火災も原発事故も、
大災害に遭うと人間は動けなくなる
フクシマを予言していた消防士(前篇)
2014.11.27(木) 烏賀陽 弘道
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/42302
2011年3月11日に福島第一原発事故の取材を始めて以来、私がずっと問い続けている疑問は「なぜ原発周辺の住民避難は失敗し、多数が被曝するという最悪の事態になったのか」である。本欄で報告してきたような、フクシマの地元市町村長や被災者住民、当時の政府関係者(首相官邸、経済産業省と原子力安全・保安院、原子力安全委員会など)への取材すべては、その問いへの答えが知りたいがゆえである。取材すればするほど、政府が準備していた住民避難のための法律や制度、組織といった備えは「何もないのに等しい」くらい甘いものだったことが分かってきた。すると今度は「そういった避難体制の不備を指摘して、政府に危険を警告した人はいなかったのだろうか」という次の疑問が湧いてきた。これまで、原発災害を警告していた人を・・・(つづき)