「伊方原発3号機の適合審査合格」決定に対し、愛媛の地元グループが伊方原子力規制事務所に抗議申入れを行いました。

2015年7月15日

原子力規制委員会委員長   田中 俊一殿
原子力規制庁長官      池田 克彦殿
伊方原子力規制事務所所長  野中 則彦殿

伊方原発3号機の適合審査合格に抗議し、その撤回を申し入れます

STOP!伊方原発・南予連絡会
 伊方原発なくそう!八幡浜市民の会
 伊方原発反対八西連絡協議会
 八幡浜・原発から子どもを守る女の会

 規制委員会は7月15日、伊方原発3号機の審査書を決定しました。しかしその2日前の13日未明、大分県南部を震源地とする地震によって、南予北部地域は震度5~4の揺れに見舞われました。その時多くの人が伊方原発はどうなのか、と心配せざるを得なかったのです。1年4カ月前の伊予灘地震の時も同じ思いを強いられています。毎年大きな揺れに見舞われ原発事故の恐怖に苛まれながらの生活を強いられている、それがこの地の現実です。

 地震学者や火山学者は、日本列島は大地動乱の時代にあると警告しています。いつどこで大地震や火山大噴火が起きるかわからない状態にあると言われています。南海トラフ巨大地震は近い将来にほとんど確実に起こるとされており、その震源域の真上にある四国ではどこでもその対策に追われています。長期停電も危惧されています。そういう中での伊方原発3号機の再稼働は常軌を逸しており、この地を複合災害の奈落へと引き込むものといわねばなりません。まして伊方原発は日本最大の中央構造線の活断層のほぼ真上に存在しており、本来そこにあってはならないものです。一体、規制委はこの大地動乱の時代の地震や火山爆発のリスクを真剣に審査したのでしょうか。

 本当に真剣に審査しているなら「審査の合格は安全を担保するものではない」という田中委員長の発言はあってはならないはずです。そのような無責任でいい加減な審査によって私たちの命や子供たちの未来やふるさとが弄ばれることを許すことはできません。実際、佐田岬半島の地形や気象条件は住民の避難を極めて困難にし、避難計画もあまりにも杜撰に過ぎ、多くの住民は自分たちは見捨てられると案じています。一体このことに規制委はどのように責任を負うのでしょうか。

 規制委が「再稼働は国や事業者が決めること」と責任を逃れようとも、「規制委が合格とした原発は粛々と再稼働する」という政府見解にあるように、規制委の審査書決定は再稼働の引き金であり、それによって引き起こされるあらゆる惨禍の責任を規制委も負うということです。規制委は福島を2度と繰り返さないということを断言すべきであり、そのことに責任を負うべきです。だからその審査は「当該原子炉施設の周辺住民の生命、身体に重大な危害を及ぼす等の深刻な災害が万が一にも起こらないようにするため」のものであるべきとの、1992年伊方最高裁判決を遵守すべきです。今回の決定はそれに明白に違反しています。

 福島を繰り返さないために、この地域に生きる全ての住民並びに全ての命の安全・安心な生活と子供たちの未来を守るために、伊方原発3号機の適合審査合格を即刻取り下げることを要求します。

Comments are closed.

Post Navigation