原発の推進を掲げる政権を許してはなりません!
「12.5老朽原発このまま廃炉!大集会in おおさか」を成功させましょう

老朽原発うごかすな!実行委員会 木原 壯林

老朽原発うごかすな!ニュース54号 【PDFダウンロード

 
原発再稼働阻止、原発全廃のためにご奮闘の皆様

 3A(安倍、麻生、甘利)の強い影響下での論功行賞的人事を行い、安倍・菅路線を継承して、破局に突き進む政権が誕生しました。看板だけを書き換えて、さらに巧妙に国民に犠牲を強いる岸田政権です。岸田首相は、温室効果ガス削減を目指すとして、原発再稼働、新型炉開発、核融合開発を含めた「クリーン・エネルギー戦略」の策定を掲げ、「再生可能エネルギーの一本足打法ではない」と述べています。脱炭素政策には消極的であるにも拘らず、原発には前のめりです。
 岸田自民党総裁は、「原子力ムラのドン」の一人・甘利明氏を幹事長にすえ、エネルギー基本計画を見直すと明言し、小型新型原子炉の開発を標榜する高市早苗氏を党の政策立案を仕切る政調会長に就任させました。福井2区選出で国対委員長についた高木毅氏も原発推進派で知られています。
内閣では、甘利氏の一番弟子であり「原発を使い倒さなければカーボンニュートラルできない」と主張する原発推進の急先鋒・山際大志郎氏を経済再生担当相とし、安倍元首相の最側近で、原発推進の萩生田光一氏を経済産業相とする一方、原発推進に異論を唱える河野太郎氏、小泉進次郎氏を閣外に追放しています。これによって、「原発推進のエネルギー基本計画」を全会一致で閣議決定する魂胆は見え見えです(10月中か?)。
 岸田首相は、核燃料再処理と高速炉運転を骨格とする「核燃料サイクル政策」を進めれば、使用済み核燃料の放射線レベルを300年程度で天然ウラン並みに低減できると主張しています(直接処分すれば、10万年を要します)。「原子力ムラ」の主張を鵜呑みにし、彼らの展開する巧言(レトリック)のみを信用し、自らは何の検証もしない、科学・技術の現実に全く無理解な発言と言わざるを得ません。再処理工場や高速炉が稼働したとしても、使用済み核燃料の放射線レベルの大幅低減を実現することは不可能です。その再処理工場は、1997年に完成を予定していましたが25回も延期を繰り返し、すでに建設費だけでも3兆円超を投じたにも拘らず、今でも本格稼働の見通しは立っていません。1兆円以上を費やした高速増殖炉「もんじゅ」は、トラブル続きで、政府も技術的困難さを認めざるを得なくなり、廃炉に追い込まれています。
 一方、4ヶ月前に就任した十倉経団連会長は、岸田総裁誕生に際して、「一番大切なのはエネルギー政策、小型モジュール炉などの開発にも力を入れるべき」とし、福島原発事故以降、原発の新設・立て替えを凍結してきた安倍・菅政権の政策の転換を岸田政権に期待しています。

 今、電気は十分に足り、省エネ機器の発達、蓄電法の進歩も著しく、省エネ・節電の気運も盛り上がり、エネルギー需要は減少に向かっています。危険な原発や核融合を推進する必要は何処にもありません。これらによって、エネルギーを生産すれば、地球温暖化も進みます。
60年以上も前から膨大な予算を投下して開発を続けてきた「地上につくる太陽」・核融合、「夢の原子炉」・高速(増殖)炉、原子力製鉄を目指した高温ガス炉、核燃料サイクルの実現を目指した再処理工場、何れも、未だに実現の見通しは見えません。それでも、いま岸田政権は、新しいテーマのごとく取上げて、さらに膨大な予算を投下しようとしています。それは、これらを進めてきた大企業や「原子力ムラ」を救済するためであり、税金の無駄遣いです。(なお、「原子力ムラ」や政府はこれらの研究を「基礎研究」と言いふらし、ここに予算を投下することが「基礎研究重視」と宣伝しているが、これらの課題に関する「基礎研究」は半世紀以上も前に終わっています。「基礎研究」の成果は、人間の都合によって実用化できるとは限りませんし、全てを人間が利用してよいとも限りません。それでも、膨大な予算を注ぎ込むのが「原子力ムラ」とそれを支える政府です。)
 こんなところに使う予算があれば、自公政権が自らの失政で招いた福祉や医療の崩壊を修復し、国民が今もっとも必要としている、福祉、医療の充実に使うべきでしょう。とくに、コロナ禍を通して実感した医療崩壊の建て直しは急務であるはずです。    
 なお、自民党や経団連がいかに願望しようとも、それによって原発の危険性が減少するわけではありません。万が一にも重大事故を起こしてはならない原発を、不安なく運転できるほど現代科学技術は進歩していないのです。しかも、原発が重大事故を起こせば、事故炉周辺の住民だけでなく、50 km 以上も離れた地域の人々にも避難を強いること、避難は困難を極め、長期におよび、多くの関連死を招き、人々に塗炭の苦痛を与えることを福島原発事故が教えています。原発の推進を掲げる政権を許してはなりません!

 「12.5老朽原発このまま廃炉!大集会in おおさか」および「10.23(美浜3号機停止日)-12.4老朽原発このまま廃炉!キャンペーン」行動を成功裏に実行し、岸田政権の出鼻をくじき、老朽原発を廃炉に追い込み、それを突破口に原発全廃を実現しましょう!

 関電は、重大事故の確率が高い老朽原発・美浜3号機を再稼動し、高浜1、2号機の再稼動を画策し、高浜3、4号機のプルサーマル運転を強行しています(そのために、11月下旬にMOX燃料をフランスから搬入しようとしています)。危険極まりないこれらの原発の運転を許してはなりません!「老朽原発廃炉」を勝ち取り、プルサーマル運転を阻止し、原発全廃へと前進しましょう!

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