[ikatahaironet]より
第15回 伊方原発再稼働反対本通りウォーク報告(広島)の報告

3月16日(土)15:00にスタート。コースは、元安橋東詰めー本通りー金座街往復。
今回は4人で歩きました。

今回のチラシのタイトルは、「危険な伊方原発が再稼働します プルトニウムやトリチウム…厖大に溜め込まれた放射性物質」。

第15回伊方デモ すべてのチラシとプラカード(「広島2人デモ」HP)
http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/index.cgi?no=115

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次のようなことを訴えました。

福島原発からは、今も1時間あたり1000万ベクレルの放射性セシウムが放出しつづけています。放射性物質に高濃度に汚染された汚染水が溜まりつづけています。広い地域で、今も放射線管理区域レベルの放射線にさらされながら、人々が生活しています。

東京都新宿区の友人の家の庭の苔からは、1㎏あたり1万ベクレルの放射性セシウムが検出されたとのことです。

福島原発事故は今も続いています。

にもかかわらず、国は原発再稼働に向けて、着々と準備を進めています。
原子力規制委員会で、原発の新安全基準が準備されつつあります。今年の7月にはそれが決定されます。そして、その後、「新安全基準」に照らして原発再稼働のための審査が行われますが、再稼働に向けて最短距離にあるのが、広島市から一番近い原発、広島市から100キロの四国電力の伊方原子力発電所です。

原発事故が起きたとき、福島第一原発1号機~3号機には1496体の核燃料集合体がありました。また、1号機~4号機の使用済み核燃料プールには、3106体の燃料貯蔵体がありました。

今、伊方原発1号機~3号機の原子炉内には383体の核燃料集合体が格納されています。伊方原発の敷地内には、使用済み核燃料が1408体保管されています。
これらの核燃料集合体や使用済み核燃料の放射性物質、ウランやプルトニウムや「死の灰」の量は、合計で約750トンにのぼります。

これは、広島原爆で使われた放射性物質は約75㎏の1万倍の量です。
ひとたび事故が起これば、これらの放射性物質が環境中にばら撒かれます。

伊方原発は中央構造線という大活断層の直近にあります。
巨大地震に見舞われる可能性は、非常に高いところです。

伊方原発で再稼働される可能性が高いのは、3号機です。この3号機では、「プルサーマル」が行われます。通常のウラン燃料に加えて、プルトニウム燃料を原子炉で使用するのです。ところが、プルトニウム239の熱エネルギーは、ウラン235に比べて、40倍も大きいのです。

また、プルトニウム燃料は、ウラン燃料に比べて、溶融点、溶け始める温度が、70度も低いのです。熱エネルギーが大きく、溶融点が低いということは、それだけメルトダウンの危険性が大きいということです。ひとたび事故が起これば、このプルトニウムも、環境中にばら撒かれます。当然、広島にもやってくるでしょう。

プルトニウムは、体内に摂り込まれると、非常に危険な物質です。プルトニウムの半減期は1万年を越えます。肺などに付着したプルトニウムは、永久に排出されません。

お配りしているチラシには、豚の肺に付着した、プルトニウムの飛跡の画像が載せられています。体内に付着したプルトニウムは、放射線を発して、周囲の細胞を破壊しつづけます。1キログラムあたり1万2000ベクレルのプルトニウム238をラットの新生児に与えたところ、2週間以内に、45%のラットの新生児が死亡したという実験結果があります。1キログラムあたり1万2000ベクレルのプルトニウム238の実効線量は、わずか0.1ミリシーベルトです。

また、伊方原発は平常時でも大量のトリチウムを環境中に放出します。
2001年から2010年の間に伊方原発が瀬戸内海に放出したトリチウムの量は、552兆ベクレルにのぼります。電気事業連合会などはトリチウムは人体に害がないと言っていますが、事実は違います。

水素の同位体であるトリチウムは、水や水蒸気の形で体内に取り込まれやすく、元素転換によって細胞を破壊してしまいます。原発から出るトリチウムの量と、周辺の都市の新生児死亡率との間に相関関係があることが、海外の研究で確かめられています。

(以上、チラシの内容に沿って。それから、15日の「2人デモ」でも話させていただいたのですが、亡くなられた堀啓子さんからうかがっていたお話から、次のようなことも。)

私の知っていた方は、原爆が投下されたとき6年生で、直接の被爆はされませんでしたが、放射性物質を含む雨「黒い雨」が降った地域で、家庭菜園で採れた野菜を食べ盛りの時期に食べて育ち、40代でがんを発症して亡くなられました。同じ地域の同じ年代の人に、若くして亡くなられる人が異常に多かったようです。

薬剤師でいらっしゃったこの方の奥様は、おつれあいのがんの原因は、成長期に食べ物とともに摂り込んだ放射性ストロンチウムであろうと考えておられました。この推測は当たっていると思います。

原発事故で放出される放射性物質の量は、広島原爆とは比べ物にならないほど膨大です。

放射性物質は、体の内部に摂り込まれると、内部被曝を引き起こします。内部被曝は、外部被曝とはまったく違う現象です。体の内部に摂り込まれた放射性物質は、付着した部分の周辺の細胞を、非常に高い密度で攻撃しつづけます。
その結果、生物の体を構成する細胞は、さまざまな形でダメージを被ります。

遺伝子の情報に狂いが生じて、がんや白血病、先天性障害の原因となることはよく知られていますが、それだけではありません。急激な細胞の老化や、免疫機能の低下も起こります。放射線は、細胞そのものを損傷します。

最近、心臓が突然機能を停止することで起こる突然死が増えていると聞きます。内部被曝のメカニズムを考えれば、これは少しも不思議なことではありません。たとえ50ベクレルのセシウム137であっても、それが心臓の要となる部分に付着して、その部分にダメージを与えれば、心臓の突然の機能停止が起こることに、何の不思議もありません。

放射性物質に汚染された食べ物は、間違いなく私たちの食卓にものぼっています。
私たちは、巨大な嘘の体系の中に取り込まれています。

現在の放射線の防護基準の元をつくっているのは、ICRP(国際放射線防護委員会)という機関です。ICRPは、私たちの命や健康を守るために存在している機関ではなく、核兵器開発や原発ビジネスを進める、国際的な核利益共同体の利益を守るために存在している機関です。多くの国々が、このICRPの勧告にしたがって放射線防護の基準を決めています。もちろん日本もです。

いろいろな「嘘」や「ごまかし」が流されています。
内部被曝と外部被曝の影響は同じだという「嘘」。
放射線の健康影響は、がんと白血病と先天性障害だけだという「嘘」。
がんや白血病は被曝から5年経たなければ出てこないという「嘘」。
100ミリシーベルト以下の被曝なら健康への影響はないと思い込ませる「ごまかし」。

国も、マスコミも、この「嘘」の体系を私たちに押し付けようとしています。
国内・国外の核利益共同体の利益を守るためです。彼らにとって、福島原発事故被災者の命、私たちの命など、鳥の羽よりも軽いものです。それよりも核利益共同体の利益のほうが重いのです。

原発は、現在も多くの人の命を奪いつづけています。
原発が存在し続けるということは、私たちの生存権が現実的に脅かされ続けるということです。

今回も島根から駆けつけてくださった、廃炉マリョーシカさんは、「島根原発3号機の運転をやめさせるための訴訟」への参加(原告・サポーターとして)を訴えてくださいました。チラシ、プラカードを毎回作成し、スピーカーを掲げ続けててくださる網野さんは、伊方原発の再稼働を止めるただ一つの手だては、広島市の100万の市民、松山市の50万の市民が、伊方原発再稼働を認めない、とはっきり政治意思表示することだと訴えてくださいました。

人通りは非常に多く、多くの人がプラカードに目をやっていました。
しかし、危機が迫っているという雰囲気には程遠い、春の午後の本通りでした。
スピーチのしかたにも、もっと工夫が必要です。

次回は、3月30日(土)15:00~、同じコースで歩く予定です。

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