「川内の家」ニュース 55号 2015/04/24

鹿児島地裁は、「安全神話」に逆戻り?
川内原発・再稼動差止の仮処分は、却下


鹿児島地方裁判所が4月22日、川内原発の再稼動差止め仮処分の申し立てに「決定」を出しました。結果は残念ながら「却下」。
200名近く集まった住民からは、前田裁判長への批判の声が大きく上がりました。

福島事故4年目の、「安全神話」の復活
決定の内容は、福島原発事故の前の判決や決定に、まるでそっくりです。規制委員会や九電の専門家は、出来る限りの対策をやっているのだから安全だ、というもの。

4月14日の高浜原発の仮処分決定は、「規制基準は甘い」と批判。対策をやっても、「万一の危険があれば再稼動してはならない」と決めました。なんという違いでしょう。

九電の過酷事故対策は、原子炉に水をかけるだけ。ごく低い放射能の放出しか想定していません。それでも薩摩川内市の避難計画では、住民は原発労働者の12年分の被曝をしながら逃げることになっています。そして福島原発は水をかけ続けても爆発したのでした。

安全余裕度を食いつぶし、再稼動するのか
九電は、まともに安全対策をやっていません。規制委の「使用前検査」も、九電の案内で設備の有無、動作するか否かを見るだけです。

それ以前に、川内原発がはたして地震に耐えるのか。77年の設計時の基準は270ガル(*)だったといいます。いま基準地震動だけが620ガルになっています。しかし建屋・設備の劣化が進み、安全対策は不十分。安全余裕度は、設計当時が3.0倍だったなら、今は1.3倍。これでは木造家屋の基準(震度5強で損傷しない)より劣りそうです。

無責任で、強い者に巻かれる裁判官や自称専門家に、命をあずけてはなりません。

 * ガル:衝撃の程度

indexへ戻る