2013年7月3日

泊原発の再稼動申請に反対する要請文

北海道電力株式会社 代表取締役社長 川合克彦 殿

市民団体「SHUT泊」共同代表 小林善樹

 貴社は、7月8日に泊原子力発電所の再稼動申請を提出する予定であると伝えられておりますが、私たち市民団体は、その申請に先立ち、貴社が泊原子力発電所の再稼動申請をせぬよう強く要請します。
 原子力発電所は、たとえ、いかなる安全設備を具備しても、絶対に安全であるとは断言できないものであることは貴社もお認めになっているところです。そして、人間の操作に完璧さを求めることも不可能です。特に異常事態においてはパニックを起こして適格な操作をおこない得なくなりがちなものです。さらに、原子力発電は、無毒化することが不可能な放射性廃棄物をつくりだす装置です。

 以上の重大な欠陥を持つ原子力発電所を稼動させることは、将来世代の人類のみならず、「生きとし生けるものすべて」に対する重大な犯罪行為です。
 また、原発を稼動させて万が一事故を起こしたならば、母なる大地と大気そして水を汚染してしまうのです。したがって、原発は人間としての倫理上稼動させてはならない装置なのです。

 貴社は、加圧水型原発には5年間の猶予期間が認められているとして、防潮堤やフィルタ付ベント設備などの安全対策が未完成のままで、再稼動を計画されておりますが、私たちは、そのような安全対策が完備されたとしても、上記の理由により、原発の稼動には絶対に反対いたします。

 また、貴社は先日の株主総会において、「東京電力福島第一原子力発電所に襲来した津波と同程度の津波にも安全を確保できる緊急安全対策を実施済みである」と主張されていますが、あの津波が最大だ、という保証はありません。あの津波を越えるものが襲来する可能性はあり得ますし、国会事故調査委員会の指摘する通り、福島第一原発は地震によって破損した疑いもあり、あの地震が最大だ、という保証もないのです。原発は絶対に安全な装置であるとはいえないものなのです。

 私たちが出発すべき現実は、事故から2年以上が経過した現在もなお15万人以上の人が避難生活を余儀なくされ、いまだに事故原因が特定されず、いまもなお大量の放射性物質が大気中・海中へと放出され続けているということです。

 『原発は安全』という貴社の主張は、福島を収束させて からでなければ、まったくの『カラ文句』でしかありません」。『福島など、なかったかのような』振る舞いは、到底許せるものではありません。

 私たちは、貴社が再稼動申請の提出を思い止まるよう心から強く要請します。

以上

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新聞報道

北海道新聞 (07/04 09:57)
泊再稼働申請に反対 道内24団体、北海道電力に要請
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/economic/477481.html

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