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伊方原発再稼働に反対する「11・1集会」(愛媛県松山市で開催予定)の準備会参加グループおよび個人は、「伊方原発:3号機再稼働 八幡浜市の大城市長が了承」の報道を受け、抗議声明を発表。同時に、緊急で、県庁内にて記者会見を行いました。

八幡浜市長 大城一郎様

伊方原発3号機の再稼働の「了承」に怒りをもって抗議し、撤回を求めます

 あなたが9月2日に知事に提出した「伊方発電所3号機の原子炉等規制法の改正に伴う新規制基準への適合に係る設備の設置等に関する事前協議について(回答)」には、「市議会議員・市民有識者からのアンケート調査の結果及び6月市議会の議決を踏まえ了承した」とあります。

 しかし、8月5日、6日に開かれた「住民説明会」は、大多数の市民を排除したもので、市議や経済団体代表者ら67人のアンケート結果が、八幡浜市民の声を反映したものとは到底言えません。また6月議会では、再稼働に反対の請願が、総務委員会では採択された経過もあり、9月議会での議論が待たれていました。議会無視・住民無視の判断だと言わざるを得ません。

 市長が知事に提出した文書では、福島第一原発の事故の厳しい実情から、被害の深刻さ、避難の困難さ、使用済み核燃料の問題、原子力発電所の持つ大きなリスク、それに対する八幡浜市民の不安などを指摘しています。それならば、再稼働を認めることはあり得ないのではないですか。住民のいのちよりも、経済を優先させることは許されません。

 国が全責任を負うよう市長は求めていますが、それで解決するわけではありません。福島第一原発の事故では東電も国も責任を回避し、十分な補償をしていません。

 日本列島は地震の活動期に入っています。巨大地震や火山の噴火などの危険から逃れることはできません。瀬戸内海に面した伊方原発での重大事故は、伊方町・八幡浜市だけの問題ではありません。私たちの住む四国および中国地方はもとより、西日本一円、さらに国内の広範な人々に、子々孫々にまで及ぶ深刻な被害を及ぼします。福島第一原発事故は、改めて原発と人類は共存できないことを示しました。

 私たちは「11・1集会」の成功のために中四国各県から結集して松山市内で準備のための会合をもったところですが、参加者一同、強い憤りをもって抗議し、再稼働の「了承」を速やかに撤回することを求めます。

2015年 9月 3日

「STOP伊方原発再稼働! 11・1全国集会 in 松山」準備会議参加者一同
  原発をなくす高知県民連絡会
  原発をなくす香川の会
  徳島県平和運動センター
  さようなら原発ヒロシマの会
  原発をなくす全国連絡会 全日本民医連
  愛媛労連
  愛媛民医連
  愛媛県平和運動センター
  原発さよなら四国ネットワーク
  STOP伊方原発!南予連絡会
  伊方原発50km圏内住民有志の会
  伊方原発をとめる会
  原発とめまっしょい若者連合

連絡先 伊方原発をとめる会 内

(このイベントは終了しました)

第29回 伊方集会

伊方原発3号炉 再稼働絶対NO!

日時 2015年 10月 11日(日)10時~
集合 伊方原発ゲートまえ

<内容>
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10:00から 抗議・申し入れ
 月例座り込み+四電への抗議・申し入れ(八幡浜・原発から子どもを守る女の会呼びかけ)
 ※抗議・申入れ文書は、各自が50部印刷して当日持参してください。
12:00から 昼食
※お弁当の申し込み お茶付き500円(10/7締切り)
  FAX 089(962)7432(担当:土居)
13:00から 交流会
各地からの参加者、地元伊方町や八幡浜市の方々と今後の再稼働阻止計画を話し合おう!
16:00 解散
 

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呼びかけ団体
 原発さよなら四国ネットワーク、八幡浜・原発から子どもを守る女の会、伊方原発反対八西連絡協議会

問合せ TEL 090-4472-4862(秦)

皆様のカンパで活動をしています。
お振込みをよろしく願いたます。
 振込先: 郵便振替 郵便振替 01650-4-41986
 原発さよならえひめネットワーク
 連絡先 〒790-8691 郵便事業(株)松山支店 私書箱151号

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「伊方原発50km圏内住民有志の会」が行った会見資料を紹介します。

お集りの皆さまへ

 伊方原発50km圏内住民有志の会は、フクシマは決して人ごとではなく、私たちの生命と未来を左右することだと受けとめています。再稼働の前に東京電力福島第一原発事故の収束と被害者(国民)への補償を求め、被害を受ける可能性のある住民(国民)すべての同意を求めます。 しかしながら、原子力規制委員会は四国電力伊方原発の審査書を了承(基準に合格と)しました。国や事業者は、事故の責任の所在も補償もあいまいにしたまま、限られた地域のごく一部の人たちに「地元同意」 の範囲を限定して、再稼働を進めようとしています。川内原発と高浜原発では立地自治体と県の了承だけで手続きが進められており、伊方でも住民の意思が問われることなく再稼働の手続きが進むことが懸念されます。

 これに対して全国各地の市民たちから抗議の声があがり、大きくなっています。 原発利権や賛成・反対の立場に左右されることなく、住民の意見を問い、知り、伝えることは、「地元同意」の大前提であり、なにより私たちの生存権を守るために大きな力になると考えています。

 本アンケートにご協力いただきました、伊方町民はじめ皆さまに心から感謝申し上げますとともに、進捗状況をご報告させていただきます。

2015年8月18日
                     伊方原発50km圏内住民有志の会

(Click:拡大画像が開きます)
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アンケートケ結果(意見)

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関連報道
南海放送(8/18):再稼働の賛否問う住民アンケート 中間発表(愛媛県伊方町)

「伊方原発3号機の適合審査合格」決定に対し、愛媛の地元グループが伊方原子力規制事務所に抗議申入れを行いました。

2015年7月15日

原子力規制委員会委員長   田中 俊一殿
原子力規制庁長官      池田 克彦殿
伊方原子力規制事務所所長  野中 則彦殿

伊方原発3号機の適合審査合格に抗議し、その撤回を申し入れます

STOP!伊方原発・南予連絡会
 伊方原発なくそう!八幡浜市民の会
 伊方原発反対八西連絡協議会
 八幡浜・原発から子どもを守る女の会

 規制委員会は7月15日、伊方原発3号機の審査書を決定しました。しかしその2日前の13日未明、大分県南部を震源地とする地震によって、南予北部地域は震度5~4の揺れに見舞われました。その時多くの人が伊方原発はどうなのか、と心配せざるを得なかったのです。1年4カ月前の伊予灘地震の時も同じ思いを強いられています。毎年大きな揺れに見舞われ原発事故の恐怖に苛まれながらの生活を強いられている、それがこの地の現実です。

 地震学者や火山学者は、日本列島は大地動乱の時代にあると警告しています。いつどこで大地震や火山大噴火が起きるかわからない状態にあると言われています。南海トラフ巨大地震は近い将来にほとんど確実に起こるとされており、その震源域の真上にある四国ではどこでもその対策に追われています。長期停電も危惧されています。そういう中での伊方原発3号機の再稼働は常軌を逸しており、この地を複合災害の奈落へと引き込むものといわねばなりません。まして伊方原発は日本最大の中央構造線の活断層のほぼ真上に存在しており、本来そこにあってはならないものです。一体、規制委はこの大地動乱の時代の地震や火山爆発のリスクを真剣に審査したのでしょうか。

 本当に真剣に審査しているなら「審査の合格は安全を担保するものではない」という田中委員長の発言はあってはならないはずです。そのような無責任でいい加減な審査によって私たちの命や子供たちの未来やふるさとが弄ばれることを許すことはできません。実際、佐田岬半島の地形や気象条件は住民の避難を極めて困難にし、避難計画もあまりにも杜撰に過ぎ、多くの住民は自分たちは見捨てられると案じています。一体このことに規制委はどのように責任を負うのでしょうか。

 規制委が「再稼働は国や事業者が決めること」と責任を逃れようとも、「規制委が合格とした原発は粛々と再稼働する」という政府見解にあるように、規制委の審査書決定は再稼働の引き金であり、それによって引き起こされるあらゆる惨禍の責任を規制委も負うということです。規制委は福島を2度と繰り返さないということを断言すべきであり、そのことに責任を負うべきです。だからその審査は「当該原子炉施設の周辺住民の生命、身体に重大な危害を及ぼす等の深刻な災害が万が一にも起こらないようにするため」のものであるべきとの、1992年伊方最高裁判決を遵守すべきです。今回の決定はそれに明白に違反しています。

 福島を繰り返さないために、この地域に生きる全ての住民並びに全ての命の安全・安心な生活と子供たちの未来を守るために、伊方原発3号機の適合審査合格を即刻取り下げることを要求します。

「伊方原発3号機の適合審査合格」決定に対し、愛媛の地元グループが伊方原子力規制事務所に抗議申入れを行いました。

2015年7月15日

原子力規制委員長 田中俊一 殿
原子力規制庁長官 池田克彦 殿

伊方原発3号機の審査合格に断固抗議します

原発さよなら四国ネットワーク

 伊方原発は世界有数の豊かさを誇る瀬戸内海に面し、事故を起こさなくとも恒常的に温排水とトリチウムを膨大に排出し、この地域の全ての生命の営みを脅かしています。従ってその存在そのものが許されるものではありません。即刻廃炉にすべきものです。

 伊方原発3号機の再稼働を認めることは、再びチェルノブイリや福島のような悲惨な過酷事故を引き起こす可能性を秘めています。

 いまや再生可能エネルギーは原発を必要としないほどあり余っています。たかが数十年の発電事業のために、たかが一企業の利益のために私達のかけがえのない故郷を喪うことを私達は断じて認めるわけにはいきません。

この地域の全ての生命を半永久的に危険に陥れる可能性のある原発の再稼働は直ちに撤回すべきです。
 まして、伊方原発は日本最大の中央構造線の活断層のほぼ真上に存在し、また近い将来ほとんど確実に起こるとされている南海トラフの巨大地震の危険に晒されています。にもかかわらず佐田岬半島の地形や気象条件は住民の避難を極めて困難にし、避難計画もあまりにも杜撰に過ぎ、机上の空論に過ぎません。

 また、規制委員会の田中委員長も、審査の合格は安全を担保するものではない、と言っています。そのような無責任でいい加減な審査に合格したからと言って、私達は伊方原発3号機の再稼働を断じて認めるわけにはいきません。

 この地域に生きる全ての住民ならびに全ての生命の安全、安心な生活と未来を守るために伊方原発3号機の審査の合格を即刻取り下げることを要求します。

四電宇和島支社へ南予住民の意志を突き付けよう!
伊方原発を動かすな!
福島を繰り返さない!南予のふるさと・命が大事!

日時 7月27日(月)15時
場所 道の駅「きさいや広場」集合
(車の場合:宇和島道(松山道)朝日ICを降りてすぐ。JR宇和島駅から徒歩13分)

30分程の集会後デモ、四国電力へ申入れ
市役所経由、四電宇和島支社にて抗議・申し入れ行動

STOP!伊方原発・南予連絡会
連絡先 090-1791-1105 (八木)

●四電は伊方原発3号機の再稼働を断念せよ!南予を第2の福島にするな!
●四電は原子力から撤退し、南予を放射能の恐怖から解放せよ!
●四電は伊方原発を廃炉事業の先進地にせよ!
●四電は地域に貢献する自然エネルギーの活用・普及に力を注げ!
●四電は南予全域の住民に説明をし、公開討論会に応じよ!

チラシ(印刷用)

(地域の活動)

<伊方原発の地元から緊急レポートです>

6月18日、八幡浜市議会 総務委員会が開催され、「伊方原発を再稼働させないことを求める請願」が採決されました。翌19日の本会議での採択が待たれます。

「八幡浜・原発から子どもを守る女の会」が提出した請願書は以下の通り。

伊方原発を再稼働させないことを求める請願について

八幡浜・原発から子どもを守る女の会

 
請願趣旨

 福島原発震災から4年が経とうとしています。しかし、未だに放射能を封じ込めることは出来ず、放射能汚染水は海に流れ続け、地域住民は被ばくに怯えながら、いつ終わるともしれない避難の生活を強いられています。福島原発事故は何一つ収束などしていないのです。原因さえ明らかにされていません。しかも、原因を作った東京電力初め、誰一人ぬ身に問われないまま子どもたちは放射能汚染の中で生きています。近隣の自治体は放射能汚染土の中間貯蔵施設建設の現地調査が行われていますが、最終処分地も決まっていません。

 この現状を見ると、国も電力会社も放射能を封じ込めることは出来ず、原発で事故が起これば、地域住民は被ばくし続け、故郷は放射能で汚染された廃棄物の置き場になるしかないという事が明確です。

 伊方原発の再稼働を許せば、福島で起こっている事が伊方でも起こりうるのです。そして、既に福島原発処理で破綻している日本経済は、次に起こるであろう原発事故処理能力も補償能力もありません。東京電力ができなかったことが四国電力に出来るはずもありません。万一、伊方原発で事故が起きれば、市民の生命も財産も何一つ補償されず、八幡浜市は除染作業も進まず、福島よりもっと悲惨な状況になることは目に見えています。

 生命を未来に繋いでいくことは、生物の根源的な営みです。東南海地震が近いといって様々な対策が講じられていますが、伊方で事故が起きれば全て無に帰します。私たちの子どもや孫は故郷を失います。

 脱原発はイデオロギーではありません。ましてやエネルギー問題でもありません。市民の命の問題です。八幡浜市会議員の皆様、この叫びに耳を傾けて下さい。伊方原発の再稼働をさせないために八幡浜市議会が声を挙げて下さい。再稼働反対の議会決議を行い、その結果を意見書として、内閣総理大臣および担当大臣、愛媛県知事に提出して下さい。切にお願いいたします。

参考:
愛媛県八幡市 平成27年6月定例市議会 議案一覧
http://www.city.yawatahama.ehime.jp/docs/2015052500024/

NNN(6/19):愛媛県八幡浜市議会 原発再稼働反対の請願不採択
http://saikadososhinet.sakura.ne.jp/ss/archives/9329

原子力規制委員会は伊方原発3号機の審査を終え、伊方3号機の設置変更許可申請に対する「審査書(案)」を提示。現在、6月19日まで意見募集(パブコメ)を行っています。(5/20(水)公示)

伊方原発に詳しい地元グループ「原発さよなら四国ネットワーク」から、パブコメを書くための参考資料が発信されていますので、そちらを参考に、みなさんぜひ意見を送ってください。

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原発さよなら四国ネットワークHP
「はがきで出そう!伊方原発パブリックコメント」

「はがき」は5枚セット100円です。購入希望の方は、四国ネットの連絡先へ直接お問い合わせください。090-2898-7018 または 090-2820-0150 。

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原子力規制委員会 パブコメ募集の案内ページ
http://www.nsr.go.jp/procedure/public_comment/20150520_01.html
(注意事項などが記載されていますので、意見を送る前に必ず目を通して下さい)
(意見の送付は、Webフォーム、FAX、郵送のいずれかで。)

意見募集の対象となる伊方3号機の「審査書(案)」
http://www.nsr.go.jp/data/000107346.pdf

審査書(案)は全427ページです。意見を送る際は、審査書のどの部分についての意見か明記しなければなりませんので、「目次」を参考にページ数を書き込んでください。
 原発さよなら四国ネットワークの資料ページ >>> 審査書(案)目次

伊方原発3号機の審査会合資料
http://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/yuushikisya/tekigousei/power_plants/ikata3/committee/index.html
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5/15(金)から25(月)まで、川内・高浜の再稼働をやめろ! 全国一斉規制委抗議行動を実施していますが、5月20日(木)は東京の原子力規制委員会まえで抗議を行いました。

各団体から寄せられた要請書、抗議文を掲載します。

<地域の活動>4月14日の「高浜原発差し止め判決(福井地裁)」を受けて、伊方原発の地元市民団体が、原子力規制委に対し、次のような申し入れを行いました。

申入書 PDF版

高浜3・4号機の運転差止決定を受け
基準適合性審査等の中止を求める緊急申入書

原子力規制委員会 委員長 田中俊一様
原子力規制庁   長官  池田克彦様

2015年4月17日 伊方原発反対八西連絡協議会
          八幡浜・原発から子供を守る女の会

申し入れの趣旨

 貴委員会は4月14日に発令された高浜原発3・4号機の運転差し止めを命じる仮処分決定において、貴委員会の策定した新規制基準が多くの点において合理性を欠くと指摘されたことを厳粛に受け止め、伊方原発3号機に関する基準適合審査を直ちに中止するよう求める。
 貴委員会は同決定に基づいて、すべての原発の基準適合性審査を中止するよう求める。

申し入れの理由

 今回の仮処分決定は、原発の本質的な危険性を認定し、地震大国において、基準地震動を超える地震が高浜原発に到来しないというのは根拠に乏しい楽観的な見通しにしか過ぎない上、基準地震動に満たない地震によっても冷却機能喪失による重大な事故が生じる得ること、使用済み核燃料を閉じ込めておくための堅固な設備が設けられていないこと、使用済み核燃料プールの給水設備及び計測装置の耐震性がSクラスにされていないことなどから、高浜原発の運転によって直接的に住民の人格権が侵害される具体的な危険性があると判断した。

 決定では基準地震動の策定方法について「万一の事故に備えなければならない原発の基準地震動を平均像をもとに策定することに合理性を見出し難いから、基準地震動はその実績のみならず理論面でも信頼性を失っていることになる」と根本的な誤りを指摘。

 そして、本決定では「新規制基準は緩やかに過ぎ、これに適合しても原発の安全性は確保されない、新規制基準は合理性を欠く」と明確に述べている。そして高浜原発の脆弱性は「①基準地震動の策定基準を見直し、基準地震動を大幅に引き上げ、それに応じた根本的な耐震工事を実施する②外部電源と主給水の双方について基準地震動に耐えられるように耐震性をSクラスにする③使用済み核燃料を堅固な施設で囲い込む④使用済み核燃料プールの給水設備の耐震性をSクラスにするという各方策がとられることによってしか解消されない」と指摘。また事故時の「事態の把握の困難性は使用済み核燃料プールに係わる計測装置がSクラスであることの必要性を基礎づけるものであるし、中央制御室への放射性物質が及ぶ危険性は耐震性及び放射性物質に対する防御機能が高い免震重要棟の設置の必要性を裏付けるものといえるのに、これらのいずれの対策も取られていない」「新規制基準は上記のいずれの点についても規制の対象としていない」等、指摘している。

 伊方原発においては、免震重要棟は設置されていたが、その設置過程において、福島事故直後に完成した重要免震棟(緊急時対策所)は、新規制基準適合審査において、3号機建設当時の極端に小さい地震動の見直しを求められ、見直した後に「免震棟の基礎杭が折れる可能性がある」として緊急対策所を原子炉により近い場所に新規に建設する羽目となり、移転決定から建設までわずか半年足らずという「やっつけ仕事」で済ましており、安全性についての信頼性を欠いているものである。

 また注目すべきこととして、今回の決定は伊方原発1号炉設置許可取り消し請求訴訟の最高裁判決を示して「改正原子炉規制法の『設置変更許可をするためには、申請に係わる原子炉施設が新規制基準に適合するとの専門技術的な見地からする合理的な審査を経なければならないし、新規制基準自体も合理的なものでなければならないが、その趣旨は、当該原子炉施設の従業員や周辺住民の生命、身体に重大な危害を及ぼす等の深刻な災害が万が一にも起こらないようにするため、原子炉施設の位置、構造及び設備の安全性につき、十分な審査を行わせることにある(最高裁判所1992年10月29日第一小法廷判決 )参照。」とし、この決定が伊方最高裁判決の枠組みのもとに位置付けられていることを明確にしている。

 その上でこの最高裁判決を踏まえれば「新規制基準に求められる合理性とは、原発の設備が基準に適合すれば深刻な災害を引き起こす恐れが万が一にもないといえるような厳格な内容を備えていることであると解すべきことになる。しかるに、新規制基準は緩やかに過ぎ、これに適合しても本件原発の安全性は確保されていない。原子力規制委員会の田中俊一委員長の『基準の適合性を審査した。安全だとは申し上げない』という川内原発に関しての発言は、安全に向けてできる限りの厳格な基準を定めたがそれでも残余の危険が否定できないという意味と解することは出来ない。同発言は文字通り基準に適合しても安全性が確保されているわけでないことを認めたにほかならないと解される。新規制基準は合理性を欠いたものである」と結論づけているのである。

 以上のように指摘した通り、今回の仮処分決定は、関西電力だけでなく貴委員会にこそ向けられたものである。よって、貴委員会は新規制基準が多くの点において合理性がないことを指摘されたことを厳粛に受け止め、伊方原発3号機、および、すべての原発の基準適合性審査を中止するよう強く求める。

参考:
裁判所 判例集より
 伊方最高裁判決 1992年10月29日
 http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=54276