以下は、2014年の記事です。新規制基準適合審査で申請を行った10原発のうち、川内原発が「優先的」に進められる理由となったのは、事業者の経営問題から。原子力規制委は、過酷事故の再発防止よりも、事業者の「値上げ」という脅しに屈したうえ、原発の安全性を見極めようという理念を持たない手段で「審査」をしました。

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Business Journal 2014.04.09
九電川内原発、なぜ再稼動一番手に?“談合破り”の裏に厳しい財務事情、全国で再値上げも
http://biz-journal.jp/2014/04/post_4576.html

2011年の東京電力福島第一原子力発電所事故を受け停止中だった原発の再稼動としては一番手に、九州電力川内(せんだい)原発(鹿児島県薩摩川内市)がなる。原子力規制委員会は川内原発1、2号機の審査を優先して進めることを決め、早ければ今夏中にも再稼動となる。

 昨年7月に施行された原発の安全性に関する新規制基準で、地震や津波対策が強化され、テロも含めた過酷事故への備えが義務付けられた。現在、8電力会社の10原発17基が安全審査を申請している。北海道電力泊原発(北海道)、関西電力の大飯原発(福井県)と高浜原発(同)、四国電力伊方原発(愛媛県)、九州電力玄海原発(佐賀県)の審査もほぼ同時期に始まったが、川内原発がその中から抜け出したのは“談合破り”を決断したからだ。

九電の“談合破り”

「ちょっと乱暴なところもあるが、エイヤっと大きくしました」。九電幹部は規制委の審査会合で、川内原発の地震想定を大幅に引き上げる方針を表明した。規制委の事務局である原子力規制庁の審査官は「御社の哲学、思想が見えて安心した」と評価。川内原発の優先審査入りが事実上決まった。

 昨年7月に施行された新規制基準は東電福島原発事故を踏まえ、科学的に考えられる最大規模の地震、津波対策を求めたが、想定を引き上げると追加の耐震工事が必要になるため、電力会社は引き上げを渋った。そこで電力各社は、電力中央研究所で想定の見直しを行い、その数値を規制委に報告することにした。これがいわゆる「地震想定談合」と呼ばれるものだ。( read more

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