2024年10月から始まった「柏崎刈羽原発再稼働の是非を問う県民投票条例」の制定を求める直接請求署名はその成果をあげ、新潟県議会において審議会が開かれ請求代表者が意見陳述に立ちましたが、条例は否決されました。
詳細→ 柏崎刈羽原発再稼働の是非を県民投票で決める会
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この否決に対し、再稼働阻止全国ネットワークによる抗議声明を掲載します。
柏崎刈羽原発の再稼働の是非を問う県民投票条例否決に対する抗議声明
新潟県議会は、4月18日の臨時会本会議で、柏崎刈羽原発の再稼働の是非を問う県民投票条例案について、自民党会派などの反対多数で否決しました。県内有権者の12人に1人、14万3196人の有効署名(必要署名数の4倍)で請求された県民の願いは踏みにじられました。
自民党の反対意見では、花角英世県知事が「賛成、反対の二者択一では、県民の多様な意見を把握できない」と述べた反対意見をオウム返しにして、「東電福島第一原発事故の記憶が深く刻まれ、SNS等で科学的根拠や専門的知見に基づかない情報が錯綜し、冷静で合理的な判断ができなくなる可能性が高い」と主張しました。
なりよりも、県民の中に刻まれている福島第一原発事故の記憶を消し去ろうとしたことは許せません。原発事故で故郷を奪われ、今も2万人以上が帰れない福島の現実は、原発事故を二度と繰り返してはならないことを教えています。この教訓から、柏崎刈羽原発の再稼働に慎重な姿勢を取ろうとする県民に対し、「科学的根拠や専門的知見に基づかない情報」で「冷静で合理的な判断ができなくなる」などと批判することには何の合理的根拠はなく、断じて認めがたいことです。
花角知事は、再稼働に関して「県民に信を問う」と繰り返し述べてきたことを反故にし、議会はその機会を奪いました。花角県知事と県議会に対して、強く抗議します。
東京電力は、福島第一原発事故の責任を取らず、その後も不祥事を繰り返し、原発を動かす資格がないことは、一時、規制委員会から稼働を禁止されたことからも明らかです。規制委員会が政府の意向に従い、禁止を解除したとしても、東電の体質は何ら変わるものではありません。政府や東電は6月下旬にも開会する県議会定例会で、知事と県議会が再稼働を容認し、この夏にも柏崎刈羽原発を動かすことを狙っています。
しかし、知事が約束している県民の意向を探るための方策は未だ何一つとられておらず、避難計画には実効性がないままで、再稼働の条件は全く整っていないのが現実です。県議会は、この状況で、再稼働の是非を判断することはできないはずです。県内では再稼働に否定的な声が強いことは立場を超えて議員各位が承知していることです。県民の意向に従い、再稼働を強行することがないよう強く求めます。
2025年4月19日
再稼働阻止全国ネットワーク