(「命のネットワーク」から活動報告)
11月14日、10月末の選挙で新市長が誕生したことから、命のネットワークだけでなく、七尾鹿島平和運動センター・七尾鹿島勤労協連合会・社民党七鹿総支部の4団体で申入れ。奥井総務部長が対応しましたが、再稼動ストップなどについては明言を避け、第3項目の「原発稼動への事前同意権をふくむ安全協定の実現」についてのみ、「前市長からの課題であり実現に向け重点的に取り組む」と回答。命のネットからはタナカ代表と七尾市内の会員5名が参加しました。
参考 11/15付け北陸中日新聞
七尾市長 不嶋 豊和 様
七鹿地区平和運動センター議長 森 憲一
社民党七尾鹿島総支部長 松田 清良
七尾鹿島勤労者協議会会長 中道 雄太郎
命のネットワーク代表 多名賀 哲也
申し入れ書
原子力規制委員会は10月24日、、全国16の原発で福島第一と同様の事故があった場合の、放射能の拡散予測を公表しました。フクシマの被害が30キロ圏を大きくこえて広がっている現実を無視し、避難の判断基準もIAEAの「積算被ばく量が1週間で100ミリシーベルト」という考えに立って周辺住民の大量被ばくを前提にしているなど、きわめて不当なものです。
しかし、この不当きわまる予測でも20~30キロ圏の地域が僅か1週間で一般人の年間被ばく限度量の100倍に達するという凄まじいものです。原発の再稼動はもう許されないことがはっきりしました。今こそ、志賀原発の廃炉を真剣に論議すべきときです。
そもそも、政府が決めた30キロ圏では135市町村約500万人が対象となり、放射線監視やヨウ素剤準備を要する50キロ圏の人口は1000万人を越えています。正気の沙汰とは思えません。防災計画の内容の是非や具体化という次元を超えてしまっています。地震列島で何が何でも現存する原発を動かし続けようという考えがこの異常事態を生み出しています。対象自治体に年内中に防災計画を作れ、と指示していますが、茨城県などからは「本当に避難体制を確保できるのか」という当然かつ率直な疑問や批判がでています。
さらに志賀原発では、「立地不適格=活断層の上に立つ原発」の問題がいよいよ明らかになってきました。国の安全審査自体に重大な欠陥があったことが問われています。「安全上問題はない。廃炉の可能性は全くない」と言う北電に調査をやらせてどうなるのでしょう。結論は自明ですが、さらに「証拠となるS-1断層のスケッチ部分」は建設時に削られて無くなっています。
2007年7月の中越沖地震では、日本の原発史上初めて直下型地震が柏崎刈羽原発を襲い、あわや原発震災寸前の事態になりました。30年前の柏崎刈羽1号機の安全審査が改めて問題となりましたが、国は「議事録を保管せず」と、ずさんな安全審査の経過を隠しました。(新潟日報08.1.1~1.6連続特集を参照)
3.11フクシマでも、10の対策本部が「議事録を取っていなかった」とし、福島原発事故の検証作業を妨げています。そして志賀原発1号機の安全審査でも「安全委、議事録残らず」(8.2北陸中日参照)です。選手と審判が一体になっていただけでなく、審判が平然と不正行為を重ねているのです。こうした国の審査の経過と責任を明らかにすることが先決です。
断層の問題だけではありません。北電は99年6月に臨界事故を起こしながら、8年間も隠してきました。当時明らかになっていれば2号機の立地は不可能でしたし、本来なら設置許可取り消しが当然の事態です。しかし、国と北電は原発所長だけに責任を押し付けて乗り切りました。その後も北電は臨界事故の原因となる制御棒の誤作動事故を3度も重ねています。
このような国と電力会社に周辺住民の安全と郷土の未来をゆだねることはできません。昨年秋以来、七尾市長・中能登町長・羽咋市長は北陸電力に対し、原発の稼動に対する事前同意権を含む安全協定の締結を申入れてきました。2市1町9万9千人の命と安全がかかった一歩もゆずれない要求です。私どもも是非とも実現させねばならないと願っています。
しかし、2月17日の交渉では、北電側は「事前同意権を外してなら」と回答し、周辺自治体の声に耳を傾けようとしない状態が続いています。事態を進展させるためには、2市1町のとりくみをもっと住民全体に広げると共に、2市1町だけにとどまらず、原発事故を心配する石川・富山両県の多くの自治体との連携、共同が必要だと考えます。
そこで、以下のとおり申入れます。貴職の誠意ある回答ととりくみをお願い申し上げます。
記
1.志賀原発の再稼動を認めず、廃炉を求める方針を明確にされること。
2.志賀原発の活断層問題については、国に対し、以下の2点を強く要求されること。
①志賀原発1・2号機の安全審査の経過について、速やかに検証作業を実施・公表すること。
②活断層の評価については安全を最優先する観点に立って判断すること。
3.事前同意権を含む安全協定の実現をはかるため、2市1町のとりくみをさらに強めると共に、石川・富山両県内の自治体との連携・共同行動をすすめられること。
以上