屋にも1130カ所のひび割れが発生。発電所のある牡鹿半島のいたる所で道路が寸断され、集落に取り残された住民の救出は困難を極めた。

 大震災から13年経過したこの9月に東北電力は2号機の再稼働を画策している。東北電力は5月27日に安全対策工事の完了を発表したが、1月1日に発生した能登地震の知見、教訓は一切考慮されておらず、避難計画をめぐる控訴審も現在仙台高裁で争われている状況下での9月再稼働は暴挙といえる。

 この日、宮城県内数カ所から貸し切りバスが手配され、昼前には多くの参加者が会場に到着した。再稼働阻止全国ネットとしては福島5名、青森3名、東京1名の仲間が参加。講師の青木美希さんの能登地震後の自らの現地取材にもとづく報告と鋭い問題点の指摘に聞き入ること1時間。会場には緊張感が漂い、再稼働まじかとはいえ、なすべき闘いへの意思一致ができた有意義な集会となりました。引き続き登壇した差止訴訟原告団(石巻市の住民17名による提訴)の原さんは6.17最高裁判決に触れながら、司法の反動化など厳しい情勢があるが一歩も引けない闘いを力強く、ユーモアも交え参加者にアピール。

 集会の最後には、能登半島地震を最後の警告として受け止め、あきらめず声を上げ続け、私たちが立ち上がれば〈原発ゼロで生きる道が切り開かれる〉との集会決議を宣言しました。

以下、女川原発廃炉に向けた要求の要旨を紹介します。

  • 宮城県と立地自治体には女川原発の「地元同意」の取り消しを求める
  • 原子力規制委員会には能登半島地震の知見に基づき、海底断層の調査と耐震安全性の再調査を求める
  • 宮城県は専門家による安全性検討会を再度設置し、海底断層の連動性や、地盤の隆起・沈降を含めた知見に基づき2号機の安全性の検証を求める
  • 県や自治体に複合災害時の避難計画の見直しを求める。県は乾式貯蔵施設の説明会を開催し、県民の声を聞くべきであり、東北電力には乾式貯蔵施設をつくる前に、使用済み核燃料を増やす再稼働の中止を求める

 
 集会後の町内デモは、1998年6月28日の「女川原発裁判控訴審結審 原発廃炉をめざす6.28女川行動」以来の26年ぶりのデモでしたが、町役場を出発し、観光客で賑わう魚港近くの商店街にも轟くシュプレヒコールをあげ、大いに盛り上がったデモとなりました。
女川原発再稼働を許さない みやぎアクション Facebook

 

 
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【女川原発地元 今後の行動】
⏺ 2024/7/17(水)15時 女川原発運転差止請求控訴事件 第4回口頭弁論
 仙台高裁 101法廷

⏺ 2024/8/25(日)『女川原発再稼働を問うシンポジウム』
「能登半島地震が突きつけた課題「原発複合災害」を考える
   報告「能登半島地震と志賀原発で起きたこと」北野進氏
   講演「原子力防災の虚構」上岡直見氏
 会場 せんだいメディアテーク(仙台市青葉区)
 主催 さようなら原発みやぎ実行委員会

⏺ 2024/8/31(土)女川夏文化祭8.31 
会場 女川町まちなか交流館 
主催 女川から未来をひらく夏の文化祭2024実行委員会 Facebook
共催 女川から未来を考える会 Facebook

⏺ 2024/9/1(日)14時「STOP!女川原発再稼働宮城県民集会」町内デモ・アピール行動
会場 元鍛冶丁公園(仙台市青葉区国分町)
主催 さようなら原発みやぎ実行委員会
 

6月28日、朝から降り出した雨の中、「6.28柏崎刈羽原発の再稼働許すな!首都圏行動」が行われました。
15時30分から衆議院第2議員会館多目的会議室で始まった院内集会には、新潟からの参加者も含め120名の市民が参加し、桑原三恵さん(規制庁・規制委員会を監視する新潟の会)の講演と星野幸彦柏崎市議の現地報告、核燃料廃棄物搬入阻止実行委員会事務局長・中道雅史さんによる「むつ中間貯蔵施設への使用済み核燃料搬入の問題点」の報告が行われました。

また、山崎誠衆議院議員、福島みずほ参議院議員もかけつけ、「東京電力の原発再稼働は許せない!下北半島に核のゴミを押しつけるな!」「電力消費地の首都圏市民が声をあげ、行動しよう」との意思一致が出来た集会になりました。

・柏崎刈羽原発の再稼働断念に関する申入れ(原発を再稼働させない柏崎刈羽の会)【PDF】
・核燃料中間貯蔵施設に関する申入れ(核の中間貯蔵施設はいらない!下北の会)【PDF】
・柏崎刈羽原発の再稼働を断念、廃炉にするよう求める申入れ(首都圏行動 実行委)【PDF】

 
集会終了後、降りしきる雨の中、東電本店に対する申し入れとアピール行動が行われ、労働組合から参加した仲間も加わり、120名の怒りの声が豪雨の中で轟きました。

東電前での発言者は以下の方々です。
新潟から 小木曽茂子さん(さようなら柏崎刈羽原発プロジェクト)
青森から 中道雅史さん(核燃料廃棄物搬入阻止実行委員会事務局長)
山崎久隆さん(たんぽぽ舎共同代表)
菅井益郎さん(柏崎巻原発に反対する在京者の会)
渡辺つむぎさん(被ばく労働を考えるネットワーク・あらかぶさんを支える会)

6/28に行われた「柏崎刈羽原発の再稼働を許さない!首都圏行動」集会&東電前行動の動画は以下で見られます。(映像協力 UPLAN 三輪さん 衆議院第2議員会館での院内集会と、夜の東電本店アピールの2本立て)
https://www.youtube.com/watch?v=fk_GurCYdvQ
 

原子力規制委 抗議申入れ 全国一斉行動のよびかけに呼応して実施された現地行動についてまとめました。(具体的な申入れ書等は追って掲載します)

北海道
 核ゴミの最終処分場選定に係る文献調査受け入れについて玄海町長宛てに要請文、抗議文などを提出
 (泊原発を再稼働させない・核ゴミを持ち込ませない北海道連絡会、脱原発をめざす北電株主の会ほか)
 泊原発全停止記念集会+大パレード
 泊原発廃炉訴訟一部勝訴判決 記念啓蒙活動 札幌地下街
 (ベクレルフリー北海道/脱原発をめざす北電株主の会/道民視察団)

青森
5/19 むつ中間貯蔵施設への使用済み核燃料搬入反対現地集会
   (101名の結集で集会とデモを貫徹)
5月下旬 核燃料廃棄物搬入阻止実行委員会による原子力規制庁青森統括官事務所 申入れ

福島
5/24 福島第一 原子力規制事務所申入れ(請戸河口テント)

東海第二
6/11 東海・大洗規制事務所 申入れ((東海第二原発の再稼働を止める会)

柏崎刈羽
5/19 能登半島地震 現地からの報告討論集会(さようなら柏崎刈羽原発プロジェク)
6月  県知事と長岡市長に対し避難計画の再考がすむまで再稼働議論をしない旨の申入れ予定

東京
5/22 再稼働阻止全国ネットワーク 東京行動
 ・原子力規制委 抗議申入れ行動
 ・首相官邸まえ抗議行動、内閣府申入れ

志賀
5/22 志賀原子力規制事務所 申入れ行動(命のネットワーク)

若狭
5/15、26、30 舞鶴、高浜、大飯、小浜、美浜でアメーバ行動<大地震は、いつ、どこで、どの規模で発生するか予知できません一刻も早く原発全廃を!>
 (若狭の原発を考える会)

島根
 青木美希さん講演会(120名参加)、規制庁 島根事務所 申入れ(予定)
 6月 上映会「原発を止めた裁判長」

伊方
5/22 伊方町申し入れ、伊方原子力規制委員会 申し入れ

玄海
5/24 佐賀県庁まえアピール行動(さよなら原発佐賀県連絡会)
5月末 規制事務所申し入れ(原発と放射能を考える唐津の会)

川内
5/25 「プール満杯。どうする? 使用済み燃料」
 川内原発20年延長問題 特別講演会(ストップ川内原発!3.11鹿児島実行委員会)

使用済み核燃料問題のパンフレットを発行しました。
資料Box からダウンロードできます。

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資料Box

再稼働阻止ネット リーフレット 2024/4月版

[おもて]
  
[うら]
 

 

 

「仮処分申し立てを応援する会」から緊急署名のお願いを共有します。

「島根原発2号機運転差止仮処分申立て」を応援する署名のお願い

 昨年2023年3月10日、島根・鳥取両県の住民4人の方が、中国電力に対して島根原発2号機の運転差止仮処分を広島高裁松江支部に申し立てました。本年2月19日に最終の審尋が終了し、現在は広島高等裁判所の判断を待っているところです。

 これまで耐震設計の基準となる「基準地震動」の評価や避難計画の実効性、火山噴火による原発施設への影響などを争点としてきましたが、元日に能登半島地震が起きたことで改めて複合災害時の避難計画の困難性が可視化されました。
 屋内退避も避難もできない場合の検証がないまま、いま島根原発2号機を再稼働することは、私たちのいのちやくらしを脅かすものでしかありません。

 裁判長に私たちの声が届くように、多くの方々に島根原発2号機運転差止仮処分についてのご理解をいただき、署名を集めたいと思います。
 ほぼ1カ月という大変短い期間となりますが、ご協力をよろしくお願いいたします。

署名フォーム

第一次集約 2024年3月31日 第二次集約 2024年4月12日

 

 
この署名に関する問合せ先
【呼びかけ団体】島根原発2号機運転差止仮処分申立てを応援する会
 連絡先 電話 080-6173-1318 メール arisaema35@outlook.jp
 

2/21(水)開催の院内ヒアリング集会 まとめ

【回答まとめ】

【報告】(再稼働阻止ネット 事務局 木村)

 

開催案内

2/21(水) 院内ヒアリング集会「能登半島地震が教える原発の危険性」

再稼働阻止ネットニュース26号を発行しました

発行物

原子力規制委員会は12月20日の定例会見で、東電・柏崎刈羽原発における核物質防護違反などによる運転禁止命令の解除方針を決め、週明け27日、事実上の「運転禁止解除」を実施することが発表されました。この発表・報道をうけ、再稼働阻止全国ネットワーク事務局から全国のみなさんへ、原子力規制委に対する抗議申入れ行動を呼びかけます。
年の瀬迫った時期ですがどうぞご協力をお願いいたします。

・反原発自治体議員・市民連盟による規制庁規制委あて要請書(12月25日提出予定)
抗議申入れ 文案(原子力規制委 毎水曜昼休み抗議行動)

 
原子力規制委員会 ホームページ「原子力規制委員会への御意見・御質問」で直接入力・送信することもできます。
入力フォーム https://www.nra.go.jp/cgi-bin/contact/
メールで送る場合 メールアドレス hp-info@nra.go.jp

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関連情報
第52回原子力規制委員会(12/13開催)
https://www.nra.go.jp/disclosure/committee/kisei/010000877.html
 議題1 原子力規制委員会と東京電力ホールディングス株式会社経営層による意見交換

第54回 原子力規制委員会(12/20開催)
https://www.nra.go.jp/disclosure/committee/kisei/010000879.html
 議題5 東京電力ホールディングス株式会社柏崎刈羽原子力発電所の現地調査の結

12/20 原子力規制委 委員長定例会見
https://www.youtube.com/live/mWTgZkuSfBo?si=hYiaq1iMMAU-NOAg

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関連報道
NST新潟総合テレビ 12/11(月)
年内に“運転禁止”解除可否判断も…規制委が柏崎刈羽原発を現地調査
https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/nsttv/region/nsttv-19157

新潟日報 2023/12/20
新潟・柏崎刈羽原発の「運転禁止命令」解除が決定
https://www.niigata-nippo.co.jp/articles/-/330622

毎日新聞 社説 2023/12/21
柏崎刈羽の禁止解除へ 再稼働への不安は拭えぬ
https://mainichi.jp/articles/20231221/ddm/005/070/084000c

毎日新聞 2023/12/20
柏崎刈羽原発の是正措置解除へ 再稼働手続き、2年8カ月ぶりに再開
https://mainichi.jp/articles/20231220/k00/00m/040/066000c

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12・3「とめよう!原発依存社会への暴走 1万人集会」参加報告
          再稼働阻止全国ネットワーク H.A.

少しひんやりとした冬空の下、1600人以上の人々が熱い思いで参集しました。
中嶌哲演さんが主催者挨拶をされ、「今の原発の末期的な状況を作り出したのは原子力ムラである。かつて原発建設を止めた小浜市民のひとりだからこそ私は言う。原発を廃炉に!原発のない社会を目指しましょう!」と語られた。
続いて龍谷大学教授の大島堅一さんからは「原子力回帰は許されない」というタイトルで、前日日本が賛同したCOP28での米国の宣言、2050年までに原発エネルギー容量を3倍にするということへの懸念、原発による経済的利益は全く無く、国民の負担が増すだけであることなどのお話があった。

全国の原発立地や市民運動の現場からも沢山の報告があった。来年誘致40年を迎える青森、「再処理核燃サイクルに今こそとどめを刺そう!」と話された「核燃料廃棄物搬入実行委員会」の中道雅史さん始め、柏崎刈羽、福島原発事故被害者、とめよう!東海第二原発 首都圏連絡会、福井、愛知・岐阜、伊方、上関、川内などから発言があった。また、関西の市民団体や労働組合からのスピーチもあり、どのお話も現地ならではの状況が伝わる内容だった。

「オール福井反原発連絡会」の宮下正一さんの報告、使用済み核燃料の乾式貯蔵について、福井県を原発の墓場にするな!という声、また、「伊方から原発をなくす会」の近藤享子さんのお話で、過酷事故時は原発から5~30キロ圏内は屋内退避と言われているが、津波が来たら予想は10メートル以上ともいわれ、とても助からない。避難もできないのに命をないがしろにされている。なのに、四国電力は家庭訪問をして原発や放射能の安全性を説いて回っている」などと語られていたのが特に心に残りました。

集会プログラムにはさらに多くの各地からの連帯メッセージが載せられていて、岸田政権の原発推進を何としても阻もうという市民活動の熱意、それを集結して原発のない社会へと変えようという実行委員会の不屈の意思を感じました。

デモは4グループに分かれて行進。日曜の夕暮れ迫る大阪の大通りを行きます。野球の阪神優勝時に歓喜の飛び込みで有名な道頓堀。今日も大勢の若者たちで賑わっていて、その中には橋の上からじっとこちらを見ている人たちの姿も少なからずあった。 シュプレヒコールを聴き、幟旗の文字を読んでいる若い人も。「声をあげよう!行動しよう!」伝わったかな。

ある報告によると日米韓の政権支持率は20?30%ともいわれているが、不信感とイライラがいつかこの世の中を変えるエネルギーになってくれるといい、そんなことを思いながら幟を担ぎ歩いていました。

隣を歩かれていた関西の女性は、知人に長いこと反原発の活動をされている人がいて、その方の運動を始めた動機が、原発で働いていた弟さんをガンで20代で亡くされたことだそうだ。ため息をつきながら、またどこかでお会いしましょうとデモ隊を離れて行かれた。

「使用済み核燃料の行き場はないぞ!」横断幕を掲げて先頭に立たれた僧衣の哲演さんも1時間半の行程を解散場所まで歩かれた。
久しぶりに会えた各地の人々の笑顔が嬉しかった。この人のつながりこそが希望。暗闇の中で意味を持つ灯り、そんなものが感じられた一日でした。

実行委員会の皆さま、ご参加の皆さま、お疲れ様でした。

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(実行委員会発信)

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