(抗議行動参加者からのリポート紹介)
(Nさん)
『フクシマを葬り去った鹿児島県議会 原発再稼働はいのちの問題だ』
11月5日に召集された鹿児島県臨時県議会は、6日、深夜0時過ぎに採択された特別委員会での再稼働陳情案件を本会議の場で賛成38、反対9、欠席1で採択した。
この採決を受けた知事は、即座に記者会見を行い、再稼働に同意をする考えを表明した。 記者会見での知事の見解は「同意」という言葉を避け、「100万年に1回の事故を想定すればよい。その時の放射能の放出量は5.6テラベクレル。炉心から5.5キロの所で毎時5マイクロシーベルト。「20」で避難だから家の中に居てもよい。福島事故のような事態にはならず、命を心配することにはならない。」周辺自治体の同意の問題については「原発の知識のないところが結論を出すのは懸命なことではない。姶良市は廃炉決議をしましたが、30キロ圏内に11人が住んでいるからといって廃炉にするのかね。原発の稼働の問題ではなく国の運営の問題だ。」などと言い放ち、世論調査でも明らかな住民の再稼働への不安を切って捨てたのである。
5日、県庁前で開始された抗議集会には再稼働同意拒否のメッセージを携えた多くの方が福島を始め県内外から駆けつけた。また、200人を超す県庁職員を動員、庁舎をロックアウトして開催された議会に対し、地元鹿児島の市民らは庁舎前にテントを立て、抗議の意思表示を示した。
本会議の冒頭、住民説明会においての避難問題切捨てなど、十分な説明の無い中での臨時議会の開催について説明を求める質疑が行われた。野次と怒号の中の議事運営は、形式上の手続きを踏みさえすればよいとする知事の意向を反映し、「県民は再稼働を求めている。」「国は責任を持って法に則り、事故対策をしてくれる。」などの何の根拠も無い、事実に反した答弁に終始する中で進められていった。
6日の特別委員会には31件の反対陳情、請願が上げられていたが、再稼働反対委員の懸命な追及にも拘らず、深夜遅く、たった1件の賛成陳情が採択され、これが再稼働への道を開く突破口として推進勢力の錦の御旗として掲げられていくことになったのである。
だがしかし、私たちの闘いは続く。7日、東京六本木の規制庁では1437件の「行政不服審査法」に基く審査書確定に対する異議申し立てが行われた。「川内原発差し止め仮処分請求」の判断が早期に出される可能性もある。12月15日、九電本社に対する申し入れ行動が呼びかけられ、1月末には鹿児島で全国集会の開催が検討されている。保安規定や工事認可の許可はいまだ審議中であり、国民全部の『いのちの問題』である再稼働を阻止する闘いはまだまだ続くのである。