「新規制基準」施行3年(7月8日)にあわせて、全国の原発現地の人たちとともに、原子力規制委員
会に対し抗議行動を行いました。当日手渡しした抗議・申入書を掲載します。「命のネットワーク」(石川県)では、脱原発・志賀原発反対を訴えゲート前100mに建てた「団結小屋」から風船上げを実施予定7/9(土)、ピースリンク広島・呉・岩国(広島県)では、伊方町鳥津漁港近辺から海上デモを実施予定(7/11(月)天候により中止あり)とのこと。(事務局)
参考 全国各地のアクション
原子力規制委員会
委員長 田中 俊一 様
後志・原発とエネルギーを考える会
「新規制基準」施行3周年にあたっての要請
福島第一原発事故が2011年3月11日起こり、原発の近くに住む私たちは他人ごとではないことを実感しました。そして2013年7月8日に原子力発電所に関する「新規制基準」が施行されました。私たちは新しい基準が放射能から住民を守ってくれる、危険や恐怖を与えないための安全基準だと理解していました。
しかし、原子力規制委員会の審査を見てみますと、福島事故の検証をされているとは言えず、また収束していない現在についても論究していない状況となっています。
安倍首相が「世界一厳しい基準」「福島事故はアンダーコントロールしている」など規制委員会に直接関係することなのになんら対応していません。本当に「世界一厳しい基準」なのか、「福島事故はアンダーコントロール」されているのか。衆人は「否」といいます。
福島事故時、免震重要棟が事故に対応する重要な施設となっていたのも関わらず、電力会社が免震ではなく耐震の指揮所を建てることに対して、免震にさせる強い力もなく容認しています。事故時、避難するための指針は作るが自治体に丸投げで実効性があるかどうかも検証していません。
さらに、4月に熊本で大地震が起こっても住民の不安を無視するように川内原発を止めることをさせず再稼働を容認しました。また原則40年で原発の運転が終了する取り決めを高浜原発1.2号機の20年延長を認め60年稼働への道筋をつけました。
これらのことを考えると、原子力規制委員会は、結局は再稼働をするための行政機関と判断せざるを得ません。
貴職におかれましては、これらのことを熟慮していただき「原子力規制」の意味を再度かみしめ住民の安全を守る委員会として機能することを強く求めます。
2016年7月5日
原子力規制委員会
田中俊一 委員長殿
核燃料廃棄物搬入阻止実行委員会
大間原発反対現地集会実行委員会
抗議文
原子力規制委員会が「新規制基準」の審査を始めて3年目を迎えるが、原子力規制委員会における審査が事業者に甘く、原発再稼働を容認する結果を生んでいることに、全国一斉抗議行動~川内原発直ちに止めろ、伊方原発を動かすな~の一環として、貴職に対して断固抗議するものである。
申し入れ書
前提条件 6月29日の核燃施設(六ヶ所再処理工場)の審査会合における原子力規制委側の発言で、新規制基準の審査に際して、日本原燃の技術力が問われているとの発言があった。しかも、総合的な捉え方が出来ていないように、規制委側が日本原燃の審査を受ける姿勢に強い疑念を持っている旨の発言もあった。このままでは、とても審査の終了が見込めないし、内部では竣工を2年5ヶ月先送りする案も出ているとの報道もある。
以上の状況を踏まえれば、青森県内の原子力施設が、どれもこれも容易に審査が終了を迎えるとは思えない。これまでの審査の遅れが、いずれも規制委側にではなく、事業者側の不誠実な対応にあるとされているが、いっそのこと、事業者側が説明書類等の準備を完璧に策定するまでの間、原子力規制委員会が新規制基準の審査を中断するとの方針を迫るべきと思う。
そこで、貴職に以下を申し入れるので、新規制基準に基づき、厳しい審査を行う原子力規制委員会として、審査を受けるに値しない事業者に対して、審査の中断を申し入れよう求める。
以下に、公開質問を付すので、文書での回答をお願いする。
公開質問状
1.青森県内の原子力施設のどれもが、事業者側の不誠実な対応によって、新規制基準の審査が延び延びになっていると理解しているが、そのような事業者に原子力施設の運転を任せることに大きな不安を感じている。現状の書面上の審査が仮にクリアーしても、施工の完了が疑わしく、操業に至って以降の放射能放出事故の発生が疑われる。むしろ、審査の長期化は事業者の技術不足と捉えて、新規制基準の審査を長期間中断するべきではないか?
2.6月29日の審査会合において、日本原燃の担当者から「高レベル放射性廃棄物のガラス固化試験は、新規制基準をクリアーした後に行う」との発言があったが、つまりガラス固化施設の補修が完了していないことを意味している。一方で、ニューモが青森県外での説明会で、「ガラス固化施設の補修が完了した」と言っているそうである。このように、事実でないことを言って最終処分場探しをすることは許されない。
原子力規制委員会から、ニューモに対して、訂正を申し入れるべきではないか。
3.六ヶ所再処理工場の原子力防災範囲の見直しが行われているが、2018年上期から2020年以降に竣工が延期する可能性が報道されており、防災範囲の見直しが先送りされる可能性が疑われる。既に高レベル放射性廃液を約200立米を超えて貯蔵しており、防災範囲の見直しは早急に行う必要がある。火山噴火と大地震等の被害を受けてからでは、高レベル放射性廃液の蒸発乾固への対応は困難を極めるので、早期に結論するべきではないか?
4.日本原燃(株)の再処理事業とMOX 加工、TRU 廃棄物管理については、使用済燃料再処理機構が委託者となり、日本原燃が受託するということで、法律が制定された。原子力規制委員会は、現在は日本原燃(株)からの申請した書類をもとに新規性基準の審査をしているが、使用済燃料再処理機構が設立された後は、再処理事業の委託者である使用済燃料再処理機構の業務と、再処理事業の受託者である日本原燃の業務の、両方をチェックする権限を与えられているのか?
5.青森県内の原子力施設それぞれに原子力防災計画の策定が義務付けられているが、今後用意される六ヶ所再処理工場と大間フルMOX 原発、むつリサイクル燃料貯蔵施設も含めて、広域的な原子力防災計画を早期に策定する必要があるのではないか?
6.六ヶ所再処理工場の竣工が約2年5ヶ月先送りされるようだと報道されているが、2018年7月の日米原子力協定の改訂を控えて、2020年以降に再処理工場が竣工というのは、日本の原子力技術の低さが露呈するだけではないか。既に約48トンものプルトニウムを保有して、しかも使い道が示せないのであれば、日本が再処理する権限を持たないように働きかけるべきではないか?
以上
原子力規制委員会委員長 田中俊一様
サヨナラ原発福井ネットワーク
川内原発を止め、適合性審査をすべてやり直してください
まもなく「新規制基準」が施行されて3年になります。3年の月日が経っても、福島第一原発事故が収束せず、事故原因の究明がなされていない中で、安全を議論し続ける矛盾こそ、原子力規制委員会とは何かを物語っています。この3年間、貴職は同基準は「世界最高水準」であると豪語し、一方で「(審査に適合したからといって)安全とはいわない」と言い逃れしながら、原発の再稼働に向け審査を続けてきました。その結果、現在、鹿児島県の川内原発が稼働し、続いて福井県の高浜原発が稼働し(現在は大津地裁の仮処分決定を受けて停止中)、今月は愛媛県の伊方原発が稼働されようとしています。
福島第一原発事故から5年後の現在でも、原発立地及び周辺地域において、原発に対して不安を訴える声は止むことがありません。日弁連「原発事故・損害賠償マニュアル」の東京電力に対する損害賠償請求総論には、原発事故被害の特徴として、1)被害者の立場の非交替性 2)被害の回避困難性 3)被害の広範性4)加害行為の利潤性5)加害行為の継続性6)被害の予測不可能性が上げられています。
1)被害者の立場の非交替性とは、「原発事故は,交通事故の場合と異なり,電力会社によって一方的に引き起こされるものであり,被害者が加害者の立場に取って替わるという地位ないし立場の互換性がない」ということです。これが住民たちの不安の大きな要因であり、また、原子力を規制する立場の側にとっては、土台として共有すべき認識です。
ところが、貴職は規制ではなく再稼働を支援していると言わざるを得ません。貴委員会は、関西電力の大飯原発3,4号機の基準地震動の評価について、生データを検証せず、関西電力が評価した結果しか確認していなかったことが、大飯原発差し止め訴訟の控訴審で関西電力側から明らかにされました。
また、元原子力規制委員長代理だった島崎邦彦氏が、6月8日の大飯原発差し止め訴訟控訴審において、関西電力の基準地震動評価が過小評価の可能性があるとの意見陳述書を提出しました。貴職は、同陳述書を受けた島崎氏との面談後、入倉・三宅(2001)の式を他の式に入れ替えて計算をし直すよう、原子力規制庁に指示をされましたが、入れ替えたとしても問題は残ります。入倉・三宅(2001)の式に限らず、この点も含めあらゆる新知見に基づき、大飯原発の基準地震動を審査し直すべきであると、脱原発弁護団全国連絡会も貴委員会に要請しています。科学的かつ公正なデータをもとに、熊本地震で得られた地震に関する新しい知見などを取り入れ、検証できる形で議論するのが科学者でもある貴職の使命ではありませんか?
40年を超える高浜原発1、2号機についても、原子炉の脆性遷移温度にみられる脆さなど、老朽原発の危険性については公正に議論されたと認められません。そもそも、40年超の稼働は例外であったのに、どうして格納容器内の重要設備を実際に揺らす耐震性試験を先送りしたのですか。貴委員会が再稼働を進めることを第一の目的にしていることが、このことからもうかがえます。
以上をふまえ、以下の項目を要請します。
1、川内原発を停止すること
2、すべての原発の基準地震動評価を、新たな地震等の知見を取り入れやり直すこと
3、福島第一原発事故が収束し、事故原因が究明されるまで適合性審査を行わないこと
若狭の原発を考える会
原発推進に突っ走る原子力規制委員会を解体し、全原発の即時廃炉に全力を注げ!
原発が、万が一にも重大事故を起こしてはならない装置であることは、福島やチェルノブイリの事故が、計り知れない犠牲の上に教えています。原発事故の被害は深刻で、極めて広域に拡がり、世代を超えて長期におよびます。それでも、原子力規制委員会(規制委)は、7月8日で施行3年になる新規制基準で審査し、川内1、2号機、高浜3、4号機、伊方3号機のみならず例外中の例外であるべき40年越えの老朽原発・高浜1、2号機まで適合としました。
このうち、昨年8月再稼働の川内1号機は、再稼働10日後に早速、復水器冷却細管破損を起こし、高浜4号機は、再稼働準備中の2月20日,1次冷却系で水漏れを起こしました。また、2月29日には、発電機と送電設備を接続した途端に警報が吹鳴し、原子炉が緊急停止しました。
原発再稼働は、電力会社にとって命運をかけた作業であった筈です。それでも、三度も起こったトラブルは、原発の安全維持の困難さを示唆し、配管の腐食や減肉などの老化が進んでいることを示すとともに、原発再稼働にお墨付きを与えた新規制基準が極めていい加減な基準であり、規制委の審査が無責任極まりないことを物語っています。一方、傲慢で、安全軽視に慣れ切り、緊張感に欠けた九電や関電が、原発運転の資質を有していないことを実証しています。
ところが、規制委は反省もなく、老朽原発・高浜原発1,2号機の運転延長を認め、「40年原則」を骨抜きにし、全国の老朽原発の運転延長に道を開こうとしています。その審査も、通常なら審査段階で行う耐震安全性の詳細評価を審査後で可とし、実証試験を使用前検査時に先延ばし、パブリックコメントで広く意見を求めることもしないという手抜きです、また、簡単に点検や補修できる箇所は審査しても、点検困難な冷却細管や交換不可能な圧力容器などは、十分審査しているとは言えません。さらに、異例の短期間・少数会合で審査で終えています。これらの老朽原発の認可取得期限が7月7日に設定されていたために、規制委が審査を早めたのです。「2030年の電源構成で、原発比率を20~22%とする」という、安倍政権のエネルギー政策に迎合するためです。原発新設は望めないから、安全は蔑にしても、老朽原発を活用して目標を達成しようとしているとしか考えられません。
なお、再稼働審査にあたった田中規制委員長は、「お金さえかければ、技術的な点は克服できる」と述べています。未解明の課題が山積する現代科学技術の水準を理解できず、人間としての謙虚さに欠けた、思い上がった発言です。また、運転延長認可の発表にあたって、「あくまで科学的に安全上問題ないかを判断するのが我々の使命だ」と述べています。しかし、科学とは、実際に起こった事実を冷静に受け入れ、丁寧に調査し、検証・考察して、その上に多くの議論を重ねて、結論を導くものです。規制委の審査は、この過程を無視しており、科学とは縁遠いものです。「科学」を標榜するのなら、福島事故の原因を徹底的に解明して、その結果を参照して、原発の安全性を議論・考察するのが当然です。大津地裁での運転差止め仮処分決定でもそのことを指摘していますが、規制委はこの指摘を無視しています。
そもそも、原子力は、総合科学であり、物理、化学、生物、地学、それらを基盤とする工学、医学だけでなく、社会科学も関連します。したがって、「原子力ムラ」などの限られた領域から選ばれた規制委では、原発の是非を総合的に判断できる筈がありません。規制委が中立を標榜するなら、「原子力ムラ」中心の人選ではなく、国内外を問わず、広分野に人材を求めるべきです。しかし、広く人材を求めれば、「原子力ムラ」が浸食されるから、政府はそうしないのです。
福島事故以後の経験は、原発は無くても電気は足りることを証明しました。一方、近年、LEDや新型家電など、電力消費の少ない器具が発展し、発電法、蓄電法も高効率になっています。天然ガスなどの新燃料は次々に発見され、再生可能エネルギーが急速に普及しています。また、50年後には、世界の人口が減少に転じ、エネルギー需要も減少すると予測されます。したがって、原発は遅かれ早かれ厄介ものになります。それなら、原発を出来るだけ早くやめるべきです。事故が起こってからでは遅すぎます。事故の確率の高い老朽原発再稼働など論外です。
総じて、現代科学技術の水準は、原子力の制御、利用には程遠く、原発は人類の手におえる装置でないことは明白です。安全は犠牲にしても経済的利益を優先する規制委が、国民騙しの新基準を適用して再稼働を認めれば、原発が、再度の重大事故を招く可能性は大です。
したがって、原発推進の規制委は即時解体し、福島事故の収束、汚染水対策、除染および全原発の即時廃炉の実施に総力を挙げるべきです。
原発さよなら四国ネットワーク
要請文
福島の悲惨な事故から早や5年余りが過ぎましたが、事故の収束はおろか原因究明もきちんとなされていません。にも拘わらず昨年夏には川内原発1、2号機が、今年春には高浜原発3、4号機が再稼働されました。さらには、今月末には私達の地元にある伊方原発3号機が再稼働されようとしています。
これは、どう考えても許されざる暴挙としか言いようがありません。なぜなら、かつて田中委員長は「安全であるとは申し上げられない」と言われました。
原発は万が一にも事故を起こしてはならない施設です。その被害は何万年にも亘り、その土地を、そこに生き物が住めなくします。従って、もし既存の原発を再稼働させなければならない理由があったとしても、簡単に動かしてはならないはずです。そのためには、まず福島の事故の原因究明と収束をきちんと行い、国民に十分な説明と理解を得なければならないと思います。
現在の世論は、原発再稼働反対が過半数を超え、再稼働不安の声は再稼働賛成の立場の人からも聞こえます。先の大飯、高浜の裁判における判決が示すように、新規制基準は甘きに過ぎ、規制委員会は再稼働推進委員会と言わざるを得ません。
今月末に再稼働されようとしている伊方原発に対する愛媛県民の意見は反対が約7割、再稼働に不安の声は約9割に及んでいます。にも拘らず、愛媛県知事も伊方町長も伊方原発再稼働に賛成し、四国電力は愛媛県民の圧倒的多数の反対世論に対し、十分な説明を行っていません。昨年夏に行われた説明会は、選ばれた人のみに対する説明会であり、住民説明会ではありません。愛媛県の避難計画も、現場を知らない官僚の手による机上の空論に過ぎません。
このような状況で伊方原発3号機の再稼働を許すことは、伊方原発のある佐田岬半島の住民約5千人の生存権を奪い去ることであり、さらには愛媛県民及び西日本の住民の生存権をも脅かす暴挙としか言わざるを得ません。
近い将来必ず起きるであろう南海トラフ巨大地震、熊本地震の拡大から中央構造線まで連動する巨大地震に対する住民の不安に、原発の過酷事故の恐怖まで与えないよう、貴委員会におかれては原子力規制委員会の本来の使命に従い、まずは福島の事故の原因究明と収束に全力を注ぐように要請します。
また、四国電力に対し、きちんとした住民説明会と同意を取りつけるまで伊方原発3号機の再稼働を許可をしないよう指導されるよう要請します。さらには、川内原発の稼働を直ちに停止するよう指導されますと共に、高浜1、2号機の稼働延長申請の合格を撤回されるよう要請します。
原子力規制委員会
委員長 田中俊一 様
反原発・かごしまネット
申し入れ:熊本地震を踏まえ、川内原発を即刻停止させよ
原子力規制委員会は、2013年7月8日に新規制基準を施行し、同日、九州電力は、川内1、2号機の新規制基準への適合性を確認する審査を受けるため、原子力規制委員会へ原子炉設置変更許可(基本設計)ほかを一括して申請した。
2014年9月10日、委員会は原子炉設置変更許可をし、九州電力は2015年8月11日川内1号機、10月15日川内2号機を再稼働した。だが、活断層を含む地震問題、基準地震動の問題、火山問題、さらには実効性のない避難計画など、多くの問題がないがしろにされたままであることは、衆人の認めることである。いまもなお、各種の世論調査で、鹿児島県民の過半数が川内原発の再稼働には反対の意思を表明している。
さらにまた、極めて憂慮すべき事態が発生した。2016年4月14日21時26分に発生したM6.5、最大震度7の激震を観測した熊本地震は、その28時間後の4月16日1時25分頃には、マグニチュード7.3、最大震度7の地震を発生させた。4月19日と6月12日には、八代市を震源とする震度5強、5弱の地震も起こした。
熊本地震は、昨年11月14日にマグニチュード7.1を記録した薩摩半島西方沖地震に端を発したと見る専門家がいる。この5月6日から6月4日までの間に薩摩半島西方沖ではマグニチュード4以上の地震が15回連続して起きている。
川内原発は、薩摩半島西方沖と日奈久断層の間に存在している。両方の断層帯のひずみが解放され、逆にその中間にある川内原発周辺のひずみが大きくなり、大地震が引き起こされる可能性を指摘するものである。
さらに昨年9月、日本地質学会長野大会において田中均熊本大学教授は、「九州山地西縁の日奈久断層の再検討」として、臼杵―八代構造線(中央構造線)の延長と考えられる日奈久断層が、地質調査の結果、さらに薩摩川内市沖合に伸びていることを示している。
このまま、漫然と川内原発を稼働し続けることは許されない。
新規制基準施行3年を迎えるこの日、あらためて以下を、申し入れる。
川内原発を即刻停止させよ。
【抗議声明】
川内原発を止めろ!伊方原発を動かすな!
原子力規制委員会は解散せよ!
福島原発事故緊急会議
活断層の固まりである中央構造線の最西端部・熊本で、2016年4月14日に始まった大地震は、九州全体を揺るがし続けている。
空前の「余震」が、別府・島原地溝帯沿いにいつ終わるともなく頻発しているのだ。貴方がたは、自分たちが再稼働させてしまった日本で今唯一動いている「九州電力川内原発(1・2号機)」を止めるという、あたりまえの行動もせず、その中央構造線がとどいている「四国電力伊方原発」(3号機)を再稼働させようとしている(6月24日に核燃料装填)。
あげくに、運転開始から40年以上が経過している、危険きわまりない老朽原発「関西電力高浜原発」(1・2号機)の20年間の運転延長を認可した。終息の見通しなどたたない福島原発(放射能垂れ流し)事故の上に、空前の熊本(九州)地震が持続している、この状況下で、である。貴方たちには「科学者」あるいは「官僚」としての<良心>が、いや人間としての<良心>がないのか。
2013年の12月(3日)の『朝日新聞』は、2011年3月の東京電力福島第一原発事故直後に、経産省で「原子力の輸出を含む再生」へ向けた内部文書がつくられていたという驚くべき事実を公表していた。その原発再生計画の中心項目の一つに「原子力規制委員会の形成」があることも、そこにはハッキリと示されている。
貴方がたの組織は、はじめから「規制(監視)組織」のベールの下の、原子力推進機構としてつくられたのである。もう、これ以上人々を騙すことを仕事にすること、多くの人命をもてあそぶことはやめなさい。すべての原発推進政策から手をひき、組織を解散しなさい。ここまでくれば、貴方たちは、人間として、その道しか残されていないはずです。
2016年7月8日
―――「再稼働阻止全国ネットワーク」呼びかけの「新規性基準」
施行3 年、川内原発直ちにとめろ、伊方原発を動かすな、
原子力規制委員会全国一斉抗議行動の日に。
原子力規制委員会 委員長 田中俊一様
委員 更田豊志様、田中知様、石渡明様、伴信彦様
原子力規制庁 長官 清水康弘様、次長 荻野徹様、総ての規制庁職員様
反原発自治体議員・市民連盟
抗議・申し入れ書
川内原発1,2号機を停止し、伊方3号機審査合格を取り消ことを要請します
原子力規制委員会は、発足後、東京電力福島第一原発の事故の原因究明や収束作業なおざりにしたまま「新規制基準」を作りました。いくつもの「事故調査報告書」が出されたものの、メルトダウンを起こした原子炉の状況や、大爆発を起こした原子炉の検証もできず、事故原因は未だ解明されていません。原発が稼働していない状況でも、電気は不足せず、経済活動も家庭生活にも支障ありませんでした。この状況下で、原発を再稼働させるのは無謀であるとの専門家からの指摘を無視して、原発の再稼働を認めました。
原子力規制委員会は、規制どころか、原子力推進委員会に成り下がっています。
第1に、新規制基準の緩さです。安倍首相は新基準を「世界一厳しい規制基準」といいますが、実は最も「緩い基準」です。そもそも日本列島はプレート境界にあり、大地震に度々襲われるのは誰も否定できない事実です。アメリカでは99機の原発が、地震のない東側に集中し、59機の原発を持つフランスにも地震はほとんどありません。イギリスやドイツにも地震はありません。それらの国々と比べて基準地震動が高いのは当然であり、「新基準」での基準地震動は小さすぎると多くの地震学者が指摘しています。熊本・九州大地震の後に「新基準」を作成した島崎前原子力規制委員会委員長代理さえも「基準地震動」の見直しを求めているほどです。
第2に、九州電力は昨年8月、川内原発の再稼働にあたり、「3月までに免震重要棟を建設する」という約束をしたにも関わらず、未だ着工もせずに耐震棟に設計を変更しました。規制委員会は、熊本・九州大地震に際し、安全対策がないまま川内原発の稼働継続を認めています。
第3に、中央構造線から5キロに位置し、南海トラフ地震の危険性が指摘されている伊方原発3号機のブルサーマルでの稼働を7月26日実施することを認めています。
第4に、40年経過した高浜1・2号機の老朽原発の20延長を、条件をクリアしていないのに期限ぎりぎりに認可するなど、原発推進のために安全性は二の次とされています。
私たち「反原発自治体議員・市民連盟」は、今年で4回目となる「福島を忘れない!シンポジウム&現地見学会」を実施します。福島の厳しい現状を原発被害自治体の議員・市民から直接見聞きし、事故後の悲惨な実態と失われたものの重さに言葉も出ません。
以上の理由から、規制委員会に次のことを要求します。
一、川内原発1号機、2号機を止め、伊方3号機の再稼働認可を取り消すこと。
二、福島第一原発事故の原因を究明し、住民の安全を確保できる規制基準に作り替えること。
原子力規制委員会委員長 田中俊一殿
申し入れ書
経産省前テントひろば
原子力規制委員会が発足して丸3年となります。その間、規制委員会議事録(資料)あるいは、原子力発電所の新規制基準適合性に係る審査会合議事録(資料)など、かなりたくさんの会議や資料の情報が排出されています。
規制委員会設置以来、規制委員会地震が事の公開制・透明性を維持するためにそれなりの努力をされてきたことについては、一定の経緯を払いたいと思います。
しかし、非常に不十分です。なおかつ、最近にいたってさらに「古いデータ」等については規制庁のHPでは「公開」を削減するかにょうな動きもみられますので、この点を含めて以下申し入れるものです。
1.各規制委員会の議事録等の公開について、余りにも「非公開」の場合が多すぎます。我が国の安全保障上の問題から、「非公開」となっているかと思いますが、その程度が「安全保障問題」にシフトされすぎてはいませんか。逆に、原子力の安全 般については、安全を担保する方向では無く、「経済」や「再稼働」の側にシフトされすぎているのではありませんか。
2.規制委員会それ自体は公開されていても、資料の肝心な部分についての非公開が多すぎるのではありませんか。規制委員会に寄る「発電所の新規制基準適合性に係る審査」の結果についても、伏せ字が多すぎて、第三者が肝心なところで理解不能となります。大幅な改善を求めたいところです。
3.HPでの古いデータの公開削減問題は、「ありとあらゆるところからデータを消してしまう」というようなことではないようですが、「国会図書館から探して」というのは、余りにも迂遠に過ぎます。「親切さ」も必要なのです。
決して隠してはいない、公開はしている、というだけでは全く不十分なのです。ご一考頂きたい。
原子力規制委員長殿、原子力規制庁長官殿
【要請文】福島3号核爆発に関する原子力規制の是正
藤原節男
2011年3月14日午前11時01分の福島3号爆発は、チェルノブイリ爆発と同じ核爆発です。設計ミスによる原子炉格納容器外の核爆弾、使用済燃料プールでの核爆弾です。原発が原爆になった。広島、長崎に次ぐ原子爆弾です。福島3号核爆発は、真実の究明が遅れています。福島3号核爆発が、放射能飛散の最大原因であり、「想定外」ではなく「原発設計ミス」による過酷事故の決定的証拠です。それを東京電力、原子力規制委員会、原子力規制庁などが、グルになって、隠ぺいしています。福島3号核爆発は、全世界の軽水炉に共通問題ですから、米国原子力規制委員会(NRC)もグルになって、隠ぺいしたままです。福島3号核爆発の証拠は次のとおりです。福島3号核爆発に関する原子力規制の是正をお願いします。
【福島3号核爆発の証拠】
「福島3号核爆発の論拠集および証拠集(word 版)」は、次のURLです ⇒ https://goo.gl/3pfXBF
その映像証拠は、以下のURLをご覧ください。
(1)【映像証拠】仏独共同の国営放送局ARTE 「フクシマ-最悪事故の陰に潜む真実」Part3/4⇒ http://www.dailymotion.com/video/x41nwqg
(2)【映像証拠】福島3号核爆発の新証拠、セシウムホットボール⇒ http://goo.gl/SHIrpw
空中水蒸気が温度低下で凝縮し、表面張力で真球の水滴となり、虹ができると同様、核燃料が核爆発でガス化、プラズマ化して、爆発後は、断熱膨張で内部温度が下がり凝縮し、表面張力で真球のセシウムホットボールができたと考えるのが自然です。
(3)【映像証拠】福島3号核爆発の証拠集⇒ http://goo.gl/MlHXL1
原子力規制委員会規制基準では「使用済燃料プールは、臨界(遅発臨界および即発臨界)にならないように設計すること」を規定しています。使用済燃料プールとおなじ設計手法を使用している沸騰水型原子炉も、核爆発の可能性があり、規制基準適合性審査をやり直す必要があります。
原子炉メーカ(東芝、日立、三菱)の原子炉核設計陣は、使用済燃料プールのラック稠密化(使用済燃料大量保管)、原子炉出力向上(遅発中性子による臨界設計)については、知識が豊富です。しかし、核爆発防止(即発臨界防止) については、知識不足です。
つまり、原子炉メーカの原子炉核設計陣は、核爆弾の核設計については、無知なのです。なぜなら、核爆弾の核設計( 即発中性子による核分裂断面積、中性子吸収断面積など)を知っているのは、核保有国核爆弾設計陣だけだからです。核実験データの蓄積により、核爆弾技術が高度になりました。核爆弾技術は、核保有各国の軍事機密であり、秘密保護法で隠ぺいされています。したがって、福島3号核爆発とは、核爆弾の核設計を知らない原子炉核設計陣が、使用済燃料プールの設計ミスをして、たまたま、低濃縮ウラン、低富加度プルトニウムで、原爆と同じ核爆発が生じることを実証したものです。また、仁科芳雄博士による「日本の原子爆弾開発」の実証にもなりました。参照ウィキペディア⇒ https://goo.gl/0vb9hY
原子力村利権構造の虜(とりこ)となった原子力規制委員会は、福島3号核爆発を隠ぺいしたまま、つまり、福島3号核爆発に関する原因究明、再発防止策、規制基準適合性審査のやり直しをしないまま、川内原子力発電所、高浜原子力発電所などの規制基準適合を発表している。福島3号核爆発を認めることは、規制基準不適合を認めることになり、沸騰水型原子力発電所廃炉への道を歩むことにつながる。また、加圧水型原子力発電所も規制基準適合性審査をやり直すことになる。それで、原子力規制委員会は、福島3号核爆発を隠ぺいしたままです。これは、全世界の軽水炉に共通の問題ですから、米国原子力規制委員会(NRC)も、福島3号核爆発を隠ぺいしたままです。
原子力規制委員会 委員長 田中俊一様
委員 更田豊志様、田中知様、石渡明様、伴信彦様
原子力規制庁 長官 清水康弘様、次長 荻野徹様、総ての規制庁職員様
抗議・申入書
原子力規制委員会の「新規制基準」による再稼働推進を糾弾する
再稼働阻止全国ネットワーク
「原子力ムラ」出ていけと非難され民主党政権による国会同意も得られずに難産で発足した原子力規制委員会は、この3年10ヶ月の間、福島第一原発事故の検証も収束作業も廃炉工程も被害者救済もなおざりにしたまま、「緩やかに過ぎ合理性を欠く」(福井地裁)「新規制基準」を作り、「違法」「黒枠白抜き偽装」「耐震偽装」の甘い甘い適合性審査で、川内原発・高浜原発・伊方原発を合格として再稼働を推進している。
特に「新規制基準」は、イチエフ事故検証もせず、津波対策の為に「電源車とポンプとドリル」を買えばいいと揶揄されるほどで、正に日本国内50基近くの既存原発を稼働させるための甘い甘い基準である。例えば、耐震対策はあまりに緩く、基準地震動が小さすぎることを多くの地震学者が指摘してきたばかりか、何と基準作成をした島崎前委員長代理でさえ熊本大地震を受けて基準地震動の見直しを進言しているほどだ。他にも、複数基立地・同時稼働を容認し、ストレステストやコアキャッチャーや受動的安全装置や放射能汚染水対策等を義務付けていない。また、立地指針を無視し、避難計画(IAEA深層防護第5層)をなおざりにしている。
規制委は、審査合格した高浜原発3・4号機の稼働を司法が差し止めたにも拘らず規制行政を見直すこともしなかった。また、4月に熊本大地震が起こり中央構造線に火がついたにも拘らず、今年3月に建設されているべき免震重要棟が着工もされずに設計見直しされている川内原発を止めようともせず稼働を容認している。さらに中央構造線と南海トラフの地震がいつ起こってもおかしくない中で伊方原発3号機の6月中の燃料装填を認め、7月の再稼働を許そうとしている。そればかりか、6月20日には高浜1・2号機の20年延長を認可して「例外中の例外」のはずの老朽原発の60年稼動への道筋をつけた。
一方、東電福島原発事故後5年以上経過して、原発が安全でないことも原発が安くないことも原発が無くても電気が足りていることも原発がゼロエミッション(クリーン)で無いことも使用済み核燃料(「トイレ無きマンション」)問題未解決であることも発電に被曝労働を伴うことも、「国民」には明らかになった。それ故、多くが原発を動かすべきでないと考えている。
にも拘らず、原子力規制委員会が次々と原発の再稼働を認め続けるのはなぜだろうか?私たちは、原子力発電を推進する「原子力マフィア」の人たちが中心になって規制行政をしているからだと考える。それゆえ、原子力規制委員会は「科学的・技術的」でなく「政治的」発言と行政を繰り返し、田中委員長が好きな「安全文化」の欠如を規制委自体が如実に露わにしているのだ。
以下に、抗議・要請する。
1 川内1、2号機を止め、伊方3号機の審査合格を取り消しなさい
2 全ての原発の審査を中止し、「新規制基準」を作り直しなさい
3 さもなくば、原子力規制委員会は解散しなさい
以上