現代ビジネス 2014年05月16日(金)川口マーン惠美「シュトゥットガルト通信」
脱原発で追い詰められるドイツ政府と電力大手が「バッドバンク」設立の秘密計画!?

ドイツを駆け巡るシュピーゲル誌の特ダネ

5月12日発売のシュピーゲル誌で、特ダネがあった。見出しは『原子力のためのバッドバンク』。バッドバンクとは、金融機関が抱える不良資産を買い取り、管理・処分する機関である。金融機関から不良資産を切り離すことにより、損失拡大を食い止め、財務状況を改善し、金融システムを健全化することが目的だ。

では、シュピーゲル誌のすっぱ抜いた『原子力のためのバッドバンク』とは何かというと、E.on、RWE、EnBWの大手電力会社3社(ドイツには電力会社は4社あり、残りの1社は外国資本)とドイツ政府の間で、バッドバンクのような機関を設立しようとする秘密計画が進められているというのだ。この場合の不良資産とは、電力会社の原発部門である。

具体的には、「電力会社から原発部門を買い取って、脱原発の後始末をする機関(バッドバンク)を作る。これは、基本的に国営。電力会社は・・・(続きを読む)

絶望的な状況にある火力発電

国民にツケが回ってくることは避けられない

電力会社よりバッドバンクの方がマシ?

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著者: 川口マーン惠美
住んでみたドイツ 8勝2敗で日本の勝ち
(講談社プラスアルファ新書、税込み880円)

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