Category Archives: 論説・論考

東洋経済ONLINE 2015年03月15日

「アメリカの原発は2030年には減少する」
リチャード・レスターMIT教授に聞く
中村 稔
http://toyokeizai.net/articles/-/63209

日本だけでなく米国においても、原子力発電はシェール革命の影響や放射性廃棄物処理政策の迷走などで岐路に立たされている。

米国における原子力の技術開発、放射性廃棄物処理、エネルギー業界分析を専門とするリチャード・レスターMIT(マサチューセッツ工科大学)教授に、米国と日本における原子力政策の現状について聞いた。同教授は世界各国の競争力やイノベーションについて研究するMIT産業パフォーマンスセンターの所長も務め、日本の製造業の急成長と米国の製造業の衰退の理由を報告した『メイド・イン・アメリカ』(1989年、共著)はベストセラーとなった。(つづきを読む)

見出し
経済性で原子力が天然ガスより劣勢に
CO2削減には炭素税導入で適切な価格付けを
日本の電力業界と規制委には改革が必要だ
中国や新興国の原発の安全性が課題に

日刊ゲンダイ 2015年3月14日
「投資対象にしない」 世界銀行が突きつけた原発への“絶縁状”
http://nikkan-gendai.com/articles/view/news/158086/1

国連防災世界会議に出席するため来日した世界銀行のキム総裁が13日、外国特派員協会で会見を開き、反原発の姿勢を鮮明にした。

「難しい問題だが、原発はリスクが未知数なため、世銀は投資の対象にはしない。炭素税導入で、火力発電によるCO2排出量を抑えると同時に、地熱、水力などのクリーンエネルギーへの投資を拡大するべきと考えている」

 キム総裁は9日にもワシントン市内で原発の危険性に関し、懸念を表明。福島原発事故について、「フクシマの技術は最先端ではなかった。新しい技術で本当に安全な原発ができるのか。核廃棄物の貯蔵や取り扱いを安全にできるのか。その証拠を示せなければ国民の納得を得るのは難しい」と語り、原発の安全性を強調し、再稼働に突き進もうとしている安倍政権を批判した。

原発向け融資は控えたまま

 途上国が原発を建設する場合、先進国の企業がセールスをかけ、発注する国は受注した企業などからの資金を受けて建設する。その後、発電所の電気料金の収入で債務を返済していくケースが一般的だ。受注者の多くは米国、ロシア、中国、韓国などの企業だが、もちろん日本も名を連ねている。昨年4月にはトルコ、UAEへの原発輸出を可能にする原子力協定が参院本会議で承認され、安倍首相がセールスに意欲満々なのは周知の通りだ。

 ところが、世銀は1959年にイタリアの原発施設に4000万ドル貸し付けて以来、原発向けの融資は控えている。この日のキム総裁の発言は縁切り宣言みたいなものだ。今や反原発が世界の潮流であることを国民も知るべきだ。

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◆Press Conference: Jim Yong Kim, President of The World Bank Group
Friday, March 13, 2015, 15:00 – 16:00
http://www.fccj.or.jp/events-calendar/press-events/icalrepeat.detail/2015/03/13/2654/30/press-conference-jim-yong-kim-president-of-the-world-bank-group.html

(FCCJchannel 動画)
Jim Yong Kim: “Major Global Risks and Building Resilience”
https://www.youtube.com/watch?v=X4rcmJ4974I

Reuters 2015年 03月 11日 14:43 JST
〔焦点〕中国原発輸出、問われる「メード・イン・チャイナ」の信頼性
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPL4N0WB20K20150311

原発輸出大国を目指す中国が、「信頼性」という大きな課題に直面している。求められているのは、まず国内で独自の原子炉を建設し、安全に運転できると証明することだ。

30年に及ぶ経済発展の中で獲得した外国の技術に支えられ、中国では世界最多となる原子炉が建設され、独自開発した原子炉の輸出計画も進んでいる。

李克強首相は5日に開幕した全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で、主要な原発プロジェクトを含め、幅広い先進業界で世界シェアを高める目標を掲げた。製造業の発展に向けた「中国製造(メード・イン・チャイナ)」計画だ。

先月には独自モデルの原子炉「華龍一号」をアルゼンチンに輸出することで基本合意。しかし、国営メディアが同モデルの「初航海」と表現したにもかかわらず、中国国内ではまだ華龍一号は1基も建設されていない。世界市場に原子炉を出荷できるのか、中国の輸出能力に懐疑的な見方が強まっている。
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オカムラ製作所 WAVE+ インタビュー
Vol.24 原発避難者の支援に取り組む
河崎健一郎 / 弁護士
http://www.okamura.co.jp/magazine/wave/archive/1503kawasakiA_4.html

2015.03.09 取材・文/山下久猛 撮影/守谷美峰

3.11の東日本大震災から丸4年。福島第一原発の事故はこれまで日本が経験したことのない世界的にも深刻な大事故となりました。この事故によって事実上永久に人が住めない土地ができてしまい、故郷からやむをえず避難した人、避難しなかった人、避難後再び戻ってきた人、避難するか否か迷っている人、など避難を巡ってたくさんの人びとが苦しい思いをしてきました。原発事故発生からそんな人たちを支援しているのが河﨑健一郎弁護士です。これまでの原発避難者・被災者支援活動や独自の働き方についてお話をうかがいました。

[前編] 見出し
■原発被災者の支援活動に取り組む
■被災地でのボランティア活動
■幼子を抱えたお母さんの一言がきっかけに
■原点は阪神淡路大震災
■法律家としてできることを
■社会問題化を目指して
■賠償は現在進行形の問題を解決しない
■支援のための2つの方向性
■法律とはメッセージ
■原発避難白書の作成
■福島県外の被災者の支援

[後編]
 

東洋経済ONLINE 2015年02月28日

生き物に異変!原発事故の「不都合な真実」
無視できない変化が起きている
塩田 春香
http://toyokeizai.net/articles/-/61864

数日前、庭木の枝に小さな鳥の巣を見つけた。お椀型の巣は空っぽで、内側をシュロなどの繊維、外側はコケや地衣類で覆われ、クモの巣で枝に接着されている。

「メジロかな?」

かわらしい緑色の小鳥の姿を思い浮かべて笑顔になりかけたとき、不安に襲われた。コケや地衣類は放射能に汚染されやすいと聞くが、それを巣材に使った小鳥は、どうなってしまうのだろう?

ある写真家がみた原発事故
人間がいないことへの生態系への影響
春が、永遠に春であるために
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現代ビジネス  2015年02月20日(金)

『東京ブラックアウト』若杉冽×古賀茂明 告発対談
「キャリア官僚はメルトダウン中に再稼働を考え始める生き物です」
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/42017

『東京ブラックアウト』は、フクシマ原発の事故後、原子力ムラの思惑通りに原発が次々再稼働して行く過程を描写するところから始まるノンフィクションノベルだ。その後、再稼働した「新崎原発」がテロにあい、全電源を喪失、メルトダウンする。避難計画は機能せず、やがて東京にも放射能の雨と雪が降りそそぐ・・・・・・。

現役キャリア官僚だから書けたリアリティある悪夢。近い将来、このシナリオは現実のものとなってしまう可能性が高い。 原発再稼働はなぜ止まらないのか、安倍官邸を牛耳るのは誰か、この流れを止める政治家はいないのか、などについて、作者の若杉冽氏と、同じく霞が関の官僚を知り尽くした古賀茂明氏が、120分語り合った。

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Reuters 2015年 02月 19日 16:24 JST
焦点:福島事故経て原発訴訟に変化の予兆、司法現場には重い課題
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0LN08B20150219

[東京 19日 ロイター] – 新しい規制基準の下、初の原子力発電所の再稼働については、年内には実現するとの見方が支配的だ。しかし、国の審査に合格しても、裁判所が地元住民による稼働差し止めの仮処分請求を認めた場合、当分の間は原子炉を動かすことができなくなる。

3年11カ月前に起きた東京電力福島第1原発事故の災禍が続く中、日本の司法はどのような判断に動くのか。

注目されるのは、今春に予想される九州電力川内1・2号(鹿児島県)と関西電力高浜3・4号(福井県)の計4基に対する仮処分の可否だ。福島事故が発生する前は、司法判断が住民側の訴えをほとんど退けてきた。

いずれの原発も、2013年7月に始まった原子力規制委員会の新規制基準適合性審査に合格しており、年内再稼働が既定路線と報じるメディアも少なくない。しかし、いま、推進側の一部から楽観論を戒める声が出始めている。

電力業界に詳しいある関係者は、ロイターの取材に応じ、「高浜3・4号再稼働差し止め仮処分申請で、関電が負ける可能性は相当にある」と予想するとともに、「川内原発1・2号差し止め仮処分決定の確率は五分五分。負けた場合、九電はふたけた%台の再値上げ申請に踏み切るだろう」との見通しを明らかにした。

<意気込む反対派、訴訟は有利との読み>

<リスク意識鈍い電力業界、訴訟急増の可能性も>

<原発訴訟、最高裁が誘導した過去>

<3.11は司法を変えたのか>

現代ビジネス isMedia 現代新書カフェ
福島第一原発事故 東日本壊滅の危機に最も近づいた「2号機爆発」の真相
全3回
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/41883

福島第一原発事故のような危機を二度と繰り返さないためにも、私たちは日本人は事故に真摯に向き合い、事故原因の究明を続けていく必要がある。4年前の今、私たち日本人がどのような危機に瀕していたのか? 吉田所長が「死を覚悟した」2号機の危機を克明に描いた、『メルトダウン連鎖の真相』(講談社)の 第7章を3回にわたって転載する。

福島第一原発事故 東日本壊滅の危機に最も近づいた「2号機爆発」の真相 第1回
ドキュメント 福島第一原発事故 東電技術者たちが語った「恐怖の瞬間」
NHKスペシャル『メルトダウン』取材班
2015年01月28日(水)
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/41883

福島第一原発事故 東日本壊滅の危機に最も近づいた「2号機爆発」の危機 第2回 ドキュメント 福島第一原発事故 東電技術者たちが語った「恐怖の瞬間」
NHKスペシャル『メルトダウン』取材班
2015年02月04日(水)
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/41886

福島第一原発事故 東日本壊滅の危機に最も近づいた「2号機爆発」の真相 第3回ドキュメント 福島第一原発事故 東電技術者たちが語った「恐怖の瞬間」
NHKスペシャル『メルトダウン』取材班
2015年02月09日(月)
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/41897

東洋経済 2015年02月09日

脱原発依存が焦点、電源構成の論議始まる
“新電源”としての省エネも重要に
中村 稔
http://toyokeizai.net/articles/-/60173

現実的でバランスのとれた電源構成(エネルギーミックス)とはどうあるべきか――。経済産業省は中長期的に目指すべき電源構成を議論するため、有識者から成る総合資源エネルギー調査会基本政策分科会(会長は坂根正弘・小松製作所相談役)の下に「長期エネルギー需給見通し小委員会」(委員長は坂根氏)を設置し、1月30日に第1回会合(分科会との合同会合)を開いた。

焦点は原子力発電のウェート付け
マクロ経済に寄与する電源構成という視点
製造業首脳は「電気料金低減が火急の課題」
消費者の立場から「再エネ導入の野心的目標を」
節電・省エネは「新しい電源」
再エネ先進国ドイツの最新事情に注目
電力だけでなく熱利用を含め検討へ
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現代ビジネス「ニュースの深層」 2015年02月03日(火)

押し寄せる大津波を再現! これを見ずに「原発再稼働」は語れない。電力中央研究所の迫力満点の実験をリポート
町田 徹
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/41941

怒涛の如く押し寄せた水が瞬く間に防潮堤を駆け上り、試験水路の高さを超えるほどの水しぶきが飛び散った。その時、側壁に衝突してドカーンという轟音を発したのは、漂流物を模した鉄球だった――。

大津波襲来のシミュレーションが可能に
東日本大震災の「想定外」の津波がきっかけ
マスコミからほぼ黙殺されている技能者集団

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