Category Archives: 論説・論考

ゲンダイネット(2013年6月21日11時26分)
再稼働ありき、原発「新・規制基準」のデタラメ
http://news.infoseek.co.jp/article/21gendainet000188813

一体どこが厳しくなったというのか。原子力規制委員会が19日、正式決定した原発の「新規制基準」のことだ。

新基準は、シビアアクシデント(過酷事故)対策として、想定される最も大きな津波を「基準津波」とし、原発敷地内に浸水させないよう義務付けたほか、浸水が想定される場合には「防潮堤」の建設を要求。活断層の真上には原子炉建屋など重要施設を認めないことも明確化し、放射性物質を外部に逃すための「フィルター付きベント」の設置を求めた。

田中俊一委員長は「世界最高水準の規制」と自画自賛していたのだが、「安全よりも再稼働を優先させている」と怒りの声(中略)

<福島事故の原因は不明のまま>

 「“抜け穴”はほかにもあります。格納容器が大きいタイプの原発のベント設置や、原発を操作する中央制御室が使えなくなった場合に備えた『第2制御室』などの整備について、5年間の猶予期間を設けたことです。地震や災害は明日起きてもおかしくない。それなのに、なぜ猶予期間が必要なのか。原発を再稼働したい電力会社に配慮したのはミエミエです」(科学ジャーナリスト)

再稼働ありきのザル基準は明らかである。
(つづきを読む)

エコノミスト 2013年6月25日号
原発輸出の矛盾:問題案件を抱え込む安倍政権、原発輸出の矛盾

宗敦司
(エンジニアリング・ビジネス編集長)

http://urx.nu/4jst

 安倍政権が原発輸出を強力に推進している。トルコ、アラブ首長国連邦(UAE)アブダビとも5月に協定を締結。インドとも協定締結に向けた交渉の再開で5月末に合意した。さらにはフランスとも原発輸出の協力で6月7日に合意している。まるで“原発セールスマン”となったようだ。

政府が原発輸出にこだわるのは、一つには福島事故後でも海外での原発ニーズが現実として存在するためだ。米国ではシェールガス革命に押されて、原発の新規立地計画は失速しているが、アジア、中東、欧州では引き続き計画が進んでいる。

それに対して日本のプラントメーカーは十分な供給力を持っている。とはいえ、東京電力福島第1原発の事故で国内の新設は見込めない。原子力産業を維持していくには、輸出に頼るしかないのが現状だ。輸出が実現すれば、供給者としての責任をアピールし、日本国内での原発産業維持という名目も立ち、核物質の保有を正当化し続けることもできる、というわけだ。………

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河北新報 社説 2013年05月27日月曜日
原発輸出/十分な国内対応こそ優先に
http://www.kahoku.co.jp/shasetsu/2013/05/20130527s01.htm

(中略) 首相は自身が掲げる成長戦略の柱の一つに原発輸出を位置付けている。だが原発事故の原因が未解明の上、多くの住民が古里を追われ避難生活を強いられている中での経済優先路線には、違和感を拭えない。(中略)

 原発事故では、16万人もの住民が家を奪われ生活の立て直しに追われている。事故原因は専門家の間でも意見が分かれ、原子力規制委員会の検証が今月始まったばかりだ。
 汚染水漏れや使用済み核燃料プールの冷却停止などのトラブルも相次ぎ、見通しが利かない廃炉作業が住民の帰還意欲をそいでいる。(中略)

 首相はまず、今国会で表明した通り、原発事故の被災者支援や廃炉に向け前面に立って責任を果たすべきだ。併せて、地球温暖化対策も踏まえた長期のエネルギー政策を明示し、先送りしてきた「核のごみ」の最終処分についても国民に丁寧に説明する必要がある。(中略)
 「福島第1原発事故の教訓」を、原発輸出の便利な口上として使われては困る。

新潟日報 社説(5月12日) 2013/05/13
原発輸出 前のめり過ぎはしないか

http://www.niigata-nippo.co.jp/opinion/editorial/20130513042370.html

 安全への不信感は解消されていないのに、前のめり過ぎはしないか。
 安倍晋三首相とトルコのエルドアン首相が、日本の原発輸出を可能にする「原子力協定」を締結することで合意し、署名した。
 東京電力福島第1原発の事故後、官民連携による原発輸出が具体化するのは初めてである。

 原発ビジネスを成長戦略の柱の一つとして位置づけると同時に、原子力産業の技術や人材を維持していくのが目的だ。過去最大となった貿易赤字を縮小させる狙いもあろう。(中略)

 だが、国が関与することによるリスクは少なくないだろう。
 深刻な事態が起きれば、国に賠償責任が生じる可能性があるからだ。それは国民負担につながる。
 輸出には、福島事故を教訓とした極めて高い安全技術の提供が大前提となることを肝に銘じるべきだ。(中略)

 平和利用を前提としている原子力協定は、核物質と関連技術の軍事転用を禁止し、第三国への移転も規制している。
 しかし、原発保有国が増加すれば、それだけ核拡散の恐れが高まることは間違いない。

 世界で唯一の被爆国として、軍事転用をどうやって防止していくのか。管理体制の在り方も問われることを忘れてはならない。

リスク対策.com リスクマネジメント最前線より 2013年4月22日発行

原子力災害に備える ~社員の安全対策を踏まえたBCP~
http://risktaisaku.com/sys/news/?p=000492

東日本大震災以降、多くの企業で大規模地震を想定した事業継続計画(BCP)等の策定や改定が行われており、地震に対する備えのレベルは着実に向上しているものと思われる。

他方、東日本大震災においては、地震・津波の影響により東京電力福島第一原子力発電所(以下、「福島第一原発」)の事故が発生し、未だに終息しない状況にある。このような事態を受けて、国では、原子力防災に関する抜本的な見直しが進められている。現在、原子力災害対策特別措置法、防災基本計画(原子力災害対策編)の改訂に続き、原子力災害対策指針も逐次、改訂されているところである。また、原子力災害対策指針の改定による「原子力災害対策重点区域」の拡大を受け、地方公共団体においては、「地域防災計画(原子力災害対策編)」の改訂等が行われているところであるが、企業においては原子力災害を想定したBCPの策定にまでは至っていないのが現状である。

そこで、本稿では、今回の原子力災害対策指針の「緊急事態における防護措置実施の基本的な考え方」における避難等の要点を整理し、企業が社員の安全対策を踏まえたBCP(原子力災害対策編)の策定の際に考えておくべきポイントを示したい。( つづきを読む

1.「原子力災害対策指針」改訂の要点

2.原子力災害について

3.企業におけるBCP(原子力防災編)策定のポイント

4.最後に
 

Foresight 2013年4月9日
台湾・馬英九政権を揺さぶる「反原発」のうねり
執筆者:野嶋剛
https://www.fsight.jp/15822

台湾で4カ所目の原子力発電所となる「第4原発」(核四)の稼働をめぐり、その是非を全台湾住民に問う住民投票が年内に実施される見通しだが、予想を大きく上回る反対運動のうねりが起きており、建設推進の馬英九政権を慌てさせている。先月には20万人の大規模な反対集会も開かれ、馬総統を支えるべき与党幹部の「造反」も相次ぐ。福島の事故以来、アジアでここまで原発推進が政治問題化するケースは初めてだ。( つづきを読む

■ 「住民投票」という奇策

■ 続々と現れた「反核芸能人」

■ 後継問題と密接にリンク

日本原子力文化振興財団ホームページより
事故から考えるこれからの原子力防災 2013年2月22日
京都大学原子炉実験所教授、研究炉部長
中島 健 氏(なかじま・けん)

── 福島第一原子力発電所事故から2年経ちますが、事故についてどのように見てこられましたか。

中島 防災の観点から申し上げたいと思います。2003年まで、日本原子力研究所にいましたが、1999年にJCОの臨界事故が起きました。直後に対策本部が立ち上がり、そこでどうやって臨界を止めるか等、現場でいろいろと活動しました。

 その関係でその後、アメリカやヨーロッパなど海外の防災体制の調査などに国の業務で行きました。その結果「日本も防災対策をきちんとやる必要がある」とレポートし、オフサイトセンターや原子力安全・保安院ができたりと、防災体制の見直しがなされました。

そのJCО事故から10年ちょっとで福島の事故が起きました。すぐ収束するかと思いましたら、どんどん被害が大きくなっていきました。そのとき疑問に思ったのは、オフサイトセンターによる情報の集約や発信、SPEEDIの活用、また原子力災害対策用のロボットの起用など、JCO事故を踏まえ用意をしていたことが全く機能していないことでした。( つづきを読む

2大事故でシビアアクシデントと「安全文化」の必要性が問われることに
── スリーマイルとチェルノブイリ、過去に起きた2大事故を知ることも重要ですが、どのような事故だったのでしょうか。
── 福島の事故との違いという面ではいかがでしょう。

評価設定が7段階しかないため、福島とチェルノブイリは同じになった
── 事故評価尺度がチェルノブイリと同じとなると、事故の原因や放出された放射性物質の量に関係なく、同じ程度の事故だったのかと考えてしまいますね。
── 福島の事故で得られた教訓とは

結局、安全の確保の最後は人だ

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中島 健 氏(なかじま・けん)

1957年 札幌市生まれ。82年北海道大学大学院工学研究科原子工学専攻修士課程修了後、日本原子力研究所(現・日本原子力研究開発機構)において、臨界安全性および原子炉物理に関する実験研究に従事。99年、東海村の㈱JCO燃料加工工場臨界事故の際には、国の現地対策本部員および日本原子力学会事故調査委員等として、事故の収束対応、事後の事象解明を実施。03年に京都大学原子炉実験所助教授、07年より現職。専門は原子炉物理、臨界安全。

DIAMOND ONLINE 特別レポート 「福島原発震災 チェルノブイリの教訓」

2011年3月14日
福島原発震災――チェルノブイリの教訓を生かせ(1)
http://diamond.jp/articles/-/11484

2011年4月5日――福島原発震災 チェルノブイリの教訓(2)
子どもの甲状腺被曝検査の継続を
http://diamond.jp/articles/-/11752

2011年4月12日――福島原発震災 チェルノブイリの教訓(3)
ソ連政府はどのように収束させたのか
http://diamond.jp/articles/-/11838

2011年4月15日――福島原発震災 チェルノブイリの教訓(4)
汚染食品のデータをどう読むか
http://diamond.jp/articles/-/11913

2011年4月26日――福島原発震災 チェルノブイリの教訓(5)
「クリーンエネルギー原子力推進」をだれが言い出したのか
http://diamond.jp/articles/-/12075

2011年5月7日――福島原発震災 チェルノブイリの教訓(6)
学校の放射線許容量はなぜ迷走しているのか
http://diamond.jp/articles/-/12159

2011年5月18日――福島原発震災 チェルノブイリの教訓(7)
菅首相の「浜岡原発停止要請」は唐突ではない
~阪神大震災の教訓から誕生した地震調査研究推進本部の研究成果が初めて原発事故抑止に生かされた
http://diamond.jp/articles/-/12304

2011年6月6日――福島原発震災 チェルノブイリの教訓(8)
足柄のお茶はなぜ汚染されたか
関東平野の放射能汚染状況
http://diamond.jp/articles/-/12566

2011年6月16日――福島原発震災 チェルノブイリの教訓(9)
チェルノブイリと福島のセシウム汚染
住民避難への対処法はどうだったのか
―旧ソ連政府は現在の日本政府より住民の安全サイドに立っていた
http://diamond.jp/articles/-/12730

2011年6月24日――福島原発震災 チェルノブイリの教訓(10)
実態がわかってきた関東平野の放射能汚染
各地で空間放射線量の測定進む
http://diamond.jp/articles/-/12857

2011年7月1日――福島原発震災 チェルノブイリの教訓(11)
除染を急げば大幅に放射線量は減少する
市民の健康を守れるのは自治体
http://diamond.jp/articles/-/12919

2011年7月8日――福島原発震災 チェルノブイリの教訓(12)
汚染水漏洩を防止する地下遮蔽壁はいつできるか
http://diamond.jp/articles/-/13028

2011年7月20日――福島原発震災 チェルノブイリの教訓(13)
東葛地区(千葉県)の放射能汚染、その後の対策はどうなったか
http://diamond.jp/articles/-/13191

2011年8月17日――福島原発震災 チェルノブイリの教訓(14)
食品安全委員会が初公表した規制値の今後の目安
生涯100ミリシーベルトの意味をよく考えてみよう
http://diamond.jp/articles/-/13586

星の金貨Blog 2013年4月26日 より

【 原発撤退の遅れ、それは国家的危機に直結する 】
フランス国立研究機関が警告、原子力業界の人材枯渇による危険増は避けられない

アメリカNBCニュース(フランス・トゥルヌミール) 4月23日

http://kobajun.chips.jp/?p=10770

「熟練した技術者の引退が相次ぎ、若年の技術者が原子力発電という将来性の無い分野に進みたがらないことを考慮すれば、原子力発電からの撤退に時間をかけ過ぎること、あるいは撤退そのものをためらうことは、国家の将来にとってきわめて危険なものになり得る。」
フランス国立の原子安全研究所がこのように発表しました。「もしフランスが原子力発電からの撤退を決定するのであれば、そのやり方はドイツを見習い、迅速にそれを決定・実行する必要がある。
仮にももし継続を決定するようなことになれば、将来原子力発電は、それを扱う能力・資格に欠ける人間たちによって( つづきを読む

NBC News 原文

Slow is scary if France quits nuclear : state institute
By Marion Douet
http://www.nbcnews.com/id/51633044#.UXdtV0r0cnU

ピープルズニュース 2013/4/22更新

モンゴルで「核廃棄物処理場建設」秘密構想ウラン開発とセット
http://www.jimmin.com/htmldoc/1477801.htm

安倍首相モンゴル訪問3/30に反核団体抗議活動
今岡良子さん(大阪大学言語文化研究科准教授)インタビュー
3月30日、モンゴル政府庁舎前では、「ウランは掘らん」「ウランは売らん」「私たちは福島市民と連帯します」の横断幕を掲げた反核運動家が、訪問中の安倍首相を迎えた。エルベグドルジ大統領との首脳会談のためモンゴルを訪問した安倍首相の車は、ゆっくり横断幕を見ながら政府庁舎に入っていったという。

日本の首相のモンゴル訪問は、2006年の小泉首相以来7年ぶり。この日、両首脳は経済連携協定(EPA)交渉加速に合意。石炭など鉱物資源や環境分野での協力を発展させることや、安全保障分野の関係強化も確認したと発表された。

しかし、「発表されない重要テーマがあった」と語るのは、今岡良子さん(つづきを読む)

アジア脱原発のカギを握るモンゴル
3つの黒点をもった日本とモンゴル