Author Archives: Wykanri

★☆★☆★☆★☆ あおぞらUST放送
<テントひろばから~/Tent Color>
日本で海外で脱原発 ★☆★☆★☆★☆

2013年 5月 3日(金曜日)16時~

あおぞら放送「テントひろばから~」第32回(2013/5/3)5/3のアーカイブ
http://www.ustream.tv/recorded/32285729

視聴アドレス http://www.ustream.tv/channel/tentcolor
(実況放映後のものは全てアーカイブでご覧になれます。)

  1. 「反原発でいこう」(15分)
    横須賀市に停泊している原子力空母ジョージ・ワシントン。福島原発災害の前も後も問題になっています。地元横須賀で反原発自治体議員として活動する山城保男さんにお話をうかがいます。
  2. 「国内外の原発事情」(15分)
    東京都内で、「放射能から避難したママネット」として活躍されている増子理香さんに、現在の放射能事情やママたちの不安についてお話していただきます。
  3. 「福島から世界へ」(20分)
    子どもたちを放射能から守る福島ネットワークの佐藤幸子さんに、脱原発テントが裁判で訴えられたことで、今後どんな活動を考えているかお聞きします。
  4. 「テントひろば 通りすがり」(5分)
    テントに立ち寄った人たちに一言インタビュー。

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 現在、原子力規制委員会が新規制基準についてのパブコメを実施中です。政府は新基準を7月18日に施行して原発をつぎつぎに再稼働させようとしています。これに対して全国からNO(ノー)を訴えることが非常に大事だと思います。
 再稼働阻止全国ネット事務局で作成した「新基準パブコメの勧め」を参考に、みなさんもぜひ連休中にパブコメを書いてみませんか?

 難しいこと、専門的なことでなくて構いません。福島の事故をふまえて私たちが疑問に思う点を意見に盛り込んだり、事業者(原子力推進派)にばかり配慮する「原子力規制」の在り方そのものを批判する意見でも構いません。
 原発事故による放射能汚染をもう二度と繰り返さないために、みんなでパブコメを出そう!


パブコメで規制委を糾弾しよう
新規制基準にNO(ノー)! 5 月 10 日(金)締切り

原子力規制委員会設置法の一部の施行に伴う関係規則の整備等に関する規則(案)等に対する意見募集

●e-Govの意見提出フォームを使用する(WEB専用フォーム)
 e-Gov意見提出フォーム(案件番号198251601) (意見の入力は2000文字以内)

●郵送、FAXで意見を提出する
 意見提出の書式
 送付先 〒106-8450 東京都港区六本木1-9-9 六本木ファーストビル 原子力規制庁 技術基盤課 パブコメ担当宛て
 FAX:03-5114-2178

 福島原発事故原因の検証も、廃炉への道筋も、放射能被害の実態も将来予想も、被災者の救済も補償も、自主避難への補償も、作業労働者の安全確保も、全く不十分な中で、原発を再稼働がされようとしています。
 これを止めるためには、規制委がしっかりとした議論もなく作成した「発電用軽水型原子炉施設に係る新安全基準」にNO(ノー)を訴えることが必要です。

 なお、自分の意見に関連する文書はどれか、その中のどの章について意見するかを書き添えてください。以下、【 】で示した部分が意見の対象箇所です。

  1. 原発を動かさずフクイチの収束作業に専念するべきである【全般】
    ◆福島原発事故は収束も検証も廃炉化も目処がたっていない。
    フクイチはまだ収束せず、「トイレ無きマンション」でネズミ停電と水漏れを頻発し、今や放射能汚染の実態も海洋汚染の見込みも被災の実態も廃炉への道筋も明らかでない。

    ◆福島原発事故を経験した私たちは原発を動かすべきでない。

    ◆核のゴミの処理方法が決まっていないのにゴミを増やせない。

    ◆地球中で放射能汚染が進みがんなどの疾患が増加している。

  2. 新基準は福島原発事故の教訓を生かしていない【全般】
    ◆4つの事故調査委員会の報告を生かしていない。有識者ヒアリングはパブコメ公開後で骨子案に組み込まれていない。

    ◆国会事故調の調査を東電が隠蔽した(1号機の建屋内が「真っ暗だ」と虚偽説明)例えば、地震の揺れが非常用復水器を壊したのか否かの究明ができていない。

    ◆多くの専門家の意見を取り入れていない。
    例えば、ストレステスト意見聴取会委員の意見を聞いていない。

    ◆「国民的議論」を経ていない。
    被災者や原発立地周辺の人々を含め多くの人々は規制基準案のパブコメを知らない。もっと時間をかけてもっと多くの広報活動を経て実施するべきである。

  3. 新基準作成の時間が足りない【全般】
    ◆少なくとも3年から5年かかる(更田委員 談)作業を10カ月でやろうと無理をしている。世界に誇れる基準を創ると言うならば、もっと時間をかけて多くの専門家の意見や「国民的議論」を経てから、基準とするべきである。
     先の骨子案に対するパブコメでも不採用の意見については規制委員会で何ら議論されていない。これらの意見こそ、時間をかけて公開の場で議論するべきである。

  4. 利益相反委員の解任【全般】
    各検討チームには利益相反の疑念がある委員がいる。解任して各案を再検討すべきである。

  5. 立地指針について【全般】
    立地審査指針は、原子炉の立地条件として、「大事故誘因となる事象が過去にも将来にもあると考えられないこと。また被害が拡大するような事象も少ないこと」が原則的に必要だと明記しており、日本列島は原発の立地条件を満たさない。

  6. 最大運転期間について【文書(1)】
    一般に40年も使用し続ける機器は希少である。40年ルールを明記して徹底するべきである。

  7. 規制基準の内容について【文書(1)他】
    ◆格納容器や圧力容器や各配管の大きさや強度について設計変更の必要性を検討するべきである。

    ◆制御棒の挿入時間、原子炉の脆性劣化についての評価をするべきである。

    ◆フィルター付きベントを使用する場合の放射性物質漏出量を評価するべきである。

    ◆可燃性ケーブルの使用状況を確認して不燃性に切り替えるべきである。

    ◆多重防護が本当に成立しているのかどうかをより具体的に個々の機器の事故を想定して評価するべきである。

  8. シビアアクシデント対策の5年猶予は認めるべきではない【文書「適用時期(案)」】
    ◆どの対策も完了するまで稼働させてはいけない。

    ◆「継続的改善」で逃げるのでなく、今すぐすべき対策を総て実施し、それでも安全性が保てないならば原発を動かすべきではない。

  9. 大量汚染水対策を強化すべき【文書(4)】
    福島原発事故により大気や土壌を汚染したばかりでなく、大量の放射能汚染水を発生して世界の海を汚した。さらに、フクイチには既に27万トンの汚染水が貯まり毎日400トンの汚染水が蓄積されている。放射能汚染水に対する除去、貯蔵、流出防止などの対策を義務付けるべきである。

  10. 地震・津波対策について【文書(1)、(17)他】
    ◆福島原発事故において地震による非常用復水器の破断などが起こったかどうかの評価がまだできていない。早急に調査して結果を評価してから基準を策定するべきである。

    ◆最近数週間の全国での地震頻発で実感できるように、地震列島日本に原発はなじまない。数万年以上の管理が必要な原発や核廃棄物を考えれば、日本では原発を動かすべきでない。

    ◆基準地震動を検討し直すべきである。
    海溝型地震も内陸直下型地震も、いつどんな規模で起こるか予測不可能である。すでに、柏崎刈羽原発は2007年に1699ガルを経験した。早急に全原発立地における基準地震動を見直し少なくとも2倍以上にして評価し直すべきである。

 現在、規制委員会が原子力災害対策指針<改定案>についてパブコメを実施中です。新たな指針(H24/10/31制定)は、事故検証もされず、事故当時の様子を福島県(行政)や住民から十分にヒアリングすることなく策定されたものです。
 事故の惨状を踏まえることなく机上で組み立てられたものが、実際の対策に役目を果たすとは思えません。

 難しいこと、専門的なことでなくて構いません。福島の事故をふまえて私たちが疑問に思う点、現実的に無理があると思われる災害対策、避難対策などを指摘しましょう。
 原発事故による放射能汚染をもう二度と繰り返さないために、みんなでパブコメを出そう!


原子力災害対策指針にNO(ノー)! 5 月 9 日(木)締切り

「原子力災害対策指針(改定原案)」に対する意見募集

●e-Govの意見提出フォームを使用する(WEB専用フォーム)
 e-Gov意見提出フォーム(案件番号198252302) (意見の入力は2000文字以内)

●郵送、FAXで意見を提出する
 意見提出の書式
 送付先 〒106-8450 東京都港区六本木1-9-9 六本木ファーストビル 原子力規制庁 原子力防災課宛て
 FAX:03-5114-2121

  1. 避難計画は非現実的、周辺住民の意見を聞いて避難計画を見直すべき。
    避難計画を立て避難訓練をする中で、計画があまりに非現実的であることが確認されたが、住民や自治体の意見を聞いて、再度計画を策定し直すべき。

    計画の問題点の例
    ・バスによる避難が計画されているが、バス会社は対応できないと言明している。
    ・防災訓練を経験した住民は、避難が膨大な負担になることを知った。こんな計画と訓練を必要とするような原発はやめるべき。
    ・若狭湾周辺では、災害時に原発のすぐそばを通りぬけないと避難できない。

  2. 福島原発事故を総括すれば原発を動かすことは間違い。

    福島原発事故から2年経ったが、以下に記すように、全く収束していないばかりか、更なる放射能放出が心配され、今も被災者を苦しめている。このような状況下で原発を動かすことを前提に原子力災害対策指針をつくり、それを全国の関係自治体と住民に押し付けることは根本的に間違っている。

    ・原発事故は、周辺地域の人々のふるさとも仕事も生活も奪い、今も16万人以上の人に避難を余儀なくしている。
    ・住民や子どもの健康管理も不十分で人々は不安を抱え、今後の疾病が心配される。
    ・3つの事故調査委員会の報告が出たが検証も対策も不十分、かつ未だに原子炉の状況は分からない。
    ・4号機の核燃料棒のプールは不安定でまた大地震が起こったら日本列島に人が住めなくなる。
    ・フクイチ敷地には今も約27万トンの汚染水が貯まり毎日400トンずつ増加している。
    ・地下貯水槽の水漏れが発生し対策が汚染水対策と廃炉作業の計画の全面的見直しを迫られている。
    ・フクイチの廃炉化の作業は緒に就いたばかりで目処は立っていず作業労働者の被曝も心配。
    ・原発事故は海も土も大気も汚し地球全体を汚染した。

  3. 原子力災害対策指針の策定手続きそのものに問題がある。指針全体のパブコメをやり直すべき。
    ・改定部分の意見募集でなく「指針」全体についての意見募集をまず実施すべき。
    ・前回のパブコメ意見について、もう一度公開の場で議論を。

    原子力災害対策指針は、原子力規制委員会が発足して間もない2012年10月31日に初めて制定されたもので、パブコメにかけられなかった。そして2013年1月30日に改定原案に対するパブコメを行政手続法に反して2週間に短縮して実施された。それでも3155件もの意見が出されたが、この意見は、2月27日の原子力規制委員会で数10分ほど討論されただけで確定。さらに、その後の緊急時モニターリングとヨウ素剤剤配布について修正を加え、そのことに限定して再度のパブコメ募集を実施中である。
     2012年9月19日 原子力規制委員会・規制庁発足
     2012年10月31日 原子力災害対策指針策定(新規)
     2013年1月30日~改定原案へのパブコメ(2週間)(3,155通の意見)
     2013年4月10日~改定原案へのパブコメ(今回、一カ月)
    以上から、指針制定において手続き上重大な過ちがあることが明らかだ。

  4. 福島原発事故における避難の実態を調査すべき。
    福島第一原発事故時に当事者であった行政と住民の避難の実態を詳細に調べ、住民の意見を聞くべき。

  5. 原発立地と周辺地域の意見を聞くべき。
    各原発立地と周辺地域の行政と住民への説明会・意見交換会を全国で実施すべき。

  6. 緊急時モニタリング結果を対象地域行政と住民にできるだけ早く知らせる体制を構築すべき。(福島原発事故直後、SPEEDIの予測結果や米軍モニタリング情報は、現地住民に知らされなかった)
  7. 安定ヨウ素剤の事前配布の必要性を再検討すべき。
  8. 周辺地域の各自治体との原子力安全協定を、事業者に義務付けるべき。
  9. 指針の対象範囲が狭すぎる。(緊急時防護措置準備区域(UPZ)を30kmとしている点)

日本原子力文化振興財団ホームページより
事故から考えるこれからの原子力防災 2013年2月22日
京都大学原子炉実験所教授、研究炉部長
中島 健 氏(なかじま・けん)

── 福島第一原子力発電所事故から2年経ちますが、事故についてどのように見てこられましたか。

中島 防災の観点から申し上げたいと思います。2003年まで、日本原子力研究所にいましたが、1999年にJCОの臨界事故が起きました。直後に対策本部が立ち上がり、そこでどうやって臨界を止めるか等、現場でいろいろと活動しました。

 その関係でその後、アメリカやヨーロッパなど海外の防災体制の調査などに国の業務で行きました。その結果「日本も防災対策をきちんとやる必要がある」とレポートし、オフサイトセンターや原子力安全・保安院ができたりと、防災体制の見直しがなされました。

そのJCО事故から10年ちょっとで福島の事故が起きました。すぐ収束するかと思いましたら、どんどん被害が大きくなっていきました。そのとき疑問に思ったのは、オフサイトセンターによる情報の集約や発信、SPEEDIの活用、また原子力災害対策用のロボットの起用など、JCO事故を踏まえ用意をしていたことが全く機能していないことでした。( つづきを読む

2大事故でシビアアクシデントと「安全文化」の必要性が問われることに
── スリーマイルとチェルノブイリ、過去に起きた2大事故を知ることも重要ですが、どのような事故だったのでしょうか。
── 福島の事故との違いという面ではいかがでしょう。

評価設定が7段階しかないため、福島とチェルノブイリは同じになった
── 事故評価尺度がチェルノブイリと同じとなると、事故の原因や放出された放射性物質の量に関係なく、同じ程度の事故だったのかと考えてしまいますね。
── 福島の事故で得られた教訓とは

結局、安全の確保の最後は人だ

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中島 健 氏(なかじま・けん)

1957年 札幌市生まれ。82年北海道大学大学院工学研究科原子工学専攻修士課程修了後、日本原子力研究所(現・日本原子力研究開発機構)において、臨界安全性および原子炉物理に関する実験研究に従事。99年、東海村の㈱JCO燃料加工工場臨界事故の際には、国の現地対策本部員および日本原子力学会事故調査委員等として、事故の収束対応、事後の事象解明を実施。03年に京都大学原子炉実験所助教授、07年より現職。専門は原子炉物理、臨界安全。

DIAMOND ONLINE 特別レポート 「福島原発震災 チェルノブイリの教訓」

2011年3月14日
福島原発震災――チェルノブイリの教訓を生かせ(1)
http://diamond.jp/articles/-/11484

2011年4月5日――福島原発震災 チェルノブイリの教訓(2)
子どもの甲状腺被曝検査の継続を
http://diamond.jp/articles/-/11752

2011年4月12日――福島原発震災 チェルノブイリの教訓(3)
ソ連政府はどのように収束させたのか
http://diamond.jp/articles/-/11838

2011年4月15日――福島原発震災 チェルノブイリの教訓(4)
汚染食品のデータをどう読むか
http://diamond.jp/articles/-/11913

2011年4月26日――福島原発震災 チェルノブイリの教訓(5)
「クリーンエネルギー原子力推進」をだれが言い出したのか
http://diamond.jp/articles/-/12075

2011年5月7日――福島原発震災 チェルノブイリの教訓(6)
学校の放射線許容量はなぜ迷走しているのか
http://diamond.jp/articles/-/12159

2011年5月18日――福島原発震災 チェルノブイリの教訓(7)
菅首相の「浜岡原発停止要請」は唐突ではない
~阪神大震災の教訓から誕生した地震調査研究推進本部の研究成果が初めて原発事故抑止に生かされた
http://diamond.jp/articles/-/12304

2011年6月6日――福島原発震災 チェルノブイリの教訓(8)
足柄のお茶はなぜ汚染されたか
関東平野の放射能汚染状況
http://diamond.jp/articles/-/12566

2011年6月16日――福島原発震災 チェルノブイリの教訓(9)
チェルノブイリと福島のセシウム汚染
住民避難への対処法はどうだったのか
―旧ソ連政府は現在の日本政府より住民の安全サイドに立っていた
http://diamond.jp/articles/-/12730

2011年6月24日――福島原発震災 チェルノブイリの教訓(10)
実態がわかってきた関東平野の放射能汚染
各地で空間放射線量の測定進む
http://diamond.jp/articles/-/12857

2011年7月1日――福島原発震災 チェルノブイリの教訓(11)
除染を急げば大幅に放射線量は減少する
市民の健康を守れるのは自治体
http://diamond.jp/articles/-/12919

2011年7月8日――福島原発震災 チェルノブイリの教訓(12)
汚染水漏洩を防止する地下遮蔽壁はいつできるか
http://diamond.jp/articles/-/13028

2011年7月20日――福島原発震災 チェルノブイリの教訓(13)
東葛地区(千葉県)の放射能汚染、その後の対策はどうなったか
http://diamond.jp/articles/-/13191

2011年8月17日――福島原発震災 チェルノブイリの教訓(14)
食品安全委員会が初公表した規制値の今後の目安
生涯100ミリシーベルトの意味をよく考えてみよう
http://diamond.jp/articles/-/13586

<このイベントは終了しました>

(原子力規制を監視する市民の会 HPより)

4月30日13時~、院内集会と規制庁交渉

********** 4/30(IWJ CH5) **********
http://www.ustream.tv/recorded/32152511
冒頭~ 院内集会、1h30分あたりから 政府交渉
http://www.ustream.tv/recorded/32155749
38分あたりから 記者会見
***********************************

大飯原発の停止を求めて-院内集会と規制庁交渉
<活断層3連動による耐震評価のやり直しを!>
大飯原発の仮処分判決は不当判決でしたが、活断層の3連動評価についてはその必要性を認めました。原子力規制委員会ではじまった評価会合でも、2連動評価でよしとする関電に対し、規制委は3連動評価を求めました。3連動評価を行えば、700ガルの基準地震動は約1000ガルにもなり、制御棒に限らず、配管や機器の耐震安全評価はすべて一からやり直しとなります。

作業が長引けば、運転の停止は必至です。院内集会と規制庁交渉(依頼中)には、関西(予定)から裁判の原告が来ます!関西・福井と首都圏が連携し、規制委・規制庁に3連動に基づく再評価を求めていきましょう。大飯原発を停止に追い込んでいきましょう!

◆日時:4月30日(火)13:00から
◆場所:参議院議員会館101会議室
◆スケジュール
13:00~14:30 院内集会
14:30~16:00 規制庁交渉(依頼中)
16:00~17:00 まとめ・記者会見
※12:30よりロビーにて通行証を配布します
◆資料代:500円
◆お話(予定)
アイリーン・スミスさん(裁判の会共同代表)
小山 英之さん(裁判の会共同代表)ほか
◆主催
おおい原発止めよう裁判の会/グリーン・アクション/美浜の会/原子力規制を監視する市民の会/フクロウの会/FoE Japan
◆問合せ
075-701-7223 グリーン・アクション
090-8116-7155 フクロウの会:阪上

4.13-14 再稼動阻止全国ネット羽咋合宿報告

反原発自治体議員・市民連盟から参加
杉並区議会議員 けしば誠一

4月13-14日、石川県羽咋市で再稼動阻止全国ネットワークの合宿がもたれ、7月規制基準策定を口実に目論まれている原発再稼動を止めるための全国方針が確認されました。

原発立地からは、北海道泊、福島、東海村、静岡、柏崎刈羽、福井、関西、伊方、宮崎、隣接する富山から12名、地元は羽咋、志賀、七尾、中能登町、金沢、輪島、小松、から総勢30名、主催5団を含め計70名の参加で、用意した告資料が足りなくなる盛会でした。

第1日は、全国ネット共同・柳田代表から、昨年11月結成以来の経過と再稼働を巡る情勢が報告され、「再稼動との決戦期に入った、全国の力を集め、持てる総力で闘おう」と提起されました。反原発自治体議員・市民連盟から原子力防災計画について報告がなされ、自治体に義務付けられた原子力防災対策が、再稼動を前提にする限り何ら現実性のない計画であることが示されました。

防災対策重点地域が30キロ圏に拡大されたことで、21都道府県135市町村、480万人に対象が拡大し、原発立地で防災計画の非現実性を攻めたてる絶好のターゲットになったことを確認しました。その後、全国の原発立地からの報告、福島の橋下さんから現状報告、淵上さんから経産省前テント撤去裁判と闘う方針、地元志賀現地からの報告と討論が行われました。

2日目、13日朝の関西の地震で26時間がかりで伊方から堀内さんが合流。最後に、柳田代表から、「再稼動の嵐を待つのではなく、いまから各地で取り組みを進め、全国現地の連携と運動の強化をはかろう」とまとめがなされました。5月は第2派として柏崎刈羽行動、6月第3派行動は、6.2国会包囲、6.3規制庁闘争、23~24伊方現地行動、29~30大飯-高浜集会、泊(北海道)の集会、7月に向け再稼動が予想される原発現地行動と規制庁抗議集会などが確認されました。

その後、車で志賀原発に隣接する団結小屋に終結。今年89才になる橋さん、80代には見えない若さの小川さんの、「こらからも闘ってまいります」との決意に、誰しも目頭を熱くしました。その後2人一組で志賀町全域のビラ入れ行動、町民の好反応に感激しました。

多名賀さんをはじめとする羽咋のみなさんの大変なご苦労で、2日間滞りなく開催できました。地元側の参加が予想以上に増えたことこそ、現地の努力が実を結んだ証でした。

全国が一つになって、各々の限界も率直に話し合い、いっそう心が通じ合い、「再稼働阻止」に向けた連携が深まった合宿でした。困難に立ち向かう勇気を得た思いを、誰もが感じた2日間でした。

再稼動阻止全国ネット 羽咋・全国交流会の御礼とご報告

2013年4月17日
命のネットワーク代表 多名賀 哲也

再稼動阻止全国ネット-羽咋合宿・全国交流会への参加ご苦労様でした。遠路にもかかわらず、みなさまの御来羽により、60部用意した資料が足らなくなる盛況で、無事終了することができました。受け入れ地元側として厚く御礼申し上げます。

柳田真・全国ネット共同代表、淵上太郎・経産省前テントひろば代表をはじめ北海道・泊、福島、東海村、首都圏5団体、静岡、柏崎刈羽、福井、関西、伊方、宮崎など28名、富山12名、地元は30名(羽咋10、志賀5、七尾3、中能登町3、金沢4、輪島、小松)、計70名が参加し、翌日には志賀町全域(高浜市街地、堀松地区、志加浦地区、福浦、富来市街地)でのビラ入れ行動を実施できました。

2日目のまとめで、5~6月にむけた行動の焦点が鮮明に提起されました。再稼動の嵐を待つのではなく、いまから全国現地の連携と運動の強化をはかろうという思いが一歩前進したのではないでしょうか。当地でも、30キロ圏各自治体への申入れ行動とともに、6月行動:6/2(国会包囲)、6/23~24(伊方)にぜひ参加しようと話が始まっております。

ただ、当方のスタッフの少なさから2日目の志賀町現地行動で幾つかもたつき、志賀原発の全景をご覧いただけなかったのが残念です。もともと、人口2万3千人の小都市・羽咋が全国合宿を受けたのは2つ理由がありました。

一つは若狭の原発銀座と巨大立地点・柏崎刈羽にはさまれているためか、「石川に原発があったの?志賀原発ってどこ?」という声をよく聞くので、志賀も全国現地の一つと知ってもらいたいと思っていたからです。

二つ目は石川自身の発信力の弱さとフットワークの重さを克服するきっかけになれば、と考えたからです。その点では、首都圏はもちろん北は泊、南は宮崎まで遠路をいとわず駆けつけた再稼動ストップへのみなさまの熱気は、地元の仲間に強いインパクトになりました。地元側の参加が予想以上に増えたのも、その反映です。

百聞は一見にしかず。福島・橋本さんの「東電や官僚、経団連のヘッドが路頭に迷うなんて聞いたことなく、私たちの苦しみを分かっていない」という訴えは何よりも胸に響きました。また刈羽村議・近藤さんの「防災計画は全く現実にはありえない想定で成り立っている。仮に避難できても帰って来れない避難ば避難とはいえない」との報告も、30キロ圏の私たちにとってストンと納得できました。事態は防災計画の是非を超えています。

長くなるのでこれ以上ふれませんが、他の方々の報告も参考、励ましとなることが沢山ありました。それらをふまえて、私たちのフットワークと発信力を強めたいと思っています。また、インターネットで全国交流会を知り、命のネットに新加入する人も出てきました。引き受けてよかったと実感しています。重ねて御礼申し上げます。最後に、6月行動の中での再会を約して!

―地域防災計画(原子力災害対策)について―

2013/4/13~14開催・全国交流会での配布資料
(文責・布施哲也)

(1) 自治体と地域防災計画

災害対策基本法第40条から45条に、都道府県と市町村は、それぞれの地域防災計画を定めるという規定がある。各自治体の長は、それぞれの防災会議(中小自治体は設置しない)に諮り、防災のための業務などを具体的に定める。そして、「毎年市町村(都道府県も)地域防災計画に検討を加え、必要があると認めるときは、これを修正しなければならない」とされる。関係自治体が地域防災計画に原子力防災対策に関する修正を加えるのは、「必要があると認めるとき」に該当するため。

国は関係地方公共団体に対して、改正原子力災害対策特別措置法の施行後、半年程度の経過措置期間内に地域防災計画(原子力編)の修正をすることを求めていた。このため2013年3月18日がめどとなっていた。
都道府県や比較的大きな自治体は別だが、中小の自治体では数多ある計画書の策定に関しては、外注先として「コンサルタント企業」が関わってくる。一方国は、計画のマニュアルを作成し、防災専門官を市町村に派遣し助言をしている。このため、全国一律の「防災計画」が誕生することになる。その結果は、実質が伴わない机上の作文としての「計画」となる。各自治体の「地域防災計画」の原子力防災の項を、比較・検討することが重要となる。

(2) 原子力規制委員会と「原子力災害対策指針」

福島第一原発の事故の結果を受け、原子力規制委員会は、災害対策基本法と原子力災害対策特別措置法に基づき新たな原子力災害対策指針を示した。前提としての事故は、水素爆発などによって大量の放射性物質が放出した過酷事故というものだ。

「主な項目」

  • 防災対策重点区域(UPZ)を従来の8~10キロ圏から30キロ圏に拡大。
  • 5キロ圏/原発事故が起きた際に直ちに避難する「予防防護措置区域」(PAZ)。
  • 30キロ圏/を事故対策が必要となる「緊急防護措置区域」(UPZ)。
  • 甲状腺被曝(ひばく)を防ぐ安定ヨウ素剤の配布を50キロ圏でも検討
  • オフサイトセンター(OFC)=事故時の対応拠点の改。原発から5~30キロに設置し、30キロ以上離れた場所に複数の代替施設を確保。従来の住民への連絡手段・避難方法・被曝医療体制の確保から、放射能汚染などにも耐えられるよう改修・防災訓練。
  • 未定部分=規制委員会で検討する/国か自治体か予算・住民避難の判断基準。

指針の特徴は防災対策重点区域の拡大であり、21道府県135市町村、対象人口は約480万人となる。実際の汚染領域とは別だが、それでも当事者となる住民と自治体が大幅に増え、原子力防災に関する住民・自治体の発言力が増すことになった。

以上が主たる内容だが、この結果、対象自治体は15道府県45市町村から、21道府県135市町村に拡大、人口は約480万人になる。
これらの自治体が、原子力災害対策を加味した地域防災計画を策定する必要がある。対象とならない自治体は、独自の判断で原子力対策をすることは妨げるものではない。福島第一原発事故の現実から、少なくない圏外の自治体が策定をし、策定を計画している。

(3) 自治体と原子力防災対策

原発30キロ圏内の149道府県・市町村(福島一部除く)を対象に、原子力防災計画に関するアンケートを実施している。(2013年2月22日~3月4日・回答148自治体)。
10の設問の中で、「地域防災計画で残された課題」(特に深刻なものを3つまでを選ぶ)と、「近くの原発の運転再開について」の回答は以下となっている。

◆「地域防災計画で残された課題」

・高齢者など要援護者の避難支援・・59%
・避難の交通手段・・・・・・・・・50%
・ヨウ素剤の対応・・・・・・・・・45%
・避難先の確保・・・・・・・・・・36%   以下略

◆「近くの原発の運転再開をどう考えるか」

・再開を認める・・・・・・・・・・12%
・いずれは再開を認めたい・・・・・35%
・当面、再開を認めない・・・・・・22%
・今後一切、再開を認めない・・・・・6%
・今は判断できない・・・・・・・・25%   以下略

原子力災害に備えた地域防災計画は7月に施行される原発の新安全基準とともに、「安全の両輪」と位置づける重要なものはずだが、現実は、アンケート結果からも知れるように、肝心の避難支援とその交通手段の確保がままならない。原子力規制庁原子力防災課の調査(3月19日)でも、道府県は別として、過半の市町村は策定できていない。日本原子力発電東海第2原発を抱える茨城県では、「原発周辺に約100万人が住むため避難場所の確保が明記できず、18日までに作成できなかった」としている。

これらこともあり、「安全の両輪」がいつのまにかトーンダウンし、策定は再稼働の前提条件にならないと聞こえてくる。
自治体の考えは、「近くの原発の運転再開をどう考えるか」に注目したいが、「当面」「一切」というニュアンスの違いはあるが、計算上「再開を認めない」自治体が50を超えている。立地自治体は別として周辺自治体の真っ当な考えだ。

30キロ圏を越える自治体も動きはじめている。そのひとつとして、柏崎刈羽原発から崎刈羽原発から約80キロに位置する富山県の糸魚川市は、「原子力防災計画」を作成するという。

札幌市でも地域防災計画(原子力災害対策編)を策定している。「泊発電所から放射性物質又は放射線が異常な水準で事業所外へ放出されることにより生ずる原子力災害の防災対策に関し、札幌市、北海道及び防災関係機関が必要な体制を確立するとともに、とるべき措置を定め、総合的かつ計画的な原子力防災事務又は業務の遂行により市民の生命、身体及び財産を原子力災害から保護することを目的」とうものだ。

その主な内容は、「警戒配備」として、情報の収集・連絡、緊急連絡体制及び通信の確保、緊急時モニタリングの実施、市民への的確な情報伝達活動。
「災害対策本部設置」として、活動体制の確立、屋内退避等の防護措置の実施、社会的混乱の防止、飲料水・飲食物の摂取制限等の実施、交通の確保、災害時広聴活動、泊発電所周辺自治体からの避難者の受け入れ・支援。となっている。実効性があるのだろうか。

(4) 再稼働阻止と自治体

「地域防災計画」に組み込む「原子力防災対策」が、7月に施行される原発の新安全基準(最近は安全という定義を変更するようだ)とあわせ、原発の再稼働の条件とされていた。でも、状況が変化している。対象自治体からは、「法律があるので策定するが、防災の具体化は疑わしい」「再稼働を前提とした防災計画ではない」などの声が高まっているからだ。計画の策定が再稼働を後押しするものとならない状態となっている。

地元住民、市民(住民)団体による原発立地自治体と周辺自治体への強い働きかけがあるからだが、なによりも福島第一原発事故の現在進行中の過酷事故の現実が、「原子力防災は事故後の対策は不可能」「再稼働させないことが唯一の原子力防災」ということを理解しているからだろう。

再稼働では腰砕け状態となった関西広域連合でさえ、「福井県の原発事故で琵琶湖(滋賀県)が放射性物質に汚染された場合、近畿地方の住民の四分の三が飲み水を確保するのが困難になる」と明かしている。給水対象人口は350万人となるので、実際の対策は取りようがない。資産家と権力者は別だろうが、放射能入りの水を飲むしか選択肢はない。
やはり基本はカネとなる。電気料金を原資とする数兆円の原発発推進費は、これまでは立地自治体に配られてきた。匿名となる寄付金、稼働することで増える原発の固定資産税なとだ。しかし、原子力防災の対象自治体を増やさざるを得なかったため、これまでカネを配ってこない自治体も原発への発言が可能になった。

政府・電力会社の対応は三つつとなる。ひとつは、原発推進費を配る対象自治体を拡大することだ。でも、現在の財政状況(電力会社も)では難しい。二つは、政府・自治体の意向に反することを主張する自治体へ圧力を強めることだ。その際に重要となるのは、各種補助金・交付金となる。自治体の自主財源は三割程度しかないため、財布の紐を道府県は国が、市町村は国と道府県が握っているためだ。このことは現に実行しており、その枠を広げることは可能だ。最後は、国や県による締め付けができないほど、市町村の声が大きく強くなるのなら、マスメディアを使ってその声を無視することになる。

再稼働阻止の運動のひとつとして、自治体の長と議会への働きかけをつづけたい。道府県の知事の過半は中央官僚の出身者であり、泊原発を抱える高橋はるみ北海道知事は経済産業省の出身だ。これらの知事へのむ働きかけはかなり困難だが、身近な市町村はまだ可能性がある。地域防災計画、特に原子力防災が机上の作文であることを承知しているのは、市町村の長であり、議員であるからだ。政府・電力会社によるカネの圧力に対し、住民の生存・健康ということを対抗軸としたい。

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関連情報

2013年03月15日 原子力防災・自治体アンケート結果(NHKかぶん)
http://www9.nhk.or.jp/kabun-blog/200/149403.html

※全国各地の活動について紹介(再稼働阻止全国ネットワーク事務局)

泊原発廃炉訴訟第5回口頭弁論が2013年4月15日札幌地裁で行われました。

この訴訟は、福島原発の事故を受けて7月に結成された「泊原発の廃炉をめざす会」の呼びかけで原告団が形成され、第一次原告に612人が加わり(2011年11月11日)、合わせて原告1,233名による稼働中原子炉の廃炉を求めた全国初の裁判です。

裁判の争点の一つは、北海道電力がひた隠す泊沖の活断層の存在で、「廃炉をめざす会」は大間原発の建設中止も求め、裁判と同時に広範囲な人々に訴えて運度を進めていくとの事です。

4月15日の口頭弁論では「廃炉の会」共同代表の清水晶子氏と岩内町町会議員・佐藤英行氏が意見陳述を行いました。今回佐藤氏より、陳述書の全文と陳述の裏づけとなる貴重な資料の提供がありましたので皆様に公開いたします。

原発がいかに民力を殺ぎ放射能の汚染を地元にこれまで強いて来たかが分かる貴重な資料ですのでご活用願います。(事務局)

(註1および下線部は事務局による。下線部に示される資料(陳述書別紙)をPDFで掲載

泊原発廃炉訴訟 札幌地裁 第5回口頭弁論 意見陳述書

陳述人 佐藤英行(岩内原発問題研究会 岩内町町議会議員)

「共和・泊」[註1] 原子力発電所として北海道電力が原発建設を発表して以来、泊原発建設“絶対反対”決議を続けてきた岩内郡漁業協同組合に対し、北海道電力の攻撃が強まり、絶対反対決議も揺らぎ始め、漁協の最高決議機関である総代会が賛成派の要請で1981年8月15日開催された。

この日の岩内郡漁協の臨時総代会は乱闘になり流会、再度9月28日に開催された臨時総代会で泊原発建設「絶対反対」の看板を下ろし「条件付き賛成」と路線を変更した。
12月に第1次公開ヒアリング、翌1982年3月には電源開発調整審議会において承認され、補償金・産業振興資金も妥結して行った。

1982年の岩内町はまだ基幹産業が漁業と対外的に言える状況だった

1982年の漁獲量17,419トン、漁獲高38億8600万円、漁船数323隻(1t未満104、10t未満102、50トン未満95、100トン未満20、100トン以上2)、正組合員525名を誇っていた。そのうち鯳(すけそ)は、はえ縄漁52隻で14,750トン、23億7400万円を水揚げしていた。しかし原発建設、そして初臨界、試運転、営業運転と経過するにつれて衰退していった。2010年の漁獲量は82年対比16%の2,722トン、漁獲高は15%の5億7400万円、漁船数25%の82隻(10t未満65、50トン未満15、100トン未満2)で正組合員数においては14%の72名までに減少した。(表1)

スケソウダラは鯳(すけそ)と書き、海底の深いところにいる魚ということで魚へんに底をあてたとされている。北海道での主な産卵場は岩内湾、噴火湾、根室海峡で、産卵期は12月から4月で1~2月が盛期である。3~5℃の冷たい水温が産卵適温である。岩内の漁ははえ縄漁といい、200m位の水深に針に餌をつけての釣り漁法であるので鮮度がよく、刺し網漁が主の古平町の単価120円/kgに対して161円/kgと高値を付けていた。加工後、岩内産のたらことして全国に名を馳せていた。

泊原発1号機の初臨界が1988年、2号機が1990年、そして3号機が2010年であり、その間取水より7℃高い温度の海水を、1号機、2号機それぞれ40t/秒、3号機66t/秒垂れ流していったのである、その量は累計で琵琶湖の水量275億トンの1.7倍にも達する。1.2.3号機のそれぞれの臨界から営業運転時とスケソウダラの漁獲量を照らし合わせると営業運転の翌年にいずれも大きな漁獲量の減少となっている。(表2)

一般的に海水魚は温度適応範囲が狭く水温の変化に敏感に反応し生理や行動が水温に規制されることが多いとされている。温度変化に敏感であるということは温排水が魚類の回遊や移動に影響を及ぼす可能性は否定できないのである。日本の原発54基(2011年3月11日現在)のうち33基が日本海、東シナ海に面している。また、同じ日本海に面している韓国の原発は震災後も稼働中である。日本海は狭い海峡で外洋と連結しているのみなので原発から出される温排水の影響からは逃れられない。

レジームシフト(大気―海洋―海洋生態系から構成される地球構造の基本構造の転換)が起こったのかもしれないし、またや漁獲制限のTAC制度の影響もあるかもしれないが、3~5℃の冷水温を産卵適温とするスケソウダラに対して、温排水の垂れ流しは大きな影響を与えることは容易に予測できる。これまでの産卵していた水深200mよりもっと深いところで産卵するようになっていき、あるいは産卵場所をかえていった可能性もある。資源量の減少もあってスケソウダラの漁獲量は激減して行った。漁協の組合員も漁業を廃業し、また漁業関連で働いていたひとたちも、原発関連下請け企業にいくようになっていった。

一方、岩内町の海岸の南隣に位置する、寿都町、島牧村は漁業を基幹産業と位置付け、栽培漁業を推進するなど、地場産業の育成に努めており、漁獲量は2010年/1982年で寿都町は2.3倍、島牧村は1.5倍に対して岩内町は0.16倍に過ぎなくなっている。(表1)
このことから言えることは、原発産業が自然環境を破壊し、地場産業の漁業および関連産業を衰退させ、そして地元の人間を原発に取り込み、ものを言えなくさせていった構造である。地元の資源を確認し、それを生かしていき、産業として生業させていく力、いわゆる「地元力」を原発は殺いでいったのである。
参考「泊発電所における地元活用について――北海道電力資料より」(別紙1)

放射線治療の専門家で3月まで北海道がんセンター院長であった西尾正道氏は、北海道の標準化死亡比のデータで泊原発がある泊村のがん死亡率が高いことを指摘している。北海道知事が主務官庁となっている北海道健康づくり財団が報告した道内のがん死亡率SMR(標準化死亡比)は、泊村のがん死亡率は断トツに高く、2番目が隣町の岩内町となっている。泊村は10万人当たり2450人であり中間値の1120人の2倍以上のがん死亡者数となっている。泊原発の現地と言われる地域でがんでの死亡率が異常に高いのである。
事故が起こらなくても原発から恒常的に放射性物質は排出されており、また原発で働く労働者も被曝は免れないのである。定期点検時ともなると被曝する割合は高くなる。
しかしながら、異常ともいえる泊村のがん死亡率の高さが泊原発によるものであることの因果関係を証明することは大変難しい。

福島第一原発事故による放射能の影響がこれから子どもたちを中心に現れることが危惧される。子どもたちの未来を脅かしている。
これまで原発現地と言われてきた地元は、これまでも二つの不安を抱えてきた。一つは危険な原発を目の前にして生活している不安であり、もう一方の不安は原発マネーに組み込まれている地域経済が廃炉となることによって崩壊し雇用の場の喪失による生活の不安である。この不安の元凶は原発である。

原発産業は地元経済に雇用の場を拡大してきた、スケソウダラの漁獲量の減少は地球温暖化の影響で温排水を原因とする確証はない、泊村と岩内町のがん死亡率が高いのは同じ現地の共和町、神恵内村は高くないので原発が原因とはいえない、このように北海道電力は主張するでしょう。

“確かな証拠がない” ことを “影響がない” ことにすり替えてきた歴史がフクシマ事故を引き起こしたのである。

ひとたび事故が起きれば、そこに存在している全ての生命、環境を破壊して行くこのことをフクシマは改めて私たちに突きつけてきた。使用済核燃料、放射性廃棄物の処理方法もないなかで、これ以上 未来に負の遺産を背負させることを強制してはならない。原発そのものによって、これからも連綿と続いていく生命の営みを保証する、自然を対象とした生命の生業=農業・漁業を放射能で汚染させることはこれ以上してはならない、させてならない。未来を保障する責任が私たちにはある。すべての原発を廃炉にすべきである。

ちなみに昨年5月から3号機が定期点検に入りすべての泊原発が運転を停止した。そして、温排水が排出されていない現在、今年のスケソウダラ漁は昨年同期と比較して1.5倍の水揚量となっている。(表4)



註1:

泊原発はその計画当時、岩内郡共和町と古宇郡泊村にまたがって建設が進められていた。しかし、発足(はったり)断層の存在、原発建設に絶対反対の立場をとる岩内郡漁協の漁業権の主張、建設資材の運輸につかう道路予定地の反対派による買い占めなどの理由で、建設予定地をすべて泊村に移した経緯がある。

意見陳述書 別紙

(1) 近隣町村の漁獲量・金額比較
(2) 岩内町スケトウタラ漁の推移
(3) 泊発電所における従業員の地元活用について
(4) スケトウタラ漁の推移