Category Archives: 論説・論考

Reuters 焦点:福島原発汚染水、漏えいタンクに違法労働の影
2013年 12月 10日 18:12 JST
http://jp.reuters.com/article/jp_energy/idJPTYE9B906720131210?sp=true

東京電力福島第1原子力発電所でなお続く大量の放射能汚染水流出。その大きな原因となった貯蔵タンク漏えいの影には、廃炉現場における違法な雇用実態があった。

深刻な人手不足の中、不透明な契約で作業員たちをかき集める「人員調達網」は遠く沖縄まで広がる一方、現場では「質」を問わない性急な工事が行われていた、との指摘は少なくない。

2011年3月の震災以来、福島第1原発では大量の汚染水があふれ、その一部は海洋に流出していると見られている。東電では日本全国から何千という労働者を緊急に福島に集め、何百もの1000トン型貯蔵タンクを設置した。しかし、今年8月には地上タンクから高濃度汚染水約300トンが漏出する事態が発生。継ぎ目をボルトで締めるだけのタンクの構造が想定外の汚染水漏れを引き起こす結果となった。

タンク設置工事についても、仕事の訓練が十分でなく、ずざんな仕事も見落としかねない急ごしらえのプロジェクトだった、と多くの現場経験者は証言する。

「たとえ作業のやり方に同意できないとしても、私たちは黙って作業を急ぐことしか許されなかった」。当時、現場でタンク設置にあたった上地剛立氏(48)は福島第1原発の廃炉作業を脅かす作業実態についてこう語り、いまも告発を続けている。( 続きを読む )

<押し付けられたニセの報告>

<工事の管理は二の次>

<労働者保護が廃炉成功の条件>

東洋経済オンライン 2013年09月26日
米国で市民が原発を廃炉に追い込んだ理由
当事者が、カリフォルニア州原発をめぐる攻防を証言

http://toyokeizai.net/articles/-/20156

 福島第一原子力発電所の事故をきっかけに脱原発の動きが起きたのは、すべての原発の廃炉を決めたドイツだけではない。世界で最も多くの原発が立地する米国でも、原発が相次いで廃炉に追い込まれている事態になっている。

このほど、カリフォルニア州でのサンオノフレ原発を廃炉に追い込む活動で、中心的な役割を果たした住民代表と、福島原発事故当時に米国原子力規制委員会(NRC)で委員長を務めた人物が来日した。福島第一原発の事故で始まった脱原発の取り組みと、市民による行動の重要性について、東京都内で講演した。

「福島原発事故の米国への影響」と題した9月23日の講演会(主催は原子力資料情報室)で講演したのは、サンディエゴフォーラム市民側代表で住宅・都市計画建築家のトーガン・ジョンソン氏と、元NRC委員長のグレゴリー・ヤツコ氏だ。 (つづきを読む)

◆日本と似る、米原発をめぐる構図

◆万一の際は莫大な被害額、内部関係者も重大証言

◆市民の行動が、原子力政策を変える

JanJanBlogより(2013年 9月 9日 21:55)
2020年東京オリンピックは原発再稼動が目的 (著 上岡直見)
http://www.janjanblog.com/archives/100413

安倍首相はIOCで「状況は制御されている」と述べたが、破損燃料がどうなっているかさえ確認できていないことは世界中の人が知っている。いかに好意的 に解釈しても虚偽説明である。これだけ恥も外聞もなくオリンピックを招致した目的は、祝賀ムードで福島の問題を覆い隠すためであることは誰でも察知していることだが、より大きな目的は原発再稼動である。なぜわざわざ屋外競技に不適な、しかも日本人選手にとっても有利ではない猛暑の時期に開催するのかを考えれば・・・(つづきを読む

古賀茂明「日本再生に挑む」 2013.08.24
官々愕々 東電を今こそ破綻処理せよ

『週刊現代』2013年8月31日号より

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/36765

・・・典型例が、東京電力福島第一原子力発電所の高濃度汚染水の海洋流出問題への対応だ。8月7日、安倍総理は、「東京電力に任せるのではなく、国としてしっかりと対策を講じていく」と胸を張った。

実はその前に伏線として、政府による「危機」演出があった。汚染水が海洋に流出していることは前からわかっていたのに、政府はそれを参議院選挙後になって、「汚染水大量流出」という形で公表した。「天下の一大事だ」ということで、マスコミは、「政府が前に出ろ!」と大合唱した。安倍総理は、それを利用して「前に出る」と言ったのだ。しかし、真の狙いは国費投入だ。8月末の予算要求締め切り前にその方針を確定したかったのだ。

マスコミはそれを理解せず、無邪気に「遅すぎた」と論評し、政府の方針を認めてしまう。政府の演出にはめられた瞬間だった。

そもそも、東電は事実上破綻している。破綻企業の責任負担の大原則から見れば、安倍総理の言ったことは理不尽の極みだ。

第一に責任を負うべき東電の経営者が責任を取っていない。本来は全員クビ・・・(続きを読む)

JB Press 2013.07.31(水) USA

米国で一転、急速な広がり見せる原発不要論
安全面でもコストでも全く割に合わない (堀田 佳男)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/38350

先日、米国の知人から来たメールに興味深いことが書かれてあった。
「原発はもう終焉を迎えることになるでしょう。事故を起こした時のコストを考慮すると、原発は割が合いません。天然ガスや石炭の方が今は安価ですから」

┃原発推進から一転、米国の風向きが変わった
 これは日本の話ではない。これまで原発を前向きに捉えていた米国の話だ。採算が悪化し始めたことで、原子力産業は廃れていく運命にあるとジョージ・W・ブッシュ政権で官僚をしていた知人は綴っていた。

 だが数年前までは違った。バラク・オバマ大統領は2008年の大統領選で、選挙用テレビCMで次のように述べていた。
 「今後10年で1500億ドル(約15兆円)をかけて、全米に十分に行き渡るエネルギーを確保していきます。その1つが原子力で、核エネルギーをより安全に利用していくつもりです」
 この言葉からは、原発の旗振り役と思えるほどの意気込みを感じる。こうした原子力政策はブッシュ政権からの継続でもあった。

 オバマ氏は大統領になった後も考え方を変えていない。2010年1月の一般教書演説でこう力説している。
 「グリーンエネルギーの生産性と効率を向上させて雇用も増やします。その一環として、安全でクリーンな新世代の原子力発電所を建設していきます」
 ただ米国政府は原発に対して長い間、慎重な態度を取ってきた。1979年のスリーマイル島の原発事故以来、長期間にわたって新規原発の建設を控えている。

 原発の安全性は完璧ではないという現実を事故によって会得したからだった。日本の電力会社が信奉してきた安全神話とは逆の立ち位置だ。(つづきを読む)

┃今後20年以内に43基が廃炉に

┃安全性よりも目先の利益しか考えない日本の電力会社

JanJanBlogより(2013年 7月 20日 13:26)
原発55基目は絶対に作らせない! 「あさこはうす」の闘い (著 三上英次)
http://www.janjanblog.com/archives/98702

 青森県の最北端にある大間町で、(株)電源開発による原子力発電所の建設計画が持ち上がった時、原発建設予定地には176人の地権者がいた。1984年12月に町議会が原子力発電所誘致を決議、2008年4月に国から原発設置許可が出され、翌5月には事業者である(株)電源開発は、大間原発の建設工事を開始する。

地権者175人が買収工作に屈する中で、たった一人、最後の最後まで土地買収に応じなかった人がいる。熊谷あさ子さん(1938~2006)がその人だ。あさ子さんが土地買収に応じないために、原発は当初予定されていた場所から位置をずらし、現在、施設の建設が進められている。原発の建設予定地の中にぽつんと残されたあさ子さんの土地にはログハウスが建てられ、母親の遺志を継ぐ娘の小笠原厚子さんが管理する。そのログハウス―あさこはうす―と原発との距離はわずか250メートル、土地の周りには鉄条網が張り巡らされ、約1キロの細い道を通ってたどりつく「あさこはうす」の入り口には電源開発の監視小屋があり、人の出入りがチェックされている。7月19日、厚子さんが上京し、毎週金曜日の脱原発抗議行動で声をあげた――。(つづきを読む)

『核情報』 2013年06月27日 11:30
「利用目的のないプルトニウムを持たない」原則に無頓着の原子力委
──高浜MOX輸送の次は六ヶ所再処理開始?

http://kakujoho.net/rokkasho/mox_tkhm2.html

関西電力高浜原子力発電所3号機用MOX燃料が、27日朝、同発電所に到着しました。「利用目的のないプルトニウムを持たない」との原則を示してい る原子力委員会は、2003年の決定で、英仏でのMOX燃料加工に先立ちその燃料の利用計画を確認するとしています。製造契約・加工開始の時点では確かに 「利用計画」がありましたが、福島事故で輸送中止となって以後、再稼働があるかどうかも分からず、関電自身が利用について判断していない言っています。と ころが、原子力委員会は、この輸送が問題かどうか議論もしてないとのことです。六ヶ所再処理工場の運転については?

  1. 核兵器利用可能物質の輸送について無頓着な原子力委員会
  2. 六ヶ所再処理工場でのさらなる分離についての判断の試金石
  3. 再稼働と再処理開始の競争──原子力員会は判断基準を明確に

(つづきを読む)

 
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関連ニュース

AFP通信 2013年06月27日 11:30 MOX燃料が高浜原発に到着、原発事故後初
http://www.afpbb.com/article/economy/2952800/10968050

 

NetIB-News [脱原発・新エネルギー]

2013年6月24日 16:12 危うい安倍政権のエネルギー政策(1)
<原発輸出のリスク> <3つの危険性>
http://www.data-max.co.jp/2013/06/24/post_16453_is_01.html

 問題点をクリアしないままの原発再稼働や海外への原発輸出は、国民にとって大きなリスクをはらんでいる。安倍政権は成長戦略のエネルギー分野において、新エネルギーを模索しつつも3.11がなかったかのような原発推進に転換。原発再稼働の方向で動いている。しかし、本当に「安全」だと言い切れるのか。
脱原発からの再生可能な自然エネルギーへのシフトを訴え続ける環境エネルギー政策研究所の所長の飯田哲也氏に、エネルギー政策の問題点を聞いた。(つづきを読む

2013年6月25日 15:36 危うい安倍政権のエネルギー政策(2)
<建設コストの問題点> <再稼働、損害賠償の問題点>
http://www.data-max.co.jp/2013/06/25/post_16454_is_02.html

2013年6月26日 07:00 危うい安倍政権のエネルギー政策(3)
<使用済み核燃料の問題> <国民的な合意が必要>
http://www.data-max.co.jp/2013/06/26/post_16454_is_03.html

2013年6月27日 07:00 危うい安倍政権のエネルギー政策(4)
<廃炉への現実的プログラムを> <政治選択の難しさ>
http://www.data-max.co.jp/2013/06/27/post_16454_is_04.html

Blog vs. Media 時評 2013.06.23
迷宮型原発事故は装置依存の新規制基準で防げず
http://blog.dandoweb.com/?eid=163211

 「世界一の厳しさ」と自称の原発の新規制基準が7月から施行されます。安全装置類でがちがちに固めた新基準の死角は、スリーマイル島事故のような迷宮型に対応していない点だと原発取材が長い立場から指摘します。もともと原発で過酷事故が起きるとすれば、熟練した運転チームでも対処しきれない迷宮型が最もあり得ると考えられてきました。福島原発事故のような全電源喪失はそうそう起きるものではないと思われていたから手抜きがあり、その穴を一気に塞ぐのが新基準です。しかし、福島原発事故によって運転チームの熟練度が考えられていたより恐ろしく低いと判明しました。

時事通信の《原発新基準、正式決定へ=地震、津波想定を厳格化-施設対策は一部猶予・規制委》にある図を見ても、防潮堤、外部電源多重化、テロ対策でもある第2制御室、活断層判断の厳格化、電源車の高台配置などハードウエア整備ばかりが並んでいます。

新潟県知事が「事故の検証・総括がないままハードに偏った規制基準・・・つづきを読む

 
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関連記事

2011.12.26 恐ろしいほどのプロ精神欠如:福島原発事故調報告
http://blog.dandoweb.com/?eid=136488

2011.12.19 東電技術力は2級品:NHKスペシャルで確認
http://blog.dandoweb.com/?eid=136078

JanJanBlogより、論説を紹介します(2013年 6月 21日 15:45)

「安全神話の改訂」にすぎない原発新規制 (著 上岡直見)
http://www.janjanblog.com/archives/97370

 2013年6月19日に、原子力規制委員会は新たな規制基準を発表した。たしかに福島事故前よりは厳しくなっているものの、福島事故と同程度の事態に対処できるようにしただけであって「安全神話の改訂」にすぎない。

たとえば強い地震動によって制御棒が挿入できず核暴走が発生したらどうするのか。また圧力容器・格納容器とも多数の配管が貫通している。容器そのものが損傷しなくても、それらの配管が損傷すれば圧力容器・格納容器に穴が開いたのと同じ状態になる。

これらの事態になると、防護服を着ても現場にいられないレベルの放射線が放出されるので、いくら複数の移動式ポンプなどを用意していても使いようがない。「緊急時対策所」に避難しても、室内の放射線量がどんどん上がってくるのを待つだけで外部から救助にも行けない。BWR(沸騰水型)に対する・・・(つづきを読む)

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イベント紹介

日弁連シンポジウム 公共事業とわたしたちの未来vol.2
「国土強靭化」と「被災地復興」のいま、「新しい」公共事業と「地域経済」のこれから
http://www.nichibenren.or.jp/event/year/2013/130706.html
2013年7月6日(土)13:00~16:30 弁護士会館 参加費 無料


上岡直見記者のプロフィール

JanJanニュース創立から参加している。交通政策・環境政策がテーマ。「政治談議」でなく論理と数字で評価することを重視。