5/2に開催した「東海第二原発の再稼働審査を問う 原子力規制委員会院内ヒアリング集会」について報告します。

配付資料などの説明の後、質問者:山崎さん、川澄さん、大石さん、相沢さんから質問内容に関する説明をしていただきました。特に川澄さんからは電気ケーブル問題、超過津波問題について図示していただきました。

後半は、衆議院議員・大河原まさ子さんにご挨拶いただき、その後、規制庁9人と経産省2人に対してヒアリングを開始。「Ⅳ 周辺自治体住民の同意について」のみ経産省と規制庁両方に、他は規制庁へのヒアリング。
現在進行中の「審査」の状況を確認するとともに、私たちからは多くの問題を指摘し、このまま審査合格、運転延長合格としないように強く訴えてヒアリングを終了。
個々の質問についての回答および質疑は後述します。

◆当日の様子をユープランさんに収録していただきました。
東海第二原発の再稼働審査を問う!
原子力規制委員会院内ヒアリング集会(2)
【前半】事前学習会 https://youtu.be/EPSpmLHJTPE
【後半】エネ庁・原子力規制庁ヒアリング https://youtu.be/T8DAJnBehxg

< 会次第 >

◆ヒアリング概略
はじめに市民側から、前回に引き続きのヒアリングであること。日本原電で違法残業が指摘される中で関電の高浜運転延長申請に関連して自死が出たこと。本日の質疑回答と実際の審査結果とに齟齬がないよう3点お願いし、ヒアリングを開始。

(以下、当日の進行にあわせて記載しております)

4.周辺自治体住民の同意について
経産省は、地元同意は事業者任せとして逃げたが、「エネルギー基本計画」でも地元の理解と述べているのだから経産省としても確認し、1市村でも反対ならば稼働しないよう訴えた。また、UPZ30キロ圏だけでは不十分、東海第二のUPZ圏には14市町村あり、6市村のみの同意では不十分。事業者任せにしないよう訴えた。

1.審査の進捗状況と今後の見通しについて
設置変更許可が認可されていないにも拘らず、工事計画の審査と運転延長の審査を開始していることを認めた。

2.設置変更許可審査について
2-1. 電気ケーブルについて
電気ケーブルの総延長が長い中で非対応が多く、新座市での東電地下OFケーブルと同様の火災の心配、日立製作所の内部資料にある「摩耗損傷3000箇所」および「シース(さや部分)の硬化(劣化)」を指摘したが、規制庁は審査中と回答。事業者任せにしないよう強く要請した。

2-2. 鋼製防護壁の構造問題
取水口の構造物が大ダメージを受ける可能性を追求したが、これから審査との回答。

2-3. 耐震評価について
事業者に対し工事計画のヒアリングを開始したがまだ多くの資料が出ていないとの回答。驚いたのは、基準地震動が建設時から4倍近くに上がり、クリフエッジ(破壊される力の掛かる点)までの余裕がくいつぶされてきているのに、圧力容器スタビライザーの降伏点など、着目すべきチェックポイントを担当が確認していなかったこと。規制庁が事業者からの報告を追認する姿勢で審査していることが明らかになった。

また、工事計画の事業者資料の多くが「黒枠・白抜き」でアップされていることについて、ひとたび事故が起これば多数の「国民」に被害をもたらすのであるから、企業秘密と称して公開しないのはおかしい、これでは審査の適否を誰も判断できないではないか、と強く抗議した。

2-4. 超過津波問題
24メートルの津波が防潮堤を超えて進入した場合に、標高8メートルの位置に使用済み核燃料貯蔵建屋がある問題について、重大事故対処施設で無いから浸水してもいいかのような回答。浸水対策を義務付ける基準があることを指摘した。

2キロあまり南に位置する東海再処理工場(高レベル放射性廃液貯蔵施設)における津波による危険性について、個別施設の審査で対応しているとの回答。周辺の状況を調査しないといけない、福島第一事故を思い起こすよう強く要望。炉規法43条の3の8規則63項に照らしておかしいとの指摘に対しては、後日議員を通じて文書回答していただくこととした。

参加者から、基準津波も基準地震動も実績から考えれば過小であるとの指摘があった。

2-5. 長期停止原発の再稼働について
川内でも高浜でも玄海でも、長期間停止していた原発は再稼働後すぐに、トラブルが発生している。玄海3号の蒸気漏れトラブルに関しては、原子炉を停止させないままチェックを継続したことを責めたが、規制庁は、炉心を含んでいない2次系のトラブルとの説明に留まった。頻繁に起こり得るから事業者任せにせず厳密ににチェックするよう要望。

2-6. 使用済燃料プールのトラブル
日本原電・敦賀原発1号機のトラブル(2017年11月20日発生 チャンネル着脱機の不具合)について指摘したところ、規制庁は「指導文書」を出したと回答。同様のことが東海第二で起こっていないか審査するよう要望。

2-7. 経理的基礎
前回でも厳しく追及し、前の週にも別の院内政府交渉で追及している件。東電と東北電力からの「支援」を「了承」したかについては、まだ審査会合の手前の段階との回答。
東電がADRの仲裁を蹴って税金を使っている中で、日本原電に金銭的な支援することは全く認められないと強く訴えた。

2-8. 核のゴミに囲まれた原発
東海第二が核のゴミに取り囲まれている原発であることを確認し、前述の4.と同様に追加質問することを確認。

3.運転延長認可について
運転延長審査は、1.機器の状況、2.劣化評価、3.保守管理方針への反映、の3段階。審査はこれから。他の老朽原発でのトラブルは「運用ガイド」で対応している。
一方、2年前に運転延長を認められた高浜1号機、2号機は2020年に稼働予定、東海第二は2021年以降の稼働予定との回答。

終わりに、今日の私たちの指摘を受けて早く審査不合格を出すように、そして総ての資料を隠さず明らかにするよう強く要望した。

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最後に、ずっと同席して頂いた大河原まさ子議員より締めのことばをいただいた。

 今日の規制庁の回答では、市民にはまったく納得できない。そして、決定のあり方、それがどういう記録で残されるかということも、いま公文書の隠蔽・改竄・データのすり替えが様々で起こっている中で、このことをやるということの意味を、規制庁の皆さんに込められている責任を是非果たしていただきたい。今日質疑の中ではっきりさせられなかったことは、私や他の議員を通じてしっかりと回答を引き出して行きたいと思っています。
時間があまりないと思います。しっかりと答え、市民の皆さんの専門性を受けとめ、原発ゼロ社会に向けて活動したいと思います。 

以上

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